1950年代から60年代に活躍を始め、ミュージカル『オペラ座の怪人』などで20世紀の最も重要な演出家の一人となったハロルド・プリンス氏が、7月31日に亡くなったことが分かった。享年91。
ハルの愛称で知られたプリンス氏は、舞台監督としてそのキャリアをスタートした。1954年、26歳の時に初めてブロードウェイ・ミュージカル『パジャマ・ゲーム』をプロデュースし、トニー賞で最優秀ミュージカル賞を受賞。その後も、『ウェスト・サイド・ストーリー』『屋根の上のヴァイオリン弾き』『キャバレー』『スウィーニー・トッド』『エビータ』などで、トニー賞に計21回輝いた経歴を持つ。『オペラ座の怪人』では、90代になってもプロデューサーとして現役参加していた。
頭の回転が速く、エネルギーと熱意に溢れて、早口でしゃべることでも知られていたプリンス氏。彼の最後となったブロードウェイでの業績は、スーザン・ストローマンと共同演出した『プリンス・オブ・ブロードウェイ』で、彼がこれまで手掛けたヒット作を振り返り、若いキャストたちが未来をみつめる、というものだった。
個人の意思により葬儀は行われず、秋に関係者による偲ぶ会が開かれる予定。
偉大な功績を残したプリンス氏のご冥福を、心よりお祈りいたします。