ミュージカル『ラ・マンチャの男』大阪で開幕!松本白鸚が日本での上演50周年に描く「見果てぬ夢」

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2019年9月7日(土)に大阪・フェスティバルホールにて、ミュージカル『ラ・マンチャの男』が開幕した。本作は、小説「ドン・キホーテ」を原作としたミュージカルで、1965年にブロードウェイで初演、翌年のトニー賞ではミュージカル作品賞を含む計5部門を受賞した名作。いかに困難な状況でも“あるべき姿のために戦う”人々を描き、心打つストーリーと「見果てぬ夢」をはじめとする美しい楽曲の数々で、永く愛され続ける作品となっている。初日前に行われた囲み会見には、演出・セルバンテス/ドン・キホーテ役の松本白鸚、アルドンザ役の瀬奈じゅん、サンチョ役の駒田一が登壇した。

日本での初演は1969年。松本白鸚は(当時は市川染五郎)日本初演から同役を務め続け、1970年にはブロードウェイか
らの招待を受けて、マーチンベック劇場にて全編英語で現地の役者と渡り合い、計60ステージに立った。日本での上演回数は1,265回にのぼり、いよいよ今年50周年を迎える。

瀬奈は、今回が本作初参加。駒田は1995年から出演し、ラバ追い役、床屋役に続いて、2009年からサンチョ役を務めている。以下、3名の初日コメントを紹介。

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◆松本白鸚
『ラ・マンチャの男』を含め1作、1作大事に一生懸命やってきたつもりですが、あっという間に初演から50年経ってしまいました。本当に感無量です。「あるがままの人生にただ折り合いをつけて、あるべき姿のために戦わないこと」というのが作品のテーマ。夢とは、夢を叶えようとするその人の心意気、 あるべき姿のために戦う思いを胸に秘めた方が僕は素敵だなと思います。
この作品は私の亡き父と、亡き菊田一夫さん、という二人の男の「見果てぬ夢」なんです。50年前の日本では、ミュージカルは年間に数本しか上演されていませんでした。お二人はミュージカルがもっと多くの人から愛されるようにと夢を抱いていた。私は「見果てぬ夢」を歌う時、お二人へのレクイエムと思い、感謝と祈りを込めて50年間歌い続けてきました。これからも『ラ・マンチャの男』のともしびが絶えず灯されるようにしたい。皆さんに観ていただく価値がある、良い芝居だと思うから、今まで50年間上演してきました。ぜひ今回の舞台をご覧になって『ラ・マンチャの男』を愛していただきたいと思います。

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◆瀬奈じゅん
2ヶ月間お稽古を積み重ねてきましたが、毎日があっという間に過ぎていきました。この役をいただいたことは私の女優人
生の中で本当に大きな出来事だと思います。今回初めて参加させていただき、白鸚さんをはじめ、出演者の皆さんが、常
に新しい発見をされようと挑戦している稽古場で、とても良い刺激をいただきました。私は初めてなので分からないことが多かったのですが、皆さんが同じ目線で一緒に戦ってくださいました。カンパニーの空気が素晴らしく、出演者、そしてスタッフの皆さんから沢山の影響を受けました。

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◆駒田一
私は24年前に初めて出演させていただきました。役者人生の中で『ラ・マンチャの男』の比重がとても大きく、出演させていただく度に身が引き締まる思いです。今、興奮と緊張といろんな思いが駆け巡っています。役者でいる旦那様と演出でいる旦那様が二人いらっしゃって。旦那様(松本白鸚)から演出を受けている時は、誰よりも一つ先を行こう、新しいことをしようと挑戦されている姿を見ると、自分もがんばらなくてはと絶えず思わせてくれる日々です。カンパニー一丸となって皆様にお届けできればと思います。

【あらすじ】
16世紀末のスペイン、セビリアの牢獄では教会を侮辱した罪で、セルバンテスが従僕共々投獄されようとしている。
新入りである彼らをこづきまわす囚人たちで牢内は騒ぎになり、聞きつけた牢名主が詰問、裁判をやろうと言い出す。
なんとかこの場を収めたいセルバンテスは、即興劇の形で申し開きをしようと思い立つ。それは、囚人全員を配役した劇。
――田舎の老人アロンソ・キハーナは本の読み過ぎで狂気の沙汰とも言えるとんでもない計画を思いつく。
何世紀も前に姿を消した遍歴の騎士となって、悪を滅ぼさんがために世界に飛び出す・・・その男こそ、ドン・キホーテだ。
キホーテは従僕のサンチョを連れた旅の途中、 立寄った宿屋でアルドンザという女と出会う。あばずれ女だが、キホーテにとっては“憧れの麗しき姫ドルシネア”その人に見える。 憧れの姫のため身を捧げる決意をするキホーテ。
不思議な彼の言葉にアルドンザの気持ちは揺れる。だが、そんな彼女にラバ追いのあらくれ男たちが襲い掛かる。
身も心もボロボロのアルドンザを目にして、それでも“麗しの姫”と崇め続けるキホーテ。
彼の求める夢とは、そして真実とは――。

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ミュージカル『ラ・マンチャの男』は、以下の日程で上演。上演時間は、2時間5分(休憩なし)を予定。

【大阪公演】2019年9月7日(土)~9月12日(木) フェスティバルホール
【宮城公演】2019年9月21日(土)~9月23日A(月) 東京エレクトロンホール宮城
【愛知公演】2019年9月27日(金)~9月29日(日)愛知県芸術劇場大ホール
【東京公演】2019年10月4日(金)~10月27日(日) 帝国劇場

(文・写真/オフィシャル提供、撮影/大西二士男)

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