話題のゲームを舞台化!観客参加でセンシティブなワードを探す『ウーマンコミュニケーション シルエット朗読劇』公演レポート

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2024年5月4日(土)・5日(日)に東京・秋葉原 from Scratchにて、上演・配信(アーカイブ配信あり)された『ウーマンコミュニケーション シルエット朗読劇』。その内容から話題となったアドベンチャーゲーム『ウーマンコミュニケーション』を原作とした本作。今回は、5月4日(土)19時に上演された回のレポートと、初日を迎えたキャストたちのコメントをお届けする。

原作ゲームの『ウーマンコミュニケーション』は、学園の風紀委員としてキャラクターたちの会話に無意識に潜むちょっとHで下ネタな「うっかりセンシティブワード」を指摘し、風紀を正しながらゲームを進めるアドベンチャーゲーム。

ちょっとHで下ネタ満載のバカゲーとしての楽しさと、感動的なマルチエンディングのストーリーで、インディーズゲームながら日本のSteamゲーム売上TOP10にも入り、「ファミ通」「電撃オンライン」「ねとらぼ」などに特集が組まれ、ゲームの同時接続数や高評価レビューを記録。発売後、多くのYouTuberやVtuberがプレイして話題となった。さらに雑誌『CONTINUE』の「GAME OF THE YEAR 2023」において、超クソゲー部門の第1位を獲得し、英語版のデモも公開されてますます盛り上げる中、今回、ちょっと特殊な朗読劇として舞台化された。

出演は声優やVTuberとして活動している面々が顔をそろえている。聖ポルチオン女学園の風紀委員長である言ノ葉さち役に音枝優日、風紀委員会書記の下野口マコ役にモカ、風紀委員の小栗久梨子役に甘姉てぃな。聖ポルチオン女学園の生徒として、平平奈智役に胡蝶月、監六九音役に花瑠音、渋川稲荷役に木之本楓。

さらに、謎の組織「SDGZ」のリーダー長姫肇役に沢城懐、「SDGZ」のメンバーとして、剃貝累役に千金楽(ちぎら)、星城憩役に手水舎るる。そして、本作のオリジナルキャラクターで、聖ポルチオン女学園生徒の御手洗流歌役に咲花日和が出演する。

「シルエット朗読劇」と銘打つ本作は、舞台前面に紗幕をかけて、そこにプロジェクターで映像を映し、キャストが紗幕の後ろに設置されたマイクの前で生芝居を行うスタイルを取っている。映像が紗幕に映された舞台はゲーム画面のようなイメージとなっており、舞台などを観劇する経験があまりない原作ゲームファンの方でも違和感なく楽しめるような仕掛けとなっている。加えて、普段あまり顔出しをしてないキャストたちのファンにとっては、キャストたちの空気感とシルエットを楽しめるという演出も兼ねている。

そして、本作の大きな見どころであり、特徴でもあるのが、観客参加型の朗読劇であるということだ。それはゲーム版と同じように、観劇中にセリフの中に隠れた「うっかりセンシティブワード」を発見した時に、事前に配布されたゲームの効果音をスマホなどで鳴らすというもの。観客にゲーム版をプレイしているかの没入感を与えてくれる演出は、舞台の登場人物たちと共に『ウーマンコミュニケーション』の世界で「うっかりセンシティブワード」を見つけるという、単なる朗読劇とは一味違う観客と舞台の登場人物たちとの一体感をもたらす観劇体験が待っている。

物語の舞台は、「聖ポルチオン女学園」。言ノ葉さちを委員長とする学園の風紀委員会が取り締まるのは、学園の校則違反などではなく、人々の言葉の中に無意識に潜むちょっとHで下ネタな「うっかりセンシティブワード」である『無意識風紀違反』だ。

御手洗流歌は、風紀委員で幼馴染の小栗久梨子に誘われ、同じ風紀委員の下野口マコと共に学園の無意識風紀違反を取り締まることになる。しかし、卑猥な言葉を自由に扱える世界を目指すために暗躍する謎の組織「SDGZ(センシティブ・デフォルト・グレート・ザップ)」が現れた事によって事態は大きく変わっていく事に……。「SDGZ」の正体とその目指す目的の果てにあるものは!? そして、言ノ葉さちが抱える大きな秘密とは!?

本作のストーリーは、ゲーム版には登場しないオリジナルキャラクターである御手洗流歌をキーとして、ゲーム版にはないオリジナルのものとなっており、ゲーム版をプレイしたことがない人でも楽しめる内容となっている。

さらに、大きな魅力となっている可愛らしく個性的な女性キャラクターたちが繰り出す「うっかりセンシティブワード」の数々による、ちょっとHな下ネタ満載のギャグなストーリーが続くかと思いきや、予想外の展開と心を震わせる感動的なストーリーが待ち受けている。

言ノ葉さちを演じる音枝を筆頭に、声優やVtuberといったキャストたちが、ゲームのキャラクターたちに新たな命を吹き込み、特徴的なキャラクターたちの魅力を引き出しながら活き活きと演じきっている本作。

カワイイ女の子から綺麗なお姉様まで個性が光るさまざまな登場人物たちが織りなす物語と、その中に潜む「うっかりセンシティブワード」とのギャップをキャストたちが存分に演じきることで、唯一無二とも言える朗読劇を作り上げている。

(取材・文・撮影/櫻井宏充)

目次

キャストコメント

◆言ノ葉さち役 音枝優日
もともとゲームがすごく面白いなというのがありまして、原作ファンの方に楽しんでいただきたいというのが大きくて、スタッフも原作をすごく愛してるというのが伝わってくるような演出や台本だったりするので、それをお客様と共有できるような、一緒に没入できるような、そんな舞台作りをできたらなと思っております。

さちちゃんは、原作内でちょっと不遇な役回りだったので、おそらく応援したい気持ちだった人とか、もっと幸せにしてあげたいと思っていた人が大多数だったと思います。それで、今回、さちちゃんが笑顔になれるような展開を用意されているので、みんなが求めていたそのエンディングというのを、全員幸せに終われるように、さちちゃんを幸せにできるように演じられたらいいなと思っております。

◆下野口マコ役 モカ
原作ゲームが発売されてから配信ですぐにプレイさせていただきまして、ゲームシステム的なところももちろんなんですけど、ストーリーがもうとにかく面白くって、すごく好きな作品だったので、今回、出演させていただけるとなった時に、とても貴重な機会だなって思って、すごく嬉しかったです。全キャスト、私を含めて『ウーマンコミュニケーション』の世界観を大切に演じさせていただいているので、間違いなく楽しんでいただけると思います。

マコちゃんはクールで無口。だけどデレるとカワイイという女の子なんですけど、今回の舞台ではめちゃくちゃ喋ります(笑)。観客のナビゲート役のような役割をやらせていただいて、マコちゃんにしかできない行動や、言えないセリフがあるので、今回はそこに注目していただけたらと思っております。

◆小栗久梨子役 甘姉てぃな
最初、観客参加型とはいえ、うまく盛り上がってくれるかというのがちょっと不安ではあったんですけど、初日に一体となって盛り上がっていただいて、私自身もクスって笑うようなシーンがあって、面白かったというのがあります。私はシチュエーションボイスという1人劇を主にやっているので、全く違うコメディに初めて挑戦して、どう相手と間をとったらいいのかとか、その辺が難しくはあったんですけど、楽しくお芝居させていただいています。

久梨子ちゃんは下ネタが苦手なタイプで、私も苦手なタイプなんですけど(笑)、そういう子が思わず言っちゃうみたいなところを楽しんでもらえればと思います。

◆御手洗流歌役 咲花日和
普段はYouTubeとかでユニット活動をしているんですけど、今回初めてこのような朗読劇に立たせていただいたので、緊張もしましたけど、やっぱりお客様がいて、NGワードを発見した時の効果音という参加型で一体感が始まった時はすごく気持ちよかったです。みんなで作っている作品というのが、お客様がいて、我々がいて、この劇場が『ウーマンコミュニケーション』の世界に包まれたなと思いました。

コメディの要素が大変強いので、ツッコんだり、ボケたりとかしながら、さっちん(言ノ葉さち)を救いたいという一心で、演じさせていただいています。すごく難しい立ち位置ではありましたけれども、いい経験になっています。

◆長姫肇役 沢城懐
演劇の経験はあったんですけど、朗読劇自体は経験がなくて、すごく緊張しました。みなさんの演技がすごくお上手なので、一緒に引っ張られて楽しく演じることができました。

私の役が謎の組織「SDGZ」のリーダー役なので、ちょっとかっこいいお姉さま感を出せるように頑張っていきたいです。カリスマ的な存在だと思うので、私の声とカリスマ感のあるお姉さんのマッチした部分をぜひ感じていただきたいです。私は声が低いので、その低い声とカリスマお姉様のカッコイイ感がマッチしてれば素敵かなと思っています。

◆平平奈智役 胡蝶月
朗読劇への出演がめちゃめちゃ久しぶりで、いい意味で緊張はしているんですけど、みんなと和気あいあいできるような緊張感に包まれていて、リラックスしてできるような現場だと思いました。台本を読むと手が震えちゃうとかあるんですけど、お客様がNG音を鳴らして参加してくださったおかげで震えが収まって、とても嬉しかったです。

今回のキャラクターがぴょんぴょん跳ねる小動物のような元気なキャラクターで、このセンシティブな世界にいる唯一の純粋無垢な感じの子として表現できればなと思っています。

◆監六九音役 花瑠音
私はあまり演技にそんなに精通してなくて、もちろん「精通」ってそっちの意味じゃないですよ(笑)。今回お誘いいただいて、朗読劇に参加するのも初めてで、皆さん経験者の方ばかりなので、かなり不安とかプレッシャーはありました。ですけど、稽古やリハーサルを通して、だいぶ自分のキャラが掴めてきたので、あとは最後まで楽しくやりきろうと思います。

九音ちゃんはおっとりした生粋のお嬢様という感じで、普段は上品な喋り方をしているんですが、お友達のなちち(平平奈智)のことになると急に暴走モードに入って、なちちが大好きすぎて、やる時にはやるモードに入ったりするので、そこが見どころです。

◆渋川稲荷役 木之本楓
私は「囁きショウジョ」というグループに所属しているんですけど、そのメンバーで朗読劇が決まる前にゲームを楽しんでいて、まさか自分がこういう形で関われるとは思ってなかったので、すごく光栄で嬉しい気持ちでいっぱいです。

稲荷ちゃんは語尾が特徴的な女の子で、なちちと九音の2人をちょっと1歩引いて見守っているような、ちょっと落ち着き目の役柄なので、その稲荷ちゃんが2人に振り回されるところを、ちょっとコメディ的な感じで表現できたらなと思っていて、そこを頑張りたいなと思っています。

◆剃貝累役 千金楽(ちぎら)
いろんな朗読劇に出させていただいてきましたが、この作品では私のセリフのひと言目が信じられない単語から始まるんです(笑)。ただ、初日にそのひと言目でお客様が笑ってくださったのが自信に繋がっているので、この後の公演も頑張れるなという気持ちでいっぱいです。

累ちゃんは1番大っぴらにセンシティブワードを言う子で、私だけ確実にもう言うぞ!っというのが決まっていた役だったので、覚悟を決めていこうと思いました。彼女の堂々としたセンシティブなワードを楽しんでいただきたいです。あと、私は「SDGZ」という敵側に属しているんですけど、なぜ彼女がその道に進んだかというのも明らかになるシーンがあるので、そこを楽しんでいただけたらいいなと思います。

◆星城憩役 手水舎るる
もともと『ウーマンコミュニケーション』のゲーム実況を昨年やらせていただいていて、まさかこんな形でその世界の中に出られるなんて思ってなかったので、すごくびっくりしつつ、決まってからここまであっという間に来てしまったなということで、ちょっとドキドキワクワクしながら本番を迎えました。不安とかより楽しみたいとか、もう笑わせたるで!みたいな、そういう気持ちの方が強いです。

憩ちゃんはエッチな言葉とかがちょっと苦手な女の子ではあるんですけど、誰より卑猥な言葉を言いがちというところもあるので、そこのちょっと恥ずかしがっている部分と誰よりも卑猥なワードがセリフの中に入っていると思うので、そこのギャップを楽しんでそのワードを見つけてもらえたらなと思います。

【あらすじ】
幼馴染の小栗 久梨子(おぐり くりす)に誘われ、いつの間にか「聖ポルチオン女学園」無意識風紀違反を取り締まることになった御手洗流歌(みたらいるか)。同じ風紀委員の下野口 マコ(しものくち まこ)と共に、人々の言葉に潜む『無意識風紀違反』を指摘し、風紀を守る為に動き出す。

しかし、卑猥な言葉を自由に扱える世界を目指す「SDGZ(センシティブ・デフォルト・グレート・ザップ)」が現れた事によって事態は大きく変わっていく事になる・・・。

【公演情報】
■上演スケジュール
2024年5月4日(土)・5月5日(日) 秋葉原 from Scratch
※オンライン配信あり。オンラインチケットはイベント当日からアーカイブ視聴として14日間視聴可能。

■キャスト
言ノ葉 さち(ことのは さち):音枝優日
下野口 マコ(しものくち まこ):モカ
小栗 久梨子(おぐり くりす):甘姉てぃな
御手洗流歌(みたらい るか):咲花日和
長姫肇(おさひめ はじめ):沢城懐
平平奈智(ひらだいら なち):胡蝶月
監六九音(けんろく くおん):花瑠音
渋川稲荷(しぶかわ いなり):木之本楓
剃貝累(そりがい かさね):千金楽(ちぎら)
星城憩(せいじょう いこい):手水舎るる

公式サイト

【公式サイト】https://www.kokolive.online/about-1
【公式X(Twitter)】@kokolive2021







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この記事を書いた人

演劇、海外ドラマ、映画、音楽などをマルチに扱うエンタメライター。エンタステージ立ち上げからライターとして参加し、小劇場から大劇場のストレートプレイにミュージカル、2.5次元、海外戯曲など幅広いジャンルにおいて演劇作品の魅力を日々お伝えしています!

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