松雪泰子、ソニン、瀧内公美、片桐はいりら出演舞台『そして春になった』開幕!岩松了ワールド全開の新作愛憎劇

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12月8日(火)、東京・本多劇場で、M&Oplaysプロデュース『そして春になった』が開幕。ある映画監督の妻である女性と、その監督の愛人であった女優という、かつて一人の男をめぐって憎みあったが時を経て、共感とも友情ともとれる感情を抱くようになった二人の女による、ダイアローグのような朗読劇のような、モノローグで築かれる本作。作・演出を岩松了が務め、松雪泰子、ソニン、瀧内公美、片桐はいりらが出演する注目作の舞台写真とキャスト陣のコメントが到着した。

日本のチェーホフと呼ばれ、人間の内部で無意識に動く感情を説明的なせりふを排し、物語の核を隠しながらもリアルに生々しく描き出すことに定評のある、劇作家であり演出家の岩松了待望の新作となる本作。

舞台は、別荘地の林の中にある、とある映画監督の別荘。別荘の窓からは湖が見え、その岸辺には一本の木が立っている。監督の妻(松雪/片桐)と愛人であった女優(ソニン/瀧内)は、かつてこの別荘で互いを憎しみの目線でうかがいあったこともあり、若い新しい愛人が監督につきっきりになった今でも憎しみの残骸となって二人に纏わりついていた。しかし、ある日、ある出来事がきっかけで二人の関係に変化が・・・という物語を展開。松雪、ソニン、瀧内、片桐ら4名が2組にわかれ、岩松ワールド全開の新作愛憎劇を創り上げている。

M&Oplaysプロデュース『そして春になった』は12月13日(日)まで本多劇場で上演。なお、12月12日(土)の昼夜公演を収録し配信されることが決定し、12月28日(月)18:00から2021年1月6日(水)23:59まで視聴が可能だ。

目次

コメント紹介

◆岩松了(作・演出)
解禁時から変わらず未だ当てはまる冠が見つかっていない、本当にそれくらいあまり見たことのない、珍しい作品になったなと思います。2組の芝居は言葉ではうまく表せませんが、確実に違うものになりました。松雪さんと片桐さんでは、まったく違うタイプのキャラクターになっているし、ソニンさんと瀧内さんは演劇経験の差がうまく作用しているなと思います。皆さん本当に素晴らしい役者さんで、松雪さんは立ち姿が美しく、本作を表現するのにふさわしいと思ってお願いした自分の目に狂いはなかったなと思います。ソニンさんはミュージカルで拝見したことがあり、凄く目がいく人だなと思っていたのですが、実際もとてもお芝居がうまい方でした。瀧内さんは伸びしろの多い女優さんで、この先が楽しみです。片桐さんはもう5,6回一緒にやっているのですが、僕にとって珍しい作品であるとともに片桐さんにとっても珍しい作品になっているので、お互いに挑戦しましょうと話しました。このご時勢で朗読劇が増えていますが、芝居のようなところも朗読のようなところもある、あまり見たことのない演劇になりました。上演時間も短いので、集中してみていただけると思います。2パターンご覧いただけたら最高です。

◆松雪泰子
岩松さんワールド全開の中、新しいアプローチでお贈りする演劇ができました。岩松さんの書く言葉は詩的で美しく、でも生々しくてすごく人間的です。感情のエネルギーがとてつもなく、俳優としてはそれがやりがいになり、どうしたらこの山を越えられるんだろうと、必死に脚本と演出にかじりついています。
初共演となるソニンさんは、すごく多彩な魅力と才能を持っている方という印象があり、ご一緒できるのが楽しみでした。パワーあふれる俳優さんで、お稽古自体は短かったですが、とても濃密な時間を過ごせました。朗読とも演劇とも違うものになりましたが、脚本を持たずお芝居としてやりたいと思うくらい素敵な作品です。多くの方にご覧いただき、どう感じていただけるか、どう受け取っていただけるかとても楽しみです。新しいものを体験しに、ぜひ本多劇場へ足を運んでいただけると嬉しいです。私たちも全力で頑張ります。

◆ソニン
今回は、朗読劇に初挑戦、岩松さんと松雪さんとも初めてのお仕事と、初めて尽くしの作品です。朗読劇でここまで動くとは思っていなくて、まさかのダンスシーンもあったので、最初は焦りました(笑)。岩松さんは、脚本から、自分の世界をかっちり組み立てて、すごくこだわりがある演出をされる方だと想像していましたが、実際にお稽古にはいってみると直感型の方なので、私も直感的に色々試してみせたりして作りました。松雪さんは最初からすごく役に入られていて驚きました。お稽古を重ねていく中でも、作品の世界観を身体にしみこませていっているのを感じ、そんな松雪さんの姿に私も興奮して、楽しんでいます。ストーリーも構成も余白だらけでいろいろな想像ができる作品だなと思っていて、本番を迎えてからも、その余白が自然と変わっていくことでしょう。観てくださる方々自身の想像で物語を完成させていただければ嬉しいです。是非この世界を感じにいらしてください。

◆瀧内公美
朗読劇としてお話をいただいたので、本を読むだけで進んでいくものと思っていたのですが、動きも出てきて、そうするとそこへ自然と感情ものってきて、お芝居なのか朗読なのか、予想していたものとは違った作品になりました。嬉しさの中に悲しみがあったり、喜びの中に怒りがあったり、お稽古をすればするほどより感情が見え、深みが出てきて、毎日発見があって面白い経験をさせてもらっています。片桐はいりさんは唯一無二な方ですので、ご一緒させていただくのがとても楽しみでした。間や感情の伝え方が、はいりさんの身体を通して伝わってくるのを目の前で感じることが出来て、この上なく幸せな時間です。自分が今まで出してきた感情とは違う、奥深いものが積み重なってきている感覚があり、新たな姿をお見せできると思います。時勢的に言いづらくもあるのですが、でもこれはどうしても観ていただきたいです。新しい形式の演劇をお見せできると思うので、ぜひ会いに来てください。

◆片桐はいり
上演日数や上演時間が短いだけでなく、登場人物や舞台上の人数も少なく、とても要素が少ないからこそ、濃い物語になっています。岩松さんの作品の中ではすごくシンプルでわかりやすく、素材のままの味を楽しめるような内容になっているので、だからこそ逆に大変な部分もあるのかなと思います。瀧内さんのことは、映画でよく拝見していました。舞台はあまり経験がないそうなのですが、度胸や存在感がすごいなあと驚いています。さらに、舞台ならではの約束ごとのようなものがない分、新鮮な反応が返ってくるのでそれも面白いです。演劇と映像は全く違うんだと改めて気づかされました。朗読かと思えば演じていたり、芝居かと思えばただ読んでいたり・・・。内容だけでなく、上演形式もサスペンスです。私たち演者側も薄氷を踏むような気持ちで、うかがいながらやっているところもあるので、お客様とのそんな駆け引きも楽しめたらと思います。

【公式サイト】 http://www.morisk.com/plays/haru.html
撮影:宮川舞子

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