芥川龍之介の「河童」を、少年忍者/ジャニーズJr.の織山尚大主演、青木滉平の出演で、空想科学劇『Kappa』として上演する。
「河童」は、芥川晩年の代表作であり、芥川の命日も「河童忌」と呼ばれている。作品は、河童という架空の生き物に託して、当時の社会を痛烈に批判、風刺した小説であり、ある意味SF的手法を用いているとも言える。英米文学に精通し、英語を自在に操れた芥川ならではの日本人離れした奇抜な発想・批評力が、時代を超えた普遍性を生み出し、日本近代文学の不朽の名作の一つに数えられている。
織田は、2020年11月上演のミュージカル『ELF The Musical』でミュージカル初出演を務めた。今回は、近未来の矯正施設に収容され、河童の国での体験について物語る「第二十三号」を演じる。同じく少年忍者/ジャニーズJr.のメンバーで、本作で初のジャニーズ公演以外の舞台出演となる青木は、第二十三号に追われた河童で、彼と最も親しくなる役どころ。
このほか、木ノ本嶺浩、川口龍、市川しんぺー、そしてコング桑田が出演。上演台本・演出は、鈴木勝秀が手掛ける。
空想科学劇『Kappa』~芥川龍之介『河童』より~は、6月5日(土)から6月13日(日)まで東京・品川プリンスホテル ステラボール、6月25日(金)から6月27日(日)まで京都・ロームシアター京都サウスホールにて上演される。
チケットは、5月16日(日)10:00より一般販売開始。
コメント紹介
◆織山尚大(少年忍者/ジャニーズJr.)
この作品は、僕にとって初めて主演を努めさせていただく大事な作品です。クリエイティブな発想を舞台に詰め込んで、自分の可能性を広げられるように、失敗からいろんなものを学びながら形にして行って、最後にはお客様に見せられる形にできればいいなと思っています。
◆青木滉平(少年忍者/ジャニーズJr.)
初めての舞台で、嬉しさと驚きがありましたが、今は不安も大きいです。僕がまさかジャニーズ公演以外の舞台に立たせていただけるとは思っていなかったので、ずっと応援してくれているファンの皆さんと一緒に喜びたいです!同期で同じ少年忍者のおり(織山)と同じ舞台に立てるので、頼れるところは頼って、おりの不安は支えてあげたいと思います。舞台は初めての経験なので、たくさん勉強したいと思います。
空想科学劇『Kappa』~芥川龍之介『河童』より~ 公演情報
上演スケジュール
【東京公演】2021年6月5日(土)~6月13日(日) 品川プリンスホテル ステラボール
【京都公演】2021年6月25日(金)~6月27日(日) ロームシアター京都サウスホール
スタッフ・キャスト
【原作】芥川龍之介
【上演台本・演出】鈴木勝秀
【出演】
第二十三号役(主人公):織山尚大(少年忍者/ジャニーズJr.)
河童のバッグを追 いかけているうちに河童の国へ迷い込む。
バッグ役:青木滉平(少年忍者/ジャニーズJr.)
漁師。第二十三号に追われた河童で、彼と最も親しくなる。
ラップ役:木ノ本嶺浩
学生。雌の河童に追われ、数週間第二十三号の部屋に隠れる。
トック役:川口龍
詩人で、超人倶楽部の会員。家族体制を軽蔑しているが、無政府主義とは思われたくない。
ゲエル役:市川しんぺー
硝子会社の社長。資本主義者で傲慢だが人懐っこい性格で、第二十三号は好意を持つ。
マッグ役:コング桑田
哲学者。唯一、メスに追いかけられたことがない。
原作「河童」あらすじ
物語は、精神病患者と認定されている、第二十三号が物語ったものとして進められる。3年前、第二十三号は登山に行く。その途中で彼は河童に出会い、河童を追いかけているうちに河童の国に迷い込む。河童の国では、あらゆることが人間社会とは正反対で、例えば恋愛に関しても、メス河童がオス河童を追いかけ回すのであった。
第二十三号は、追いかけてきた河童、漁師のバッグと親しくなり、河童の国で暮らすことになる。詩人のトック、硝子会社社長のゲイル、学生のラップ、哲学者のマッグなどと交流し、様々な体験をした。哲学者マッグは、「阿呆の言葉」という著作で、「阿呆はいつも自分以外のものを阿呆と考えている」、「我々は人間より不幸である。人間は河童ほど進化していない」などと述べている。
とにかく河童の国では、人間社会の「常識」が通用しない。それによって人間社会が逆照射され、「常識」「当たり前」に潜む「落とし穴」が浮かび上がってくる。人間の世界に戻った第二十三号は、河童を人間より「清潔な存在」と振り返り懐かしむのだった。
【公式サイト】https://kappa-stage.com/
【公式Twitter】@Kappa_Stage