2021年6月に上演される舞台『タンブリング』。昨年、開幕間近で中止が決定し、涙を飲んだ本作が、高野洸と西銘駿のW主演で、1年の延期を乗り越え再び幕を開けるために走り出す。
『タンブリング』は、“男子新体操”をテーマに仲間や家族との絆を描いたドラマおよび舞台シリーズ。2010年4月期のTBS系でドラマ版が放送され、その後5作の舞台が上演された。2020年、作品の誕生から10周年のメモリアルイヤーに舞台として復活する予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大のため一旦は断念。しかし、復活を幻に終わらせたくないとキャスト・スタッフが再集結した。
本番を迎えられるほど進んでいた昨年の稽古をもとに、高野と西銘に本作にかける想いなどを語ってもらった。
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中止の悔しさも、全部、今年の芝居にぶつける
――1年前は、公演直前で中止という悔しい思いをされましたね。
西銘:やっぱり、役者が舞台にかける想いってすごく強いんです。きっと、みんなそうだと思うんですけど。すべては本番のために、稽古という時間の中で芝居を突き詰めて、どう本番に立とうか常に考えているので、それが急になくなるというのはぽかーんと心に穴が空いたみたいな感覚でした。周りも次々と舞台ができなくなってしまっていたので、仕方ないとは頭で分かっていたんですけど。
高野:どこかで中止になってしまうのではないかと思っていたので、覚悟はしていました。僕らももちろん悲しかったんですけど、日本中で色々な人が悲しんでるから受け入れなくちゃと・・・。でも、エンタメに携わる者として、エンタメで元気づけたいという気持ちはずっと持っていて。1年空きましたけど、この作品を届ける機会をまた作ってもらえたと聞いた時はすごく嬉しかったですし、さらに気合いを入れてがんばりたいなって思いました。
西銘:でも、すぐに1年後にまたやるってお知らせをいただけたのは嬉しかったですね。洸との共演が叶う喜びも5年越しに噛み締めて。中止になった時に感じた想いも、全部、今年の芝居に乗せて、ぶつけていきたいです。
――1年前も、すでにかなり稽古が進んでいましたよね。
高野:はい。新体操の稽古は、もう半年くらいやっていて。芝居の稽古も2週間くらいやっていました。
西銘:粗通し(本番同様に全編を通す稽古)までいっていたんですよ。普通は本番の1週間くらい前から通していくんですけど、この作品は初日の半月くらい前には形を確認しつつ通せる状態にはなっていたんです。だから(中止のショックは)余計にね。
高野:そうだね。作品の内容的に、稽古じゃなくて部活みたいな雰囲気もあったし、より寂しさはありましたね。だからこそ、またできることが本当に本当に嬉しいです。
稽古場でもライバルでいられる関係
――1年前の稽古では、久しぶりの共演でお互いのどんなところに成長を感じましたか?
西銘:仮面ライダーの映画(2016年『仮面ライダー平成ジェネレーションズ Dr.パックマン対エグゼイド&ゴーストwithレジェンドライダー』)では、お芝居上で洸と絡むこともあったんですけど、映像なのでそこまで突き詰める時間はなかったんです。
そのあと、プライベートで遊んでいる時に仕事の話をしたりはしていたんですけど、舞台上でお芝居を交わしてみて、改めてプロとしての自覚をしっかり持っているんだなあと感じました。友達だからこそ、仕事をしている一面を観てすごく刺激を受けたというか・・・。友達の仕事をしている姿ってあまり見る機会がないので、ちょっと恥ずかしくなったり(笑)。
高野:確かに(笑)。幼馴染と仕事の現場で一緒になるみたいで、ちょっと気恥ずかしい部分も最初はあったね。
西銘:そうそう、不思議な感じ。
高野:でも、いざ芝居が始まってしまえばそんな恥ずかしさを吹き飛ばす空気を駿が作ってくれたんです。そういう姿に、刺激を受けたし、かっこいいなあと思いましたね。それから、何より芝居で会話しやすかった。
――お二人は、役どころとしてはライバル関係なんですよね。
西銘:はい。幼馴染であり、ライバルであり。中屋敷さんから、根底にある「好き」という気持ちを大切にしてほしいと言われました。「好き」だからこそ「嫉妬」してしまう、だから離れたい・・そんな感情でいてほしいと言われていたので、それを自分の気持ちの中で大切に持って前回も稽古をしていました。今回の稽古は1年前のベースがあるから、洸といろいろ話しながら、早い段階から高めていけるんじゃないかなと思っています。
高野:僕らの役の関係性のほかにも、チーム別の良さがあって。航南は航南、悠徳は悠徳の良さがあって、すごく刺激を受けていました。「うわっ、悠徳はここまで出来上がっているんだ!」というのを見せ続けてくれていたので、僕らももっとがんばらなきゃ、こっちもしっかりやらなきゃって、稽古場でもライバルでいられましたね。
――時間をかけた分、より濃い関係性を見せていただけそうですね。
西銘:そうですね。1年前に稽古したものを思い出しながら、それをまた練って練って。本番までの1ヶ月は、それができる1ヶ月だと思っているので。
高野:タンブリングを一緒にやるというだけでも、苦労を共に味わって、より絆が深まっている状態だと思うんですけど。中止という抗えない状況をみんなで乗り越えてまた集まれるので、さらに上を目指せるんじゃないかなと思っています。
航南と悠徳、すでに見える学校別のカラー
――学校ごとの個性も見えてきましたか?
高野:航南は、ストイックに丁寧なものを見せる、自分たちのやれることを最大限に活かしていくチームだと思います。多少、チームとして乱れても、みんなでそれを乗り越えていくという感じの正統派。
新体操のパフォーマンスとしてアピールしたいのは「美しさ」ですかね。稽古でも揃える意識を高く持っていこうと話しているので。それから、チームの中にアクロバットを得意としている方が多いので、その方々の安定したタンブリングパフォーマンスは、すごく魅力的だと思います。
西銘:悠徳は、わりと男っぽいチームかな。だから必然的にぶつかり合うことも多い感じなんですけど。でも、このチームの良さは、めちゃくちゃぶつかるからこそ出てくるんだと思います。常に「あいつらには負けない」みたいな思いをみんなが秘めていて、お互いのチームを見ながら切磋琢磨できる。素晴らしい環境でやらせていただいているんですよね。だから、延期になって一部のキャストが変わっていますけど、前回作り上げた雰囲気をさらに高めていける気がしています。
高野:悠徳のパフォーマンス、めっちゃおもしろいんですよ。攻めてるな~!って思います。航南はパフォーマンスも正当派、悠徳は衝撃的。どちらの学校も部員の個性が強すぎるぐらいなんですけど、パフォーマンスの時はちゃんとチームとしてまとまって一つの色になるんです。それが、両校のパフォーマンスをよりおもしろくしていると思うので、お楽しみに!という感じです。
西銘:航南のタンブリングは本当にきれいで、芸術作品として見ても美しいパフォーマンス。僕たち悠徳は、どちらかというとエンタメ寄り。なので、二つのチームの個性を楽しんでもらいたいですね。
――新キャストも、新たな風を吹き込んでくれそうですね。
西銘:今回も、お芝居の稽古より前にタンブリングの稽古をしてきたんですけど、新キャストの蒼木陣くんとか、すでに稽古からもめちゃくちゃ楽しんでくれているよね。場がぱっと明るくなる。
高野:確かに!何かに挑戦する度に大きい声で「よっしゃ~!」って喜んだり、出来ないと「今のダメだった~!」って、上手くいってもいかなくても生き生きしてる(笑)。
西銘:顔を見なくても、今楽しいんだろうなあとか、嬉しいんだろうなあって、声だけでも伝わってくるよね(笑)。
高野:タンブリングの稽古の段階から結構学校ごとのチームで取り組んできたので、お芝居の稽古を通してさらにチームワークを高められたらいいね。
公演中も終わったあとも、満足できるかな・・・
――本番までに突き詰めたいと思っていることはありますか?
西銘:タンブリングって、天井がないんですよ。公演中も終わったあとも満足できるかな・・・って思うぐらい、練習してもしても際限がないんです。例えば、バク転ができた、嬉しい!と思っても、そこからさらに形をきれいにしたり、みんなで呼吸を合わせたり、もっと良くしたいことが次々出てくる。改めて、大変なことをやっているんだなあと感じます(笑)。際限はないけれど、ベストを尽くせるように稽古したいと思います。
高野:僕個人としては、伸身という技の練習をしています。タンブリングの技の一つで、バク転のあとに足を抱えず、伸ばしたまま着地までいくという技なんですけど。今は、その高さを上げること、精度を上げてもっともっときれいにしたいと思って取り組んでいます。航南のキャストは、蒼木陣くん、元木聖也くん、梶原颯くんともともとアクロバットができる方が多くて。もちろんバク転は上手いし、「ここに合わせる」とか、「もうちょっと遅くする」とか、細かいところまで柔軟に対応できるので、僕もそういうふうになりたいです。
――お芝居の稽古についてはいかがですか?
高野:今回、ある程度出来ている状態から稽古に入れるんですけど、人が変わればキャラクターも変わるし、チームの雰囲気もちょっとずつ変わっていくんじゃないかなと思うので、そこが楽しみですね。だから気張っていこう、じゃなくて、ワクワクしています。
西銘:洸が言うように、チームの輪って顔ぶれが一人変わるだけでだいぶ変わるよね。だから心機一転、気持ちを切り替えて作品作りに取り組めるのは本当に楽しみ。キャスト同士もお芝居の話がすぐにできる状態に温まっているので、すごくいいスタートが切れる気がしています。
――演出の中屋敷さんとは、お二人は本作で初めてご一緒されていますよね。
西銘:中屋敷さんは、とてもお優しい方です。最初の頃、稽古始まってから1時間ぐらい、みんなが仲良くなれるようなゲームをやってくれたりしたんですよ。人見知りをしてしまう人も、その時間があることによって早く打ち解けられたり、こういう性格なんだなってお互いのことが分かったり。そういう気遣いをしていただけるのが本当にありがたかったです。
高野:僕、中屋敷さんってすごく共感できる演出家さんだなと思ったんですよ。なんというか、マニアックな気質を感じるんですよね。
西銘:分かる(笑)。
高野:それから、中屋敷さんご本人もシャイだと思うんです。自分の中のそのシャイな部分と格闘しながら、僕らにも接してくれている。そういうがんばりも見えたりして。
西銘:ちょっと!やしきさんの研究やめて(笑)。
高野:でも、それを感じるから「こっちももっとがんばらないと!」っていう気持ちになるんだよ。気合いも感じるし。
西銘:僕も素晴らしいなと思ったことがあった。やしきさん、たぶん稽古場にいる誰よりも笑ってると思います。
高野:そうだ、確かにそうだ(笑)。
西銘:アドリブのシーンとか、おもしろくしたいシーンでは、必ずどこかから「わはは~!」って笑い声が聞こえてくるんですよ。「やしきさん笑ってくれた!」って思うと、僕らもノッてくるというか。愛があるというか、僕らが奮い立つような雰囲気にしてくださるのが本当にありがたいです。それから、大切なことは「こうやって」ではなく、ニュアンスで伝えてくださるので、すごく意欲が湧きます。
高野:褒めて伸ばしてくださるタイプというか、役者のクリエイティブな面を引き出してくれるから、やっていてすごく楽しいよね。早く稽古が始まって、中屋敷さんの演出受けたいなあ。
スタッフさんが「まなざし」に乗せて作ってくれた稽古動画、あれは・・・マジで涙腺にきました
――タンブリングは音楽も印象的で、楽しみな要素です。
西銘:僕らも、まだ稽古段階では本番で踊る曲を聞いたりしていないんです。
高野:早く踊る曲聞きたいよね。練習中も、曲合わせになってるって言われてやってきたし。
西銘:そこが僕たちも一番楽しみ!
高野:ドラマの主題歌だったHoney L Daysさんの「まなざし」、めっちゃいいですよね。かかるかな?
西銘:あの曲がかかると、すごく気持ちがノッてこない?
高野:くる!「あぁ~タンブリングだ~!!」って思う。
西銘:中止になってしまった時、スタッフさんが僕らの稽古風景を「まなざし」に乗せて動画にしてくださったんですけど、あれは・・・マジで涙腺にきました(笑)。
高野:僕も涙ちょちょ切れでしたよ。
西銘:本番どうなるのかな~、かかったらヤバいな~(笑)。
――1年越しの想いを、劇場で共有できるのを楽しみにしています。
西銘:本当に、1年待ちました。僕たちも、きっとファンの皆様も。今年の『タンブリング』にかける想いは、2年分です。本当に素晴らしい作品になると思います。前回以上に気合いが入っていますし、100%全力でぶつかっていきますので、期待していてほしいです。
高野:キャストのパワー、一人一人のスキルもすごいんですけど、とにかくやる気がすごいです!その団結力も観に来てほしいですし、きっと目の前で僕らが汗をかくから感じてもえることがきっとがあると思います。こういう時代だからこそ、“仲間を信じる大切さ”とかをも『タンブリング』という競技と僕らの努力を通じてお伝えしますので、ぜひそれを、劇場で体感していただきたいです。
舞台『タンブリング』公演情報
上演スケジュール
【大阪公演】2021年6月11日(金)~6月13日(日) COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール
【東京公演】2021年6月17日(木)~6月24日(木) TBS赤坂ACTシアター
キャスト・スタッフ
【出演】
高野洸 西銘駿
元木聖也 納谷健 北乃颯希 廣野凌大 西野太盛
梶原颯 バーンズ勇気 綱啓永 / 蒼木陣 長妻怜央 ほか
【脚本】渡辺 啓
【演出】中屋敷法仁
【主催】2021舞台『タンブリング』 製作委員会
チケット情報
発売:2021年5月9日(日)10:00~
プレミアムシート【航南高校】:17,000円(全席指定/税込)
プレミアムシート【悠徳高校】:17,000円(全席指定/税込)
指定席:11,000円(全席指定/税込)
※プレミアムシートは、非売品グッズ(各高校ジャージ上および特典ブロマイド)付
【公式サイト】https://tumbling.jp/
【特別企画】直筆サイン入りチェキをプレゼント!
舞台『タンブリング』にご出演される西銘駿さん&高野洸さんから、直筆サイン入りチェキをいただきました。
こちらを、抽選で1名様にプレゼントいたします。
ご希望の方は、下記の応募方法にてご参加ください!
応募期間
2021年5月8日(土)~5月22日(土)まで
キャンペーン応募資格
・応募期間中に、この規約に同意され、応募要項に従ってご応募いただいた方
・エンタステージ公式Twitterアカウント(@enterstage_jp)をフォローしている方
・日本国内に在住している方(郵便物の受け取りが可能な方)
キャンペーン応募方法
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