2019年10月30日(水)・10月31日(木)の2日間、千葉・舞浜アンフィシアターにてミュージカル『青春-AOHARU-鉄道』コンサート Rails Live 2019が開催された。本公演は、鉄ミュ初となるLIVE公演。これまでに上演された、スピンオフを含む全4作に登場した路線が大集合し、客席と一丸となって夢のコラボレーションを繰り広げた。本記事では、関東公演初日の模様をレポートする。
ミュージカル『青春-AOHARU-鉄道』(通称:鉄ミュ)とは、鉄道路線を擬人化した青春(あおはる)原作の大人気コミックを元に、2015年11月に舞台化されたミュージカルシリーズ。2015年11月に第1弾、2016年11月に第2弾(信越地方よりアイをこめて)、2018年5月に第3弾(延伸するは我にあり)、2019年5月のスピンオフ公演(すべての路は所沢へ通ず)の4作が上演されている。
今回のLIVEに登場しているのは、27路線(出演者は19名)。運行路線ならびに出演者の詳細は、以下のとおり。
東海道新幹線:永山たかし
西武池袋線・銀座線・常磐線:KIMERU
高崎線:郷本直也
東海道本線:鯨井康介
京浜東北線:高橋優太
りんかい線・山形新幹線:山本一慶
宇都宮線:稲垣成弥
北陸新幹線・西武安比奈線・丸ノ内線・横須賀線:渡辺コウジ
西武新宿線:橋本汰斗
秋田新幹線・千代田線:神里優希
IGRいわて銀河鉄道:岩義人
長野新幹線・上越線:板垣李光人
西武秩父線:滝口幸広
西武西武園線:馬場良馬
西武狭山線:岩城直弥
西武有楽町線:橋本星、土方柚希(Wキャスト)
山手線:高木俊
東武東上線・信越線:高崎翔太(関東公演のみ、関西公演は映像出演)
※公式に配役が発表されている路線のみを記載
初演から同作に出演している高崎は、関東公演のみ急遽出演が決定。さらに、会場に駆けつけることは叶わなかったが、シリーズで上越新幹線役を演じている田中涼星も映像で参加している。
本作の中で“願い”を口にすると実現する・・・そんな噂がまことしやかに囁かれている鉄ミュ(第2弾大千秋楽カーテンコールでの発言「新潟公演をしたい」、第3弾劇中台詞「乱舞したい」、共に田中の言葉が叶っている)。劇中楽曲で、一緒に盛り上がりたいなあと願っていた方も多かったのではないだろうか。脚本・演出の川尻恵太(SUGARBOY)によるゆる~い作詞と、あらいふとし+ミヤジマジュンが手掛けるキャッチーな楽曲の数々は、鉄ミュの大きな魅力の一つだ。みんなの願いが叶った本公演は、あの曲も?あの曲も?あの曲も?!と、てんこ盛りの内容となっていた。
(以下、一部楽曲に触れています)
劇場内の明かりが落ち、カンカンカン・・・と踏切の音がし始めると、一斉にペンライトが灯る。緑、オレンジ、青、黄色と、鉄ミュの各キャラクター応援カラーは路線ごとになっている。始まりはもちろん「つながる青春(AOHARU)」。劇場特性を活かした登場に、会場は一気に盛り上がりを見せた。
事前にプロローグが公開されていたが、描かれるのは、青春鉄道メンバーたちがライヴをするまでの過程。上演時にも大いに盛り上がった、東海道新幹線(永山)・東海道本線(鯨井)がキレッキレで歌い踊る「リフレッシュ兄さん」、西武池袋線(KIMERU)率いる西武グループと思いっきり万歳!できる「西武戦隊の希望の光」など、鉄ミュの名曲に乗せて、各関係路線が思い思いに準備を進めていく。
本公演には、シリーズに登場したすべての路線が運行しているわけではないため、接続先や直通先がいない路線もいる。持ち歌がない路線もいる。しかし“線路は続くよ、どこまでも”。一人ぼっちは誰もいない。彼らがどのように登場しどう歌うのか。意外性のある、趣向を凝らした演出となっていた。
意外性のある演出と言えば、食いしん坊の秋田新幹線(神里)は今回も食べている。舞台上で、しっかり食べている。グリーン席(本公演の前方エリア)のステージ近くの席の方は、4Dな体験ができるかもしれない。ちなみに、劇場内は飲食禁止なのでご注意を。
そして、公演を重ねるごとに原作から逸脱し独自の進化を遂げはじめた“京ちゃん”こと、京浜東北線(高橋)も元気に包丁を振っている。危険物の持ち込みは禁止されているので、こちらもご注意を。
シリーズとして何作も続く公演は、途中で知った際に「前作も見たかった・・・」と、巻き戻らない時間を悔やむこともある。今は、映像作品として残るものも多いが、やっぱり演劇は“生”で観ることが至上の楽しみだ。ここで朗報!このライヴでは、過去作の一部名場面もちょっとだけ盛り込まれている。一気に雰囲気が変わる様は、“演劇”のライヴ公演ならでは。しかし、前後のつながりは潔くさっぱり分からない。でも、これを観たらきっと、映像で振り返る楽しみが倍増するだろう。シリーズ4作品は、Blu-ray&DVDで発売中。
本公演は、このあとに関西公演を控えている。開催日程は、11月3日(日)・11月4日(月・祝)の2日間、大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA WWホールにて。東京からも、兄さん(東海道新幹線)に乗れば3時間弱で着く。すぐだ。上演時間は2時間強を予定。
劇場を後にするファンの願いは、きっと、だいたい同じだろう。キャストの願いも、きっと、だいたい同じ。今回は、LIVE公演という臨時運行だったが、また彼らが走る姿を観たいという想いが募る。また願いが叶うことを祈るばかりだ。
なお、本公演のBlu-ray&DVDが2020年3月4日(水)に発売されることが決定。会場・アニメイトで予約すると「鉄ミュソング総選挙 2019!ベストテン」CDが特典として付く。収録曲を決める人気投票も行われている。投票は下記URLにて(1端末につき1回限りの制限あり)。詳細は、以下のとおり。
受付URL(11月15日まで):https://questant.jp/q/aoharutetsudou-cd2019
◆ミュージカル『青春-AOHARU-鉄道』コンサート Rails Live 2019
【発売日】2020年3月4日(水)
【価格】Blu-ray:9,800円+税、DVD:8,800円+税
【仕様】2枚組(DISC1:本編、DISC2:バックステージ映像)
【封入特典】ブックレット
【公式サイト】http://www.marv.jp/special/aoharutetsudou/
【公式ブログ】http://aoharumusical.jugem.jp/
【公式Twitter】@aoharu_musical
※高木俊の「高」は「はしごだか」が正式表記
(C)青春 (C)ミュージカル『青春鉄道』製作委員会
(取材・文・撮影/エンタステージ編集部 1号)