初ミュージカルの井上音生、美 少年・那須雄登と共に「楽しむ」『魔女の宅急便』開幕

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ミュージカル『魔女の宅急便』が、2021年3月25日(木)に東京・新国立劇場 中劇場にて開幕を迎える。岸本功喜の脚本による新演出のミュージカル版は、これで3度目の上演。今回、キキ役は2016年に第8回「東宝シンデレラ」オーディション審査員特別賞を受賞した井上音生(ねお)、トンボ役にはジャニーズJr.で美 少年のメンバー・那須雄登が演じる。

児童文学作家の角野栄子が1982年から27年間に渡り執筆した全6巻の同名児童書を原作とするこのミュージカルでは、上白石萌歌や福本莉子がキキ役を演じてきた。井上は、これがミュージカル初挑戦。トンボ役の那須は、所属事務所の公演以外への初出演作となる。

初日前日に行われた囲み会見には、井上、那須のほか、生田智子、横山だいすけ、白羽ゆり、藤原一裕(ライセンス)が登壇した。初づくしのフレッシュな2人に、前回から続いて出演する面々が温かな眼差しを向けてきた稽古場の様子が伺える取材となった。

初ミュージカルへの出演を前に、井上は「まだ実感が湧かないんですが、緊張しすぎると歌にそれが出てしまうので、深呼吸をして楽しむことを忘れないようにしたいです」と挨拶。演出の岸本から「歌だと思って歌わないで、キキの心情だと思って気持ちよく、楽しく歌ってください」と言われたそうで、“緊張しない”ことを心がけていると明かした。

友人たちからは「(井上がキキを演じるなんて)信じられないけど、天真爛漫なところは似ているね」と言われたそう。「観に来てくれるそうなので、それは私の元気の源です」とにっこり。取材陣からもすごくハマっていると声がかかると、「似合ってますか?よかったです。私はこの大きなリボンが気に入っているので、みんなに見せつけたいと思います」とはにかんだ。

那須は、「もう本番だなんて信じられないぐらい、あっという間の稽古期間でした。みんなでがんばってきたことを、舞台上でどれだけベストな状態で出せるか。楽しみです」と胸を躍らせている様子。

前回、同役を演じた大西流星(なにわ男子/関西ジャニーズJr.)からは、出演が発表されてから連絡が来たそうで、「演出家さんもすごく優しいし、緊張せずにがんばってねって、流星くんらしいカワイイ絵文字と一緒にメッセージをもらいました」と明かした。

また、同じ「美 少年」メンバーの岩﨑大昇が昨年末に『ELF -The Musical/エルフ・ザ・ミュージカル』で主演を務めていたため、いろいろと勉強させてもらったそう。「稽古場で気をつけていたことは何?とか、大昇に聞いたら、『とにかく台本を読みまくった』という話をしてくれたので、僕も稽古が始まる前から、いただいた台本をずっと読んでいました」と、メンバーの経験を自身にも活かしていた。

那須の印象について、井上は「頼れるお兄さん、という感じ」と一言。「嬉しいっすね」と笑顔を見せた那須は、井上について「16歳だよね?僕、19なんですけど、同い年か、それ以上の安定感です。すごく意思が強そうだなと思いました」と、互いの印象を語った。

キキの父・オキノ役の横山は、そんな2人を見て「本読み稽古をやった時、すでにキキとトンボだ!という印象しかなくて。一生懸命読み込んできたんだなと分かりました。ここから稽古が始まるって、どれだけ楽しい毎日を過ごせるんだろうと思えたスタートでした。僕らは前回も経験しているので、演出家の求める声に2人が乗っかっていく姿に成長を感じることが嬉しくもあり。早い段階から、思っていた以上のものになっていく実感があったので、本番を迎えるのが楽しみでしょうがないです」と振り返った。

キキの母・コキリ役の生田も、「お二人のがんばりを、早く皆さんに観ていただきたいです。横山さんもおっしゃいましたが、本読みの時からめちゃめちゃ楽しくて。キュンキュンしていました。キュンしたページには、ハートマークをつけていました(笑)。忘れかけていた気持ちを思い出させてくれるフレッシュな2人です」と大絶賛。

井上と那須については、もはや家族のような心境で温かく見守っているそうで、「トンボは将来の息子ですから。私もこんな息子が欲しい。ちなみに、座組の中に那須くんのファンクラブがあるんですよ」とコメント(ちなみに会員番号1が演出の岸本、2が生田、3が横山とのこと)。その一言に、那須は照れくさそうに「嬉しいですね。続々増えてもらえたらいいなと(笑)」と応えていた。

キキが居候するコリコの街のパン屋のおかみさん・おソノ役の白羽は、一緒のシーンが多いキキ役の井上に心動かされたと言う。「オソノさんだからキキを見守らなきゃいけない立場なんですけど、キキちゃんが稽古場でも本気泣きしているのを見て、私も思わず泣いてしまいました。2人とも本当にがんばっていて、真っ直ぐなので、それを見守ってきました。そういう温かい雰囲気が、お芝居にも出ていたらいいなと思います」と語った。

 

おソノの旦那さん・フクオ役の藤原も「父親のような目線」だと言う。ちなみに、フクオには「咳払い」しか台詞がないと前回の上演時に明かしていた藤原だが、今回も「ご期待ください、ありません!(台詞を)なんとかねじ込もう、という姿勢も見せず(笑)」と、台本に忠実であることを宣言。

本作は、13歳の空飛ぶ魔法が使える少女が、独り立ちするために奮闘し、成長する物語だ。井上も芸能界に入り、東京に出てきてから約1年が経つ。作品と照らし合わせて、「お稽古が始まってから、得るものがすごく多くて。今の自分とキキ、重なるところがあって、私自身もキキに共感できるので演じやすいですね」と井上。

見どころの一つである、キキがほうきに乗って空を飛ぶシーンでは、フライングも披露している。飛ぶことについても「恐怖心もなく、楽しくて。私が本当に魔法を使えたらこんな感じなんだと思えて、毎公演が楽しみです」と、無邪気な一面も覗かせた。

最後に、井上は「キキと一緒に、私も毎公演成長していけたらいいなって思っています。初ミュージカルという、1回しかない経験を大切にします。よろしくお願いします」と言い、那須も「稽古期間に、たくさんのアドバイスを共演者の皆さんからいただいて、なんて幸せなんだろう、稽古がずっと続けばいいのになと思いました。本当に良くしていただいているので、今から千秋楽が寂しいです。そういう人の温かさや優しさを感じられる舞台なので、来てくださる皆さんにも楽しみにしていてもらえたらいいなと。全力でがんばっているので、お楽しみに!」と意気込んだ。

ミュージカル『魔女の宅急便』は、3月25日(木)から3月28日(日)まで東京・新国立劇場 中劇場、4月10日(土)・4月11日(日)に愛知・愛知県芸術劇場 大ホール、4月15日(木)から4月18日(日)まで大阪・メルパルクホール大阪にて上演。上演時間は、1幕55分、休憩20分、2幕65分の計2時間20分を予定。

目次

ミュージカル『魔女の宅急便』公演情報

上演スケジュール

【東京公演】2021年3月25日(木)~3月28日(日) 新国立劇場 中劇場
【名古屋公演】2021年4月10日(土)・4月11日(日) 愛知県芸術劇場 大ホール
【大阪公演】2021年4月15日(木)~4月18日(日) メルパルクホール大阪

スタッフ・キャスト

【原作・監修】角野栄子(『魔女の宅急便』福音館書店刊)
【脚本・演出・振付】岸本功喜
【作曲・音楽監督】小島良太
【振付】舘形比呂一

【出演】
井上音生 那須雄登(美 少年/ジャニーズJr.)
生田智子 横山だいすけ 藤原一裕(ライセンス)/白羽ゆり

伊藤広祥
阿川建一郎 安部三博 泉拓真 齋藤信吾 佐々木純 清水隆伍 吉田哲也 古清水愛 長江玲香 花岡麻里名 東出のりこ 間瀬富未子 安井久乃 吉田萌美 渡部光夏 中島さくら
小林桜/モーガンミディー(Wキャスト)
石橋佑果

【公式サイト】http://www.musical-majotaku.jp/

(取材・文・撮影/エンタステージ編集部 1号)

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この記事を書いた人

ひょんなことから演劇にハマり、いろんな方の芝居・演出を見たくてただだた客席に座り続けて〇年。年間250本ペースで観劇を続けていた結果、気がついたら「エンタステージ」に拾われていた成り上がり系編集部員です。舞台を作るすべての方にリスペクトを持って、いつまでも究極の観客であり続けたい。

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