2020年2月に東京・PARCO劇場で『ラヴ・レターズ~こけら落としスペシャル~』が上演されることが発表された。PARCO劇場のレパートリー作品として1990年に初演され2020年で30年目を迎え、公演回数が500回に到達する今回、松重豊&大竹しのぶ、井上芳雄&坂本真綾、市村正親&草笛光子、リリー・フランキー&橋本愛、加藤和樹&愛加あゆが集結。一組の男女の間の物語を多彩なメンバーが描き出していく。
『ラヴ・レターズ』はPARCO劇場のレパートリー作品として1990年以来、2019年までの29年間、495回の上演を重ねてきた朗読劇の先駆けであり金字塔ともいえる作品。一組の男女の間で交わされる手紙を二人で読むリーディング・ドラマを、29年間にわたってさまざまな俳優、アーティスト、クリエイターが演じてきた。
建替えにより休館していた“新生”PARCO劇場の「こけら落とし」、「日本上演30周年」、「上演回数500回」と記念ずくめの今回の上演では、5組の華やかなキャストが集結。藤田俊太郎が演出を務め、2017年9月に亡くなった、26年間本作品の翻訳・演出家として469回の『ラヴ・レターズ』を描いてきた青井陽治の演出を大切にしながらも、『ラヴ・レターズ』の新たな歴史を紡いでいく。
【あらすじ】
そこに激しい愛の言葉はない。時には交錯しながらもそれぞれの道を歩く男と女が折にふれて交わしたなにげない手紙。しかし、50年綴られたその手紙は、まさしくラヴ・レターなのだ。
幼馴染のアンディーとメリッサ。自由奔放で感覚人間のメリッサ。真面目でいつも何かを書いているアンディー。思春期を迎えて彼らは一番近い異性としてお互い十分相手を意識しはじめる。しかし、ついに決定的に結ばれるチャンスを迎えた夜、二人は友達以上にはなれない自分たちを発見する。大学を出た二人はそれぞれ結婚し、まったく別の道を歩き始める。海軍を経て法曹界に入り上院議員まで登りつめるアンディー。アートの道に進んだものの行き詰まって精神的破綻をきたすメリッサ。久しぶりに再会した二人は別々に過ごした日々を取り戻すかのようだった。しかし・・・。
以下、演出、出演者のコメントを紹介。
◆藤田俊太郎
青井陽治さんが心待ちにした新生・PARCO劇場でのこけら落とし公演に素晴らしい5組のカップルが誕生します。松重豊さんと大竹しのぶさん。井上芳雄さんと坂本真綾さん。市村正親さんと草笛光子さん。リリー•フランキーさんと橋本愛さん。加藤和樹さんと愛加あゆさん。まっさらな劇場に、響き渡る一通一通のラヴレターを想像するだけで興奮した気持ちを押さえられません。皆さんと素敵な稽古をしたいと思います。演出を引き継いでから2年が経ち、2019年秋からは青井さんが生前最後に遺された新翻訳版で上演しています。新翻訳ではアンディとメリッサの最愛の人を想う愛情が更に溢れています。翻訳が進化したことであらたな一歩を進み始めた今、私もより深い愛を込めて、新しいLOVE LETTERSの1ページを演出していきます。たくさんのお客さまの御来場を心よりお待ちしております
◆松重豊(2020年2月12日[水]出演)
かつて渋谷は僕にとって演劇の街でした、ジャンジャン、青山円形、スペースパート3、シードホール、そしてパルコ劇場。うーん、どこも思い出深い。そして、もはやどこも無い。中でもパルコは、開演前の赤い客席でストレッチをしていると、何故か心安らぐ不思議な空間で、実に相性のいい小屋でした。
そのパルコが新しくなる。巨大化したらしいという一抹の不安を抱きつつ、当日は大竹さんの胸を借りるつもりで、何も考えずにスペイン坂を登ります。適度に暖まった大きな赤い客席に向かって。
◆大竹しのぶ(2020年2月12日[水]出演)
初演から30年が経ったなんて・・・本作のように、人生はあっという間に過ぎてゆくものなのでしょう。
青井さん、役所(広司)さんとの一度だけのリハーサル、ドキドキしながら迎えた本番、つい昨日のことのように思い出します。3度目にご一緒した松尾(スズキ)さんとの公演も素敵な時間となりました。
4度目の今回、台本を読み返して、その時わからなかった感情も、理解出来る様になった自分に気付きます。
松重さんと、俊太郎さんと一緒に、また新たな1ページになればと思います。青井さんのためにも。
◆井上芳雄(2020年2月16日[日]出演)
10年ぶりにアンディとメリッサに再会できることになり、それだけで胸が熱くなっています。
坂本真綾さんという素晴らしいパートナーの存在なしには、この再会はありませんでした。
ありがとう、真綾さん。
そして、ずっとこの作品を守ってこられた青井陽治さんへ心からの敬意と、藤田俊太郎さんとの新しい出会いに心からの感謝を。
◆坂本真綾(2020年2月12日[水]出演)
初めて「ラヴ・レターズ」をパルコ劇場で観たのは、小学生の時。それから何度も何度も、いろいろな組み合わせのアンディとメリッサを観てきました。
私にとって思い入れ深いこの作品の30周年の節目に、しかも新しくなったパルコ劇場のステージでメリッサ役を演じるご縁をいただき、本当にうれしいです。一度きりの貴重な公演、同い年の井上芳雄さんとどんな二人の姿を描けるのか、とても楽しみにしています。
◆市村正親(2020年2月21日[金]出演)
「ラヴ・レターズ」は以前、思い出の劇場であるパルコ劇場で何度かやらせていただきました。
そして今度、新しくなるパルコのこけら落としでやれることにとっても喜びを感じています。
ましてや、今回は、女優さんとして本当に尊敬し、憧れていて、共演したこともある草笛さんと2人でやれることに感動を覚えています。
パルコ劇場が西武劇場だった頃から知っている人間として、恥じないような「ラヴ・レターズ」をやれたらいいなと思っています。
◆草笛光子(2020年2月21日[金]出演)
パルコ劇場は私にとって大切な場所。「ウィット」「ロスト・イン・ヨンカーズ」と、私の女優人生でいまだに心に残る作品を演じました。
そのパルコ劇場のリニューアルこけら落とし公演に参加できることは大変うれしく思います。
本作「ラヴ・レターズ」は、1991年に仲谷昇さんと演じました。今回は、市村正親さん。
今の私たちだからこその世界を楽しんでいただけたらと思います。
◆リリー・フランキー(2020年2月23日[日]出演)
橋本愛さんとは映画で何度も共演させてもらいました。その度に彼女の表現の美しさと滑らかさに驚きます。
今回は朗読というジャンル、この切ない人生の物語がどうなっていくのか、楽しみでなりません。
◆橋本愛(2020年2月23日[日]出演)
朗読というのは初めてで、今はただただ未知ですが、きっと作品の力に引っ張っていってもらえるだろうな、と思っています。
30年と続くこの朗読劇には、いつの世も人の胸を打つ何かがあるはずだから。その何かに出会えることを楽しみにしています。
新生PARCO劇場のこけら落とし公演というタイミングも、とても有り難く思います。記念すべき日に自分が舞台に立つことの特別を噛み締めながら、敬愛する俳優さん、リリーさんと一緒に、素敵な時間をお届けできたら。
◆加藤和樹(2020年2月25日[火]出演)
数年前に観劇をして以来、ずっとやりたいと思っていた作品。
今回出演できることを本当にうれしく思います。
青井陽治さんには生前、本当にお世話になり、こうしてまた繋がれたこともお導きなのかな、と勝手に縁を感じています。
そしていつかご一緒したいと願っていた藤田俊太郎さんの演出。
新しいPARCO劇場で新たに生まれ変わる「ラヴ・レターズ」
これはもう楽しみしかありません。
◆愛加あゆ(2020年2月25日[火]出演)
記念すべきPARCO劇場のこけら落とし公演で『ラヴ・レターズ』という沢山の方々から愛され続けてきた作品に参加させて頂ける事、とても光栄に思います!
演出の藤田さんと相手役をさせて頂く加藤さんとは今回初めてご一緒させて頂くのですが、どんな作品になるのか、今から稽古、本番がとても楽しみです。
1回きりの本番。心を込めてつとめます。新生・PARCO劇場でお待ちしております!
『ラヴ・レターズ~こけら落としスペシャル~』は2020年2月12日(水)から2月25日(火)に東京・PARCO劇場で上演される。
【公式サイト】https://stage.parco.jp/program/ll_2020_kokera/