紅ゆずる＆横山由依が喜劇に全力投球！熱海五郎一座『Jazzyなさくらは裏切りのハーモニー』フォトコール＆会見レポート

2021年5月30日2024年7月31日

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紅ゆずる＆横山由依が喜劇に全力投球！熱海五郎一座『Jazzyなさくらは裏切りのハーモニー』フォトコール＆会見レポート

2021年5月30日（日）に東京・新橋演舞場で「熱海五郎一座『Jazzyなさくらは裏切りのハーモニー～日米爆笑保障条約～』」が開幕する。5月29日にフォトコールと会見が行われ、出演・構成・演出を務める三宅裕司の他、渡辺正行、ラサール石井、小倉久寛、春風亭昇太、東貴博、深沢邦之、そして宝塚歌劇団退団後、初の舞台出演となる紅ゆずるとAKB48・横山由依が登壇した。

本作は、熱海五郎一座による新橋演舞場シリーズ第7弾。太平洋戦争も終盤のサンフランシスコを舞台に、連合国と日独の戦いに翻弄される日系ミュージシャンの悲劇という名の喜劇を描いていく。フォトコールでは魅惑の女性DJ“ニューヨークの桜”と共に対日謀略放送に加担している日系アメリカ人ジャズバンド「ツインズ」のメンバーが“アメリカ敗戦!?”の大統領声明を聞く第1場、日独同盟軍西米国支部作戦本部長である女性海軍中佐らを乗せた飛行機が空港に降り立ち、バンドメンバーたちにあることを宣言する第2場が披露された。

第1場はバンドメンバーの演奏シーンから始まり、畳み掛けるギャグを楽しむことができる。ドラム担当のアキバを演じる横山もキュートさを生かしたボケをかまし、ほのぼのとした笑いを与えてくれる。そして第2場は渡辺演じる陸軍元帥・松笠大五郎の小ボケをかました登場シーンから紅演じる海軍中佐・元星久美のド派手で華やか、スタイリッシュな登場という素晴らしい流れが。劇団スーパー・エキセントリック・シアターの女性メンバーと共に踊る場面では宝塚時代と同じ煌めきを発揮し、観る者の目を奪っていた。登場だけでこんなにもワクワクさせてくれる演出に、その先の展開も期待せずにはいられない。

会見には、一座のメンバーとゲストキャストの紅、横山が登壇し、初日を迎える気持ちなどが語られることに。座長の三宅は、「皆さんのストレスや色んなものが溜まっていると思うので、熱海五郎一座を見てストレスを発散していただきたいという思いがさらに強くなっております。1年の間にギャグを沢山盛り込みまして、爆笑の連続を狙っている次第ですので、とにかく大笑いをして、すっきりして帰っていただきたいと。この一年でパワーアップしてます」と仕上がりに自信を見せる。

また、本作では一座のメンバーがジャズバンドとして生演奏に挑戦しているが「1年ちょっと前から･･･本当は5ヶ月ぐらいの稽古で去年披露することになりましたが、そこから延期して1年5ヶ月の練習ができたので、言い訳ができなくなりました。プロのジャズバンドから見れば、全然駄目だと思いますけど、ただ、この一座の60過ぎた年寄りがよくここまでやったっていうのは見せられるんじゃないかなと思います」ということで、約1年半かけて練習してきたバンドの腕前にも注目だ。

ド派手な登場とクセの強いキャラで観客を魅了する紅は「宝塚を退団して、初舞台ということで、どんな女性を演じようかと思っていたんですけど、見ての通り軍服です（笑）。でも、これまでリーダー（渡辺正行）が着てらっしゃるような軍服をずっと着てたんですけれど、今回はAラインでなのでここで女性らしさを出したいと思っております。初舞台が熱海五郎一座さんという、こんな光栄なことはないということを毎公演噛みしめながら思い切りギャグを飛ばしていきたいと思います」と気合十分の様子。

本作でバンドメンバーとしてドラムに挑戦している横山は「熱海五郎一座さんに出させていただけるということですごい嬉しいです。この新橋演舞場に立たせていただくのは初めてで『広い劇場だな』と思いながら稽古をしてるんですけど、まだ（空席の状態の）赤いシートしか見たこと無いのでお客さんが入られた時にどんな景色になるんだろうと楽しみです。とにかく面白く笑っていただけると思います。バンド練習を1年以上前から座長やみなさんとやって、お芝居だけでなくバンドをやる緊張感もあって楽しみです」と語ると、三宅から「全員、由依ちゃんのドラムに合わせながら演奏しますから。要です」と言われ、「プレッシャーが･･･（笑）。頑張ります！」と笑顔で意気込んだ。

春風亭昇太もバンドメンバーとしてトロンボーンを披露するが「僕の師匠である春風亭柳昇がトロンボーンをやってまして、今回の公演では師匠のトロンボーンを使わせてもらっています。多分師匠よりうまいとは思うんですが（笑）、一生懸命頑張りたいと思います」と師匠の楽器を使っていることを明かした。

ジャズギターを担当するラサール石井は「ジャズギターというものは初めてで、買えと言われて自費で買いました。去年公演がなくなって、経費で落ちるのかなと思ったんですが、やることになって役に立ちまして、一生懸命やらせていただいております。1年延長したことで、ギャグが増えて隙間隙間、入れられるところは全て、これ以上入れられないくらいパンパンに入っていて、リーダーのギャグはもうこれ以上削れないというくらい削ってますので面白いと思います」とコメント。

そしてバンドマスターを務めることになった小倉は「30年前くらいですかね、『笑っていいとも』という番組で「サックスは最高」というコーナーをやってまして、“吹き語り”で吹きながらなんと言ったか当てるというようなことをしててそれしかできなかったんですけど、とうとうテナーサックスで演奏してます。その時のサックスを使ってます。歴史のあるサックスなんです。ちょっと調整してもらうために楽器屋さんに言ったんですけど、そうしたら10万かかっちゃって。僕もこれ経費で･･･（笑）」と笑いを誘いつつ、三宅の顔を伺っていた。

ラサールからいじられていたリーダーは「（ギャグは）削られた部分、増やしているので。プラマイゼロくらいです」と語り、「私今非常にノっておりまして、私事なんですけども、剣道で6段に合格しました。非常にノっております。ですからお芝居の方もギャグの方も、まさに切れ味バツグン！ということです」とノリノリ。しかし、三宅からは「（リーダーのギャグは）削ると言うよりも考えてきたものを採用しないということです。こんな感じですから」とバッサリ言われていた。

ラジオ局オーナー、プロデューサー・カケノを演じる東は「稽古からものすごい緊張感でやってるんですけど、やっぱりこのメンバーが集まると本当に楽しいなというのが一番ですね。稽古を終えて初日を迎えられるというのが楽しみで仕方ないです。見る方もそうですけど、やってる方もエンタメが足りてないというか･･･ラサール石井さん演出していた、伊東四朗さんの舞台（伊東四朗生誕?!80+3周年記念『みんながらくた』）を観に行ったときに、ものすごい充実感があったんですよね。だから今回の公演でもそう思ってもらえるように、頑張ってやりたいなと思います」と語った。

東とWキャストで出演する深沢は「感染症対策ばっちりの状態でやらせていただいて、久々に皆さんの顔を全部見たというような状況なんですよね。それぐらいもうマスクをしたままで稽古をしてきました。紅ゆずるさん、横山由依さんと目を合わせるシーンがあるんですけど、なんて目が澄んでるんだと感動しました。一座のメンバーとは全く違うんですよね」と稽古場で感じたことを明かした。

そして最後に、三宅が「喜劇というのは、こちら側の役者、スタッフだけでは作れるものではないと思ってます。お客さんの笑いの数によって舞台が跳ねるし色々と変わってくると思います。とにかくたくさんのお客さんに、本当に見てほしい作品に仕上げましたので、たくさんの方に足を運んでいただけたらと思います」とメッセージを送り会見を締めくくった。

（取材・文・撮影＝エンタステージ編集部3号）