バックステージ映像も公開!「読奏劇」太田基裕『ペロー版 眠れる森の美⼥』配信レポート

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舞台やゲームなどの楽曲制作を手掛けてきた株式会社ドリームラインによる新企画「Dream Stage(ドリームステージ)-読奏劇-」の第1弾、太田基裕の朗読「シャルル・ペロー 著/眠れる森の美⼥(原題:眠る森のお姫さま)」が配信された。内容は、本編(30分)+フリートーク(30分)+本編(30分)の再放送という構成。その模様を少し覗いてみよう。

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“「朗読」を楽曲の「Music Video」のように届ける”ことをコンセプトとしたこの企画。監督を務めるのは、2017年よりミュージカル『刀剣乱舞』の MV ディレクターとして「勝利の凱歌」「決戦の鬨」「鼓動」などを担当してきた鎌田哲生。太田の回は、5台のカメラで撮影した映像を細かいカット割りで音楽に乗せ、雰囲気たっぷりの心地よいおとぎ話に仕上がった。

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太田は、赤い革表紙の本をゆっくりと開くと、読み上げていく。真っ白なシャツに黒いパンツ姿の太田に、次第に英文が投影され始める。これはCGではなく、実際の撮影現場でリアルタイム投影されたものだ。映像作品だが、監督の鎌田はできる限り“生”にこだわった。

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事前レポートでも取り上げたが、読む本に書かれている言葉は今とは少し読み方などが異なるもの。音だけで聞くと少々違和感を抱く場面もある。しかし、そこはあえてそのまま残し、朗読されている文章を映像として同時に表示させることで、完結させている。地の文で状況が丁寧に語られる中、幾人かの登場の台詞も出てくる。太田がそれをどのように表現するのかもおもしろいところ。

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本編の終了直後には、本企画のプロデューサーと太田によるフリートークが行われた。本企画は、コロナ禍の中で「役者さんが演じている姿を観る機会が減ってしまった」という声や、「学校にも行くことができない」という声にプロデューサーが目を留め、自宅にいながら役者の真剣に演じる姿を楽しめる、かつ、アカデミックなエンターテインメントを作れないか?と模索したことから生まれた。

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本人も驚いていたが、太田がこういった企画に参加するのは初めてのこと。「初めての僕をトップバッターに選ぶなんて、勇気がありますね(笑)」と言っていたが、それにもちゃんと理由があったのだそう。プロデューサーが語ったその経緯に自身の想いを重ねながら、太田は嬉しそうに顔をほころばせた。

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太田の回で、もう一つの注目ポイントになったのが音楽。映像の中では、太田が自作した楽曲が数曲使われている。太田は、自身のSNSやファンクラブで自粛期間中に制作した楽曲を公開し続けてきた。どこで使われていたか気づいた視聴者も多数。「眠りの森の美女」を代表する場面の一つ、「姫が呪いを受ける」シーンでの音楽の使い方は、鎌田監督も気に入りだそうで、太田も「秀逸でしたね~。僕も興奮しました!」と大絶賛。どこで自分の楽曲が使われるか、仕上がりを観るまで知らなかったため、その驚きも倍増したようだ。

「ペロー版」は初めて読んだという太田は、いろいろ調べていくうちに、その続きや「グリム版」との違いに興味を持ったと語った。実は「ペロー版」と「グリム版」には、物語の重要な部分で決定的な違いがあるのだ。ペロー版は○○しない。その場面を求めてこの作品を選んだのでは?と思っていたという太田の少々の邪推(?)で、トークも視聴者のチャットも大いに盛り上がった。

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フリートークの中では、作品のバックステージ映像も公開。こういった映像を作ることができるのも、事前収録ならではの醍醐味だ。「やばい、撮られてるって顔してない(笑)」と太田は言っていたが、カメラをあまり意識していない自然な太田の姿が観られる貴重な映像だ(しかもスタジオで観ている本人の副音声も付いている)。

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物語のフィナーレには、大きな花火の映像が太田に投影された。花火を容易に見ることができないこの夏だから、太田と一緒に花火を見ようという粋な計らいに、副音声からは「#太田花火」というハッシュタグも生まれた。

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バックステージ映像には、太田がスチール撮影に臨む姿も。当日、収録と同時に作品の世界観に合わせた写真撮影も行われていた。これは後日、関連グッズとして販売する予定があるそうなので続報を待とう。

このほか、フリートークでは事前にTwitterで募集していた視聴者からの質問にも回答。「もし、次回があったら?」という質問に、太田は意外な答えを出していた。太田がやってみたいと思ったものは・・・?ちなみに次回の「読奏劇」に登場する大平峻也は、⼩泉⼋雲の「雪⼥」を読む。それを聞いた太田は「それ、俺が好きなやつじゃないですか」と食いつき、「峻也くんがホラーやるなら、違うところをやろうかな?」と架空の次回出演に前向きな姿勢を示していた。

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「第1弾として企画に携わらせていただけて(光栄でしたし)、新しい経験もさせていただき、とても楽しかったです。フリートークで話したことをふまえて、いろいろ想像しながらゆっくりと観てください」とトークを締めくくった太田。本作は、アーカイブとして11月30日まで何度でも視聴することができる。夏の夜、物語に深く潜りながら、ラストに打ち上がる花火と共に訪れるカタルシスを味わってほしい。

関連記事:「Dream Stage -読奏劇-」太田基裕インタビュー!楽曲や映像作りを通して再確認した表現の“欲”
関連記事:配信は8月12日!「読奏劇」太田基裕『眠れる森の美⼥(眠る森のお姫さま)』収録レポート

次回、『Dream Stage -読奏劇-』の生配信は、8月22日(⼟)21:00から。アーカイブ配信を含む詳細は、以下のとおり。

◆『Dream Stage -読奏劇-』

【#1】アーカイブ配信(11月30日まで)
太⽥基裕
朗読「シャルル・ペロー 著/眠れる森の美女(原題:眠る森のお姫さま)」
https://ima-ticket.com/event/117

【#2】8月22日(土)21:00~
⼤平峻也
朗読「小泉八雲 著/雪女」
https://ima-ticket.com/event/118

【#3】8月29日(土)21:00~
崎⼭つばさ
朗読「太宰治 著/走れメロス」
https://ima-ticket.com/event/119

【#4】9月5日(土)21:00~
橋本祥平
朗読「ヴィルヌーヴ 著/美女と野獣(原題:ラ・ベルとラ・ベート『美し姫と怪獣』)」
https://ima-ticket.com/event/120

※以降順次出演者・配信⽇・朗読作品を発表予定!

【公式Twitter】@dreamline_inc
【公式サイト】https://dreamline.link/dream_stage
【チケット】イマチケ https://ima-ticket.com/dreamstage

(取材・文・画像作成/エンタステージ編集部 1号)

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この記事を書いた人

ひょんなことから演劇にハマり、いろんな方の芝居・演出を見たくてただだた客席に座り続けて〇年。年間250本ペースで観劇を続けていた結果、気がついたら「エンタステージ」に拾われていた成り上がり系編集部員です。舞台を作るすべての方にリスペクトを持って、いつまでも究極の観客であり続けたい。

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