人類10万年を2時間で駆け抜ける!谷賢一の『人類史』に東出昌大、昆夏美、山路和弘ら

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2020年秋に上演が予定されていた、KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『人類史』の出演者が発表された。本作は、岸田國士戯曲賞・鶴屋南北戯曲賞ダブル受賞の谷賢一が、言葉・身体・音楽を駆使して描き出す、人類の歴史を紐解く壮大な叙事詩的作品。物語の中心となる若い男・若い女・老人を演じる3名には、東出昌大、昆夏美、山路和弘が決定した。

我々人類が、他の人類種を根絶やしにし、力の強い他の生物を押しのけてこの地球の頂点に君臨できたのはなぜか?谷は、その謎をホモ・サピエンスだけが持つ「虚構を信じる」という特殊な能力から読み解いたユニークな学説に着目。言葉、身体表現、音楽が混然一体となった演劇ならではのアプローチで人類史を描き、スケールの大きい舞台作品の実現を目指す。

作曲を担当する志摩遼平(ドレスコーズ)。KAATの<ホール>で谷が初めて演出を手掛けた『三文オペラ』で意気投合したタッグが再び実現。また、音楽と並んで作品の重要な要素となる振付には「バットシェバ舞踊団」「インバル・ピント&アヴシャロム・ポラック・ダンスカンパニー」などでダンサーとして活躍後、振付家としてもするエラ・ホチルドが担当。

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出演者には、東出、昆、山路のほか、谷とホラルドがオーディションで選んだ16名の俳優・ダンサーたち(秋葉陽司、浅沼圭、生島翔、植田崇幸、大久保眞希、奥村佳恵、栗朱音、小山萌子、谷本充弘、内藤治水、中林舞、名児耶ゆり、奈良坂潤紀、仁田晶凱、福原冠、村岡哲至)が決定。

KAAT 神奈川芸術劇場プロデュース『人類史』は、10月23日(金)から11月3日(火・祝)までKAAT 神奈川芸術劇場<ホール>にて上演される。チケットは、9月19日(土)より一般発売開始。Kame(かながわメンバーズ)にて9月12日(土)より先行販売も実施。

目次

コメント紹介

◆谷賢一(作・演出)
怒涛のように、濁流のように通り過ぎる日常を一時停止して、人間について考える。人生について考える。それこそが劇場の意義だ。こうも慌ただしい日々を生きていると考えが及ばないが、「人間とは何だろう?」、そう改めて考えることができる場所が劇場である。劇場は省察の場所であり、哲学の場所であり、祈りの場所だ。
本作『人類史』とは大きく出たが、要は人類がどう成長し、繁栄して来たかを描く一つの成長物語である。なぜ人類は他の生物を圧倒し得たか?どのように文化やコミュニケーションを発展させてきたか?その変遷をエラ・ホチルドの振付によるダンスと志磨遼平の作曲による音楽、そして演劇で描き出す。日常を一時停止して、考えてみよう。人類とは一体どのようにして、今日ここまで辿り着いたのか?

◆東出昌大
初めにお話を伺った際はその壮大なテーマに目を見張りましたが、今は演出の谷さんの向かれている方向を、共に見据えている心持ちです。視線の先にどのような地平が広がっているのか、今から稽古の日々を心待ちにしています。

◆昆夏美
今回このお話をいただいた時に、我々人類の歴史という、大きなスケールをどのように1つの作品にまとめるのかと興味と期待が膨らみました。
演劇という表現の自由の可能性を持ってこそ、体現できる部分もあるのではと思います。難しそうな題材だと思う方もいると思います。
でもまずはそれでいいと思っています。
正直私も人類がどのように進化したのかと深く考えたことがありませんでした。この舞台で一緒に考えてみませんか?

◆山路和弘
人類史・・・。そりゃ毛皮のパンツにモジャモジャ頭、石の貨幣・・・etc。思い浮かべるのはその辺りか。ポスターを撮るというので髪は切らない様に心掛け、いざ現場へ。
え?洋服?それもチョイとおしゃれな・・・。ハナっから裏切られたこの舞台、稽古場もさぞや気持ち良く裏切ってくれることだろう。演出家谷賢一。楽しみだ。そしてしばらくひっ込んでろ、腰痛!コロナ!

物語

今から約10万年前。まだサルの一種に過ぎなかった人間は、肉食動物に追い回され、両手両足を使って地べたを這い回り、木の実や虫を食べて暮らしていた。それがあるとき二足歩行を始めたことで道具・言語・火などを手に入れ、またたく間に文明を開花させ動物界の頂点に立つ。やがて高度な社会を形成し、ついには科学の力によって宇宙の仕組みにまで到達することになるが、その驚異の発展を支えたのは「想像力」、見えないものを見る力だった・・・。
物語は、数万年単位で時間を跳躍しながら進んでいき、どの時代・どの場所にも何故か同じ顔・姿をした「若い男」「若い女」「老人」が登場する。それらは遠い先祖・子孫の関係のようにも見えるし、生まれ変わりのようにも見える。同じ顔・姿をしたこの三者を中心に10万年の人類史を駆け抜ける!

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