2019年7月5日(金)に東京・新国立劇場 中劇場にて、シス・カンパニー公演『恋のヴェネチア狂騒曲』が開幕した。本作は、福田雄一がカルロ・ゴルドーニによるイタリアの古典喜劇「2人の主人に仕えた召使」をもとに作ったコメディ作品。ムロツヨシを主演に迎え、水の都ヴェネチアを舞台に、帳尻合わせの勘違いとすれ違いが巻き起こす“恋の大混乱”を描く。
出演は、ムロのほか、堤真一、吉田羊、賀来賢人、若月佑美、高橋克実、浅野和之、池谷のぶえ、野間口徹、粕谷吉洋、大津尋葵、春海四方。
初日を迎え、上演台本・演出の福田とムロ、そして堤、吉田、賀来より、コメントが届いた。
◆福田雄一(上演台本・演出)
古典のしっかりした構造と人間関係の描き方は崩さずに、いわゆるコテコテのネタをどう上質な笑いに転化させるか。自分としては、これが相当の挑戦でした。しかもこの豪華な顔ぶれ。稽古が近づくにつれて、どんどんプレッシャーが大きくなって、ムロくんとも「助け合っていこうね」と励まし合っていたほど(笑)。初日は終始爆笑!この爆笑が千秋楽まで続きますように!お客さんには「楽しくていいものを観たな」という感覚を持ち帰っていただきたいですね。
◆ムロツヨシ
初日を終えて、思うこと。
すげーな、と。
新国立劇場が、笑ってました。客席もスタッフさんも、終演後の演出家もプロデューサーさんも、そして共演者も。やっぱり客席からの笑い声があって初めて喜劇なんです。それが初日にあったこと。福田雄一を褒めてあげてください。2日目から、もっと好きなことやってみせます。来てくれる皆様に笑ってもらって、さらに笑い声を聞かせてみせます。
と、言える初日なのに、明日が怖くて眠れないムロツヨシより。
◆堤真一
“恋人同士”の役なんて久しぶりです(笑)。今回のチームは皆がそれぞれに意見をもって、限られた空間の中でいろいろなことをやってみせる人たちです。皆、頼もしくて、稽古がおもしろくて仕方なかったんです。その中で、ムロくんは本当にしっかりした座長らしい座長です。やはり笑いができる人は頭がいい!と思いました。僕も楽しみながら勉強させてもらっています。そんなチーム全体の活気が、きっと芝居にも出てくると思います。
◆吉田羊
福田組の皆さんは笑いの引き出しが豊富な方ばかり。今回の初参加には不安もあったんです。でも、昔から仲良しのムロさんが「大丈夫です!福田組に必要なのは勇気です!」と仰ってくださって、思い切って飛び込めました(笑)。この戯曲はコメディですが真ん中に通っているのは一途な愛の物語。「どうか堤さんと巡り合えますように!」と皆さんに願っていただけるよう、愛しい人への情熱をしっかり届けたいと思います!
◆賀来賢人
初舞台が福田さん演出で、その出会いが今の僕の大きな軸です。コメディに対する愛と厳しさが半端ではない方なので、油断しているとすぐにバレてしまう(笑)。一番気持ちが引き締まる場所です。その福田さんの舞台で、今回、憧れの堤さんをはじめ、素敵な先輩たちとご一緒できるのが嬉しくて!稽古場でも、恵まれた環境だなあ、と思っていました。でも、いい意味で無責任に、皆さんを食い散らかすくらいの勢いで思い切りやろうと思っています!
【あらすじ】
恋のためなら命がけ!愛する人を追いかけて、はるばるやって来たのは水の都ヴェネチア。
ここで落ち合えるはずだったのに、すれ違いばかりでなかなか会えない恋人同士(堤・吉田)。
なぜなら、二人がそれぞれに雇った気のいい召使(ムロ)は、なんと同一人物だったのだ!
頭が切れるのか欲深いのか、二人の主人に仕えていれば給料も食事も2倍というちゃっかりした魂胆!なんとかうまく立ち回っていたはずが、そこにもう一組の若い恋人同士(賀来・若月)と家族も入り乱れ、水の都ヴェネチアは恋と笑いの大混乱!さてさて、愛すべきお調子者と恋人たちの運命は?!
シス・カンパニー公演『恋のヴェネチア狂騒曲』は、7月28日(日)まで東京・新国立劇場 中劇場にて上演。上演時間は、1幕1時間22分、休憩15分、2幕55分の約2時間32分を予定。当日券は、全ステージ開演の1時間半前より抽選にて販売される。詳細は、公式HPにてご確認を。
なお、WOWOWで今秋に本作の放送を予定。
(撮影/宮川舞子)