1st Musical Concert『A NEW ME』東啓介インタビュー「これからどんな役に挑戦していきたいのか、セットリストから感じて」

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『ダンス・オブ・ヴァンパイア』アルフレート役、『ホイッスル・ダウン・ザ・ウインド』 エイモス役をはじめ、『ジャージー・ボーイズ イン コンサート』ボブ役と注目作への出演が続く東啓介。その彼が、11月28日(土)に初コンサートとなる東啓介1st Musical Concert『A NEW ME』を開催する。

過去の出演作の楽曲はもちろん、自身が演じてみたい役の楽曲などを歌い、今まで劇場では魅せきれなかった“25歳の素顔”をミュージカルナンバーに乗せて届けるというスペシャルなコンサートとなる。本インタビューでは、東に初コンサートへの思いや見どころ、ミュージカル俳優としてのこれからなどを語ってもらった。

――念願の初コンサート開催ということで、開催が決まった時の心境はどんなものがありましたか?

まさかこんなにも早く自分のコンサートが開催できるとは思っていなかったので、ただただ嬉しかったですね。そして、このコロナ禍の中、会場でコンサートができるとも思っていなかったので、本当にありがたいですし、嬉しいの一言です。今までイベントで歌わせていただくことはあったので、ゆくゆくはコンサートを行いたいと思っていたんですけれども、その頃はまだミュージカル作品にも出演していなかったんです。それもあって、好きなミュージカル楽曲のコンサートができるとは夢にも思っていませんでした。

――その初コンサートへの意気込みを教えてください。

今回、以前から僕を応援してくださっている方々はもちろん、僕を知らない方や、まだ知って間もない方にも改めて来ていただいて、僕がどういう人間なのか、どういう歌を歌うのか、どういう歌声なのかというのを知ってもらいたいと思っています。そのためにいろいろな楽曲を用意していますので、ぜひ楽しみにしていてください。

――タイトルの『A NEW ME』には”新しい東啓介”という意味が込められているそうですが、どんな新しいところをコンサートで披露しようと考えていますか?

今まで演じてきた役の曲を歌うだけではなく、これからの自分に向けて、そして、これから見てくださる皆さんへ向けて「こういう役を演じたいと思っています」というように、僕が演じてきたことのない役の曲も歌わせていただこうと考えています。そういうところが新しい自分であり、新しい試みだと思っています。今まで見てくださっていたお客様には「おお!この曲を歌うのか!!」という驚きもあるでしょうし、英語で歌う曲もあります。何を歌うのか楽しみにしていてほしいですね。これから何を歌っていくのか、どんな役に挑戦していきたいと考えているのか、コンサートのセットリストから感じてもらえると思います。

――この先に演じてみたい役というのは、例えばどんな役ですか?

『モーツァルト!』のヴォルフガング・モーツァルトもそうですし、『レ・ミゼラブル』のジャン・バルジャンやマリウス、『ミス・サイゴン』のクリスやジョン、それに『デスノート THE MUSICAL』にも出たいですね。もうすべてやりたいな(笑)。

――盛りだくさんですね(笑)。

そうですね(笑)。そうだ、『RENT』にも出演してみたいです。タイミングがあえば、どんどんやっていきたいですね。

――現在、歌唱予定として『ダンス・オブ・ヴァンパイア』の「サラへ」、『マタ・ハリ』の「普通の人生」、『DEAR EVAN HANSEN』の「For Forever」と3曲が公開されていますが、選曲の理由や、こんなところを聴いてほしいというところを教えてください。

「サラへ」の『ダンス・オブ・ヴァンパイア』は、言うまでもなく僕が初めて帝国劇場に立たせていただいた作品です。その中で僕が歌い、皆さんも大好きだとおっしゃってくださるこの「サラへ」という曲はやはり歌いたいなと思いました。僕の中でも役を通じてこの歌のやりがいや、心情がものすごく好きなので、この楽曲を選ばせていただきました。「帝劇で、1人で歌う時は怖いよ」とよく言われていたんですけど、意外とそんなことがなかったのは、やっぱり喜びのほうが勝っていたのかもしれません。「ここで歌える!」という喜びと、しかも唯一のソロ曲がこの「サラへ」だったので、とても印象に残っています。

「普通の人生」の『マタ・ハリ』は、その当時にWキャストで加藤和樹さんと演じさせていただいたんですけど、この曲がめちゃくちゃ僕の中で苦労した曲だったんです。恥ずかしながらギリギリ音が出る、出ないみたいな感じで毎公演ビビリながら歌っていました。でもこの曲はとても好きで、僕は芸能界という道を歩ませていただいていますけど、“普通の人生”って当たり前のようで難しいなというか、「それだけでいい」というような歌詞がとてもいいなと感じているんです。皆さんもこの曲の歌詞を聞いたら何か胸を打たれるものがあるんじゃないかなと思って、この曲は歌いたいと選びました。

そして「For Forever」の『DEAR EVAN HANSEN』という作品は、僕がブロードウェイで見た時に本当に好きになった作品なんです。よく歌われているテーマソングがあるんですけれども、それではなく、今回はこの「For Forever」を選びました。YouTubeの『DEAR EVAN HANSEN』公式チャンネルにも「For Forever」があって、聴いているんですが、やっぱりいい曲だなと感じています。歌い上げる時もあれば、つらつらと英語で歌うところもあって、この曲は挑戦というのも含めて、英語の歌詞で歌います。まだ日本では上演されていない作品なので、もしかしたら、知らない方もいらっしゃると思うので、作品の良さと楽曲の良さを皆さんに知っていただければと思っています。

――では、YouTubeで事前に『DEAR EVAN HANSEN』をチェックしていたほうがいいでしょうか。

いや、大丈夫です!僕の歌だけで感じられるようにがんばりますので、僕の歌を聴いてください(笑)。

――力強いお言葉ですね。

・・・ハードルを上げすぎました(笑)。

――(笑)。初めてのミュージカルコンサートですが、ミュージカルとコンサートでミュージカルナンバーを歌うことにどのような違いを考えていますか?

ミュージカルはその世界の中で感情があふれて歌に代わって思いを伝えるということだと思うんです。コンサートでもできればそうしたいんですけど、やっぱり断片的になってしまいますし、作品を知らない方は「何だろう?」となるかもしれないですしね。なので、コンサートではその曲の良さや、その曲が歌われるシーンをできるだけイメージしてもらえるように歌いたいと考えています。

――コンサート開催の発表時に「今まで劇場では魅せきれなかった“25歳の素顔”をミュージカルナンバーにのせてお届けします!」とありましたが、東さんの“25歳の素顔”とはどんなものですか?

よく落ち着いていると言われるんですけど、等身大の25歳なんですよ(笑)。コンサートではそういうところも見せたいですし、「いろんな曲に挑戦してがんばっている東を見てね」という感じです。

――YouTubeの「ワタナベエンターテインメント」公式チャンネルで、人生で初めて作った曲「こえ」などの動画を公開されるなど積極的に音楽活動も展開されていますが、東さんにとって「歌」とはどんな存在なのでしょうか?

もうなくてはならない存在ですし、僕の体の一部ですね。もし声が出なくなってしまったら、という想像ができないぐらいに大事なものです。自分の活力にも、ストレス発散にもなります。それに、聴いてくださる皆さんが声が良いとおっしゃってくださるのも嬉しいですし、両親に感謝しています。本当に大切なものですね。

――YouTubeでの活動は、これからも続けていく予定ですか?

やっていきたいですね。見よう見まねなんですけど、作詞作曲や動画編集など全部を自分でやっているんですよ。

――「こえ」のMV風のモノクロな動画もお一人で製作されているんですね。

あれはちょっとモノクロにしないと映えないかなと思って(笑)。本当はもうちょっと頻繁に動画をあげたいんですけど、1人で全部をやっているということもあってなかなか出来ていません。作曲やアレンジ的にも、もっとクオリティの高いものを作らないといけないと思っていますし、もっとチャレンジはしていきたいですね。

イベントに携わってくださった方と仲良くさせていただいて、どうやったら曲作りができるのかをいろいろと教えていただいたんです。自分一人でできることって何においても限られているので、そういう方たちの力を借りてもっと皆さんにいいものを届けられたらと思っています。

――まだこれからだとは思いますが、これまでのミュージカル人生を振り返ってみてどうでしたか?

早かったなという印象はありますね。最初は、本当にミュージカルのステージに立てるのかとかミュージカルで本当に認められるのかとか心配していたんですけど、そんな中で、こんなにも早くコンサートを開催できたり、帝国劇場に立てたというのは本当にありがたいことですし、感謝しかないです。だからこそ、恩返しとして、いろんな作品にどんどん出続けて、皆さんにもっと届けていきたいですね。

――東さんは「30歳までに帝国劇場に立ちたい」との夢を早々に実現しましたが、次の夢は何ですか?

実は、夢というのは持たないようにしているんです。叶えちゃうとそこで終わっちゃうので。“目標”ということにしています。単純かつ難しいことではありますけど、数多くのミュージカルに出続けるというのが今の目標です。その役を担われていた先輩方の役を担えるような人材になっていきたいと思っています。

――ゆくゆくはブロードウェイでミュージカルに出演ということも・・・?

したいですね。したいですけど、ちょっとまだ自信がないです(笑)。でもやっぱり思いはありますよねぇ・・・。最初からブロードウェイ出演を目指すのではなくて、留学して語学を学んで、現地のミュージカルの作り方もあると思うので、そういうアカデミーなどに通い、演技や発声方法の違いも勉強したりと、今までやってきたことをすべて捨てるくらいの気持ちで暮らしながら目指してみたいです。

難しいことだとは思いますけど、できたら嬉しいですね。目標にはしたいと思いますけど、今、現実的に考えたら何一つ太刀打ちできるものはないなという感じです(笑)。でも本当にやりたいですね。実現したら自分の人生の財産になると思いますので。

――『スカーレット・ピンパーネル』に出演した時に、スタッフTシャツに紅はこべの花のロゴをデザインするなどデザイン面でも才能を発揮されていましたが、今回のコンサート・グッズはどうですか?

グッズは今まさに製作中で、デザインにも深く関わらせていただいています。こういうものがいいという提案や、自分で撮影した写真をグッズの一部に使うなどしています。ぜひ楽しみにしていただけたらと思います。

――最後に、コンサートを楽しみにされているファンへメッセージをお願いいたします。

ミュージカルに出演するたびに、「コンサートをしてほしい」とおっしゃってくださっていた中で、こんなにも早くコンサートを開催でき、多くの楽曲を聴いてくださる機会が設けられました。こういうコロナ禍の状況で足を運ぶのは不安かとは思いますが、僕の歌を聴いて明日への活力にしていただければと思いますので、ぜひ足をお運びください。会場でお待ちしております!

公演情報

東啓介1st Musical Concert『A NEW ME』
11月28日(土)14:00公演/18:00公演 東京・山野ホール

チケット一般発売:10月31(土)10:00~
受付URL:https://l-tike.com/play/keisuke-higashi/

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この記事を書いた人

演劇、海外ドラマ、映画、音楽などをマルチに扱うエンタメライター。エンタステージ立ち上げからライターとして参加し、小劇場から大劇場のストレートプレイにミュージカル、2.5次元、海外戯曲など幅広いジャンルにおいて演劇作品の魅力を日々お伝えしています!

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