2020年9月18日に東京・シアタークリエで屋良朝幸主演のミュージカルコメディ『Gang Showman』が開幕した。屋良の他、玉野和紀、平野綾、妃海風、花乃まりあ、中村浩大(Jr.SP/ジャニーズJr.)、鯨井未呼斗、松平和希、入野自由、中山秀征が出演する本作の舞台写真が到着。公開ゲネプロの後、囲み取材会に登壇した屋良、玉野、中山が語った意気込みなどと共に紹介する。
エンターテインメントに再び光を取り戻す為に、新型コロナウイルス感染防止策を逆手にとった、「今」だから出来る最上のエンターテインメントを作り上げることに。1942年秋、ニューヨークを舞台に、“潔癖症”のギャングと、劇場に再びお客様を取り戻そうと必死に生きる人々が取り巻く、愛と成長の物語を描く。
マンハッタンのダウンタウンの外れにある“ClubSmile”は、70年続く小さなショーの店。2週間前に急逝した父にかわって新オーナーになった娘のメアリー(平野綾)が、残ったメンバーのロバート(入野自由)、パトリシア(花乃まりあ)、デイビット(松平和希)とともにショーを完成させ店の再開を目指す中、ヴィンセント一家のギャング・ジェイムズ(屋良朝幸)。子分のウィリアム(中村浩大)とマイケル(鯨井未呼斗)を引き連れ、店の借金の取り立てにやって来る。
ヴィンセント一家のボスが借金を待つ条件として提示したのが、ジェイムズをショーの主役に据え、すべて彼の意見に従うということ。店を守るため止むを得ず条件を飲むメアリー・・・そんな中、本格的なショーをリスペクトするストリップダンサーのリンダ(妃海風)もやって来て、ClubSmileのメンバーに加わることに。
そこに姿を現したのが、メアリーの亡き父のゴーストが容姿を変え別人となったリチャード(中山秀征)と、やはりゴーストで店を愛して止まない振付家でダンサーだったフランク(玉野和紀)。店の存続のため、ショーの創作を手助けするため、あの世からClubSmileに降り立ったのだ。さまざまな思惑が交錯する中、新たなショーのリハーサルが進んでいくが・・・という物語が展開される。
脚本・作詞・演出・振付を玉野が務めているが、「予定していた作品から急遽新作になって、それが決まったのが5月でした。せっかく舞台をやらせていただけるということで熱い思いを持って、“ソーシャルディスタンス”を逆手にとって何かできないかと考えて書きました」と、新型コロナウイルスの影響で新たに作品を作ることになったとか。
そんな中無事に初日を迎え、「舞台ができると言う喜びがあります。帰ってきたと言う感じがしてうれしいです。みんなずっと家と稽古場を行き来してどこにも行かずがんばってきたので、10月3日の千秋楽まで無事にたどり着ければというのが1番の目標です。コメディーなので皆さまに笑っていただければと思い・・・今はマスクの下で笑っていただいて、いつかマスクを取った笑顔で皆さまとまた会えたらいいなと思っています」と上演に対する思いを熱く語った。
一方、主演を務める屋良は「ステージに立つのが半年以上ぶり。どうなるかも分からない状況の中で稽古してきて、こうやって皆さんとステージに立てるのがすごくうれしいです!こう言ってはあれですが・・・やっぱり自分はステージで生きる人間なんだなというのを改めて感じて、凄く楽しかったです」とうれしそうにコメント。
また、「玉野さんの作品は今回が3作品目なんですが、タップとしては一番難易度が高いものをやらせてもらっています。正直、タップダンスは昔『もう絶対やらない!』と思っていたんですが、玉野さんと出会って、楽器みたいな感覚で表現できるのが面白いなと思えるようになったんです。それで玉野さんと同じモデルのタップシューズを買って、面白がりながらやっていたので上達するんですよね。千秋楽までにも成長ができるんじゃないかなと思っています」と自信を見せた。
中山も久々の舞台に、「無事にスタートを切れると言うことでまずは安心しました。でも最後まで完走ということを考えると色々難しいところもあるけれど、一生懸命みんなで予防しながらやっていって、その中で面白いものを伝えていきたいと思います。こういったご時勢ですけど、楽しい舞台にできればと思います」と力強くコメント。
中山は15年ぶりにタップに本格的に挑戦してるとのことで、「1から指導していただきまして、自粛期間中はタップシートを買って自宅の駐車場で練習したり、自分でできることをできる範囲でやっていました。テレビでやってますと、台本がない世界でやっているのでこうやって稽古して覚えて・・・というのはいつもないテイストなのですごく緊張しますね。15年ぶりで(緊張して)心臓が飛び出そうになってゲネでは頭からやらかしてます(笑)」と告白。他にも体力作りに力を入れていたようで、自粛期間中にマラソンをして合計300kmほど走り、体重を7キロほど落として今作に臨んでいるといい、「後は(フリを)忘れなければタップを踏めると思います。油断してたらタップじゃなくて“地団駄”になっちゃうのでどちらになるかは見ていただければ・・・(笑)。皆さまにご迷惑をかけないしないようにがんばろうと思います」と笑いを誘いながら改めて意気込んだ。
屋良と中山は日本テレビで放送されていた番組『THE夜もヒッパレ』で共演しており、今回が約20年ぶりの共演だとか。中山は「あの時は本当におとなしい子で、真面目で静かな子だなという印象だったんですけど、そういうひたむきな姿勢、自分の力でこうやってミュージカル界で活躍されて。一生懸命がんばっている姿を間近で見て、『あの子がこんなすごい子になるんだな』と感動しています。覚えるのも早いしノウハウもしっかりしているので、勉強させてもらってます」と逞しくなったやらの姿を絶賛した。
一方、屋良は「秀さんが出ると決まったと聞いた時にもちろん『THE夜もヒッパレ』を思いだしたんですが、覚えておいていただいてるかなと少し不安でした。でもお会いした時に「久しぶり、屋良っち!」と声を掛けてくださったの時の安心感が凄くて・・・秀さんのこの温かさがステージを包んでくださっているなと思うんですけど、その感覚は昔から変わってないなと思いました」とコメント。さらに、「頼れる兄貴として稽古中も休憩になるとよくお話させてもらって。ジャニーズの先輩の方々のおもしろ話とか(中山が『シューイチ』で共演している)中丸(雄一)の面白い話とかしています(笑)」と教えてくれた。
また、本公演では、10月3日(日)千穐楽公演の有料LIVE映像配信が決定。そのことについて屋良は「舞台を映像で観るというのはどういう感覚なるんだろう・・・濃い舞台メイクしているしちょっと恥ずかしいんですけど(笑)、映像は映像で新しい見え方もできると思います」と語り、最後に「この時勢で劇場に来るのが心配だなと思う方もいらっしゃると思うのですが、あの万全の状況でお待ちしております。この状況だからこそ、笑わせて泣かせて、“玉野さん”マジックというのも楽しんでいただければと思います」とメッセージを送る。
ミュージカルコメディ『Gang Showman』は10月3日(日)までシアタークリエで上演。上演時間は休憩なしの2時間を予定している。
【公式サイト】 https://www.tohostage.com/gangshowman/
写真提供/東宝演劇部