2021年2月1日(月)より、『Endless SHOCK』の2週間限定全国ロードショーが始まった。『Endless SHOCK』は、堂本光一が作・構成・演出・主演を務め、単独主演記録1位など数々の伝説を打ち立ててきたミュージカル作品。初演から約20年、作品史上初めて映画館で映像作品として公開される。
その初日前には、同作を上演し続けてきた帝国劇場より舞台挨拶が行われ、堂本のほか、上田竜也、梅田彩佳、越岡裕貴(ふぉ~ゆ~)、松崎祐介(ふぉ~ゆ~)、前田美波里が登壇。なお、この舞台挨拶は無観客で実施され、全国82館の映画館に中継(ライブ・ビューイング)された。
2000年、ジャニー喜多川の作・構成・演出、堂本主演の『MILLENIUM SHOCK』として始まった『SHOCK』。2005年より、堂本自身が脚本・演出にも参加し、内容を一新した『Endless SHOCK』として上演されてきた。昨年も2月から3月にかけて同作の上演を予定していたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により2月26日をもって公演中断に。
ニューノーマルな状況下で新たな『SHOCK』を構想していた堂本光一は、昨年9月から10月にかけて、大阪・梅田芸術劇場 メインホールにて『Endless SHOCK』の3年後を描いたスピンオフ作品『Endless SHOCK -Eternal-』を初上演。この『Endless SHOCK -Eternal-』は、映画公開後の2月4日(木)から東京・帝国劇場にて上演が控えている。
舞台挨拶に立った堂本は、「スクリーンの大画面に耐えられるのか心配なので、手短に・・・」と言いながらも、「緊急事態宣言が出ている地域もあり、映画館に足を運ぶのにも対策して、ご覧いただけることに感謝しないといけないなと思います」と、各地に集まったファンに感謝を捧げた。
上田が「朝8時とかからやってるんですよね?」と言うと、堂本から「僕、その時間に寝ましたよ」と驚きの発言が・・・。共演者の一同が「ええっ?!」と驚くと、堂本は「(舞台の)本番が始まったら普通の時間どおりになるので」と笑った。
この映画上映は、堂本の“思いつき”から始まったそう。堂本は、「もうすぐ次の作品が始まりますが、これが『Endless SHOCK』の3年後を描いたスピンオフ作品ということで。本編をご覧になったことがない方にも楽しんでもらえるようにするにはどうしたらいいかと考えた時に、ふと、同時期に映画を上映すれば、両方楽しんでいただけるのではと思ったのがきっかけでした」と説明。『SHOCK』という作品は、作品の仕掛けなどの実現性から、上演できる劇場が限られている。そのため、今まで劇場に足を運ぶことが叶わなかった方たちにも、大画面で作品を楽しんでほしいという思いもあったようだ。
その話を、昨年秋の大阪での公演中に聞かされたと上田は、「(光一くんは)やっぱすっげーおもしれえな!」と興奮したと振り返った。「光一くんって、ジャニーさんの申し子みたいな人だから。ジャニーさんが後ろに見えるようで、普通の人じゃたどり着かないような発想を多々してくれる」と発言。梅田も「この前、稽古中に堂本が『YOUたちさぁ~・・・』ってさらっと言ったんですよ!私、ものすごく興奮しちゃって」と、堂本にジャニー氏の影響を見たと明かした。
越岡と松崎は、これが映画デビュー。越岡は「(映画にすると)聞いた時は嘘だろ?!と思いましたが、光一くんは有言実行の男。こんな形で銀幕デビューできるとは思っていませんでした。便乗すいません!」ときっちり頭を下げる。一方、松崎は一言「アンビリーバブル!ですね!!」と英語で気持ちを表現。また、この舞台挨拶が中継される全国82館に地元である春日部が選ばれたことを喜び、「このあと、舞台稽古があるんですけど、気持ちは春日部です」と地元愛をちらつかせた。
映画は、昨年の『Endless SHOCK』の中止決定後、同劇場で無観客撮影されたもの。無観客ゆえに、撮影時は思いも寄らない場所にカメラを置いたり、ドローンを使用したりと、普通の舞台中継の撮影とは違った発想で行われた。
さらに堂本がピックアップしたい、ドラマを引き立たせたいと思った部分は、別撮りで撮影されたそうで、梅田は「舞台と映画で意識することを変えてほしい」というオーダーを堂本から受けたと明かした。
ちなみに「ジャパネスク」の殺陣シーンではもっといろんな撮影をしたかったそうだが、「俺の体力が持たなかった(笑)。あのシーン、衣裳着てるだけで疲れちゃうんですよ」と苦笑い。ここにもまた、すでに舞台を観た方にも新しい視点で楽しんでもらいたいという堂本の思いが垣間見える。
また、堂本は普段から編集時に音をMIXする瞬間が楽しみにしているそう。今回、雑音を消す作業をしていたら、「こっしー、あのさぁ・・・」という袖中での松崎の声が入っていたそうで「盗聴しているような気分になった」と堂本。そこにたまたま同席していた上田が「そのシーン、俺と光一くんが一騎打ちをしている、超いいシーンだったんですよ」と明かすと、松崎は恐縮しきり。
また、出演者たちも普段舞台で演じているからこそ見れないシーンがたくさん見れたと語った。「光一くんの一つ一つの表情がしっかり観られたんですよ。歌のシーンとか、僕らは光一くんの背後にいることが多いから観たことなかったので」と越岡。
前田も、「私がステージをやっている時に見ている、とっておきのシーンがあるんです。それを、今回ドローンが撮影していたんです。階段落ちのシーンで、下手から私が光一さんを見届けているシーンです」と、客席からは絶対に見れないシーンが“プレゼント”として収められていることを明かした。
また、今回はこれまでのDVD化とはまた違い、映像でどう『SHOCK』を見せるか、ということにこだわった。堂本は、「今までDVDなど映像化する時は、劇場の席で観た時に『俺だったらこういう目線で観るな』という視点で編集することが多く、劇場での迫力をそのまま伝えるため映像の加工などはしないのがポリシーだったという。
しかし、今回は映画館で流すもの。よりストーリーに入り込めるような作り方をしようとこだわり、編集する上でも新たなチャレンジを行ったそうだ。さらに、別撮りしたシーン以外は舞台と同じく一発勝負。実は「上田がやってしまっているポイントがあるんですよ、どこかは言いません(笑)。発見できたらすごいと思います。本人は紀にしていたんですけど、僕は舞台上のリアルだから、いいなと思って」と見どころに挙げた。
最後に、堂本は「“ショー・マスト・ゴー・オン”という言葉は、決して今の状況下で何があっても幕を開けるという意味ではなく、何か躓いた時、そこから歩き出す勇気を持つことが大事なのではという意味として、今の世の中に重ね合わせるメッセージを受け止めてほしいなと思います」と挨拶。
なお、ぜひ映画館でも、劇場と同じく拍手をしてほしいとのこと。「編集で一番難しかったのが、拍手を想定して作った部分。無観客で撮影したので、この間どうしよう・・・と思ったんですが、まあええわ、というのが最終的な判断です(笑)。拍手したいと思う瞬間があったら、ぜひ観ながら拍手をいただけたら嬉しいですね」と言葉を添えた。
『Endless SHOCK』は、2月1日(月)より2週間限定上映。
『Endless SHOCK -Eternal-』は、2月4日(木)から3月31日(水)まで東京・帝国劇場にて上演される。