柚希礼音の“今“が輝く一人ミュージカル『LEMONADE』開幕!ファンと共に迎える20周年

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柚希礼音の一人ミュージカル(one-man show)『LEMONADE』が、2019年5月24日(金)に開幕した。本作は、芸歴20周年を迎える柚希の「いつもと趣向が違うことを仕掛けたい」という思いから生まれた企画。作・演出を手掛ける小林香と共に、“柚希礼音にしかできない”作品を作り上げた。初日前日に行われた公開ゲネプロと囲み会見の模様をレポートする。

開幕迫る中、柚希は「ついに始まるんだと思うと、どんどん緊張して無口になってまいりました」と少々緊張した様子ながら、「一人で歌って踊ってお芝居をすることも、このような小さな劇場で、皆様と近い距離でパフォーマンスをすることも初めてなので、何もかもが挑戦づくしです。緊張しますが・・・でもね。がんばります!」と背筋を正した。

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そんな“挑戦”をしようと思ったのは「今までコンサートなどはやらせていただいてきたのですが、もっとお客様と近い状態で、呼吸や空気を感じていただきながらパフォーマンスをしたい」と思ったことがきっかけだったという。そして、2019年は柚希にとって芸歴20周年を迎える節目の年でもある。守りに入らないと決めた結果、「一人でやってみよう、でもストーリー性もほしい、歌も歌いたい・・・と、いろいろ出てきて、一人ミュージカルという形になりました」と、盛りだくさんの“挑戦”となったことを明かした。

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小林は、公演に向けて最初に柚希と会った際、いくつかのリクエストを受けたそう。それは「かっこいい“柚希礼音”を見せたい」「メッセージ性のあるミュージカルにしたい」「死ぬほど踊りたい」の3つ。小林は「20周年ですので、そのリクエストを全部叶えたいと思いました」言い、「もう一つ、せっかく小さい劇場を選んでいらっしゃいますので、等身大の、今の年齢になった柚希礼音さんだからこそ演じられるものを、という私の思いも込めました」と、辿り着いた作品に自信を見せた。

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柚希自身も「一人ミュージカルって、どうなるんだろう?と思っていたんですが、香さんは『さすが!なるほどなるほど!』という形にしてくださいました。皆さんに観ていただくのが楽しみです」とにっこり。しかし、一人ミュージカルなので、当然出演者は柚希一人。稽古にも、一人で臨むことに。

「覚えても覚えても、その日の復習をする間もなくて」というてんやわんやの日々は、柚希にとって、共演者や日頃の稽古場でのセッションが自分に大きく影響していることを実感する機会となったようだ。そんな柚希を、小林をはじめとするスタッフ陣が「いいところは褒めて、もうちょっとのところはサポートして」と、しっかりバックアップ。

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また、本作には振付として川崎悦子とOguri(s**t kingz)が参加している。「Oguriさんの振付は私にとって新しいもので、手も足も出ない日々が続きました」と苦労した様子を見せたが、すかさず小林が「今は、手も足も出ていらっしゃいますね」と、ここでもしっかり(?)サポートしていた。どちらの振りも大変素敵な振付であり、また、それを踊りこなす柚希のすごさもたっぷり堪能できる。

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柚希が演じるのは、サナトリウムで過ごす「映(はゆる)」という役。彼女の中には、男性の「ブルー」と、イタリア人女性の「リラ」という別人格がいる。小林が書いたのは、まさに元宝塚歌劇団星組トップスターとして、卒業後に女優として新境地を進む柚希のすべてを包括する役だった。「柚希礼音さんの20周年、節目を考える上で、柚希さんを応援し続けてこられた皆さんの、20年分の思いもセレブレートしたいという気持ち」と語った小林の思いをひしひしと感じる。

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柚希自身も「過去の自分が応援してくれているようなメッセージ性も感じます。香さんは、その辺りも全部汲んで書いてくださったんだなと。宝塚では星組だったので(演出として)星のイメージも出てくるんですよ。だから、私のことを応援してくださっている方にも、いろいろと感じるところのある、愛情いっぱいの作品になっていると思います」と笑顔を見せた。

また、本作では東京公演、大阪公演のほか、台湾公演が行われる。柚希が宝塚時代に台湾公演を経験しており、「(台湾公演は)舞台に立つ仕事を選んでよかったなと自分を褒めてあげたいぐらい、感動する出来事でした。退団後、ファンミーティングで行かせていただいたことはあるんですが、公演としては初めてです。写真集のイベントの際にも、台湾から参加してくださった方が楽しみにしれていたので、私も皆さんにお会いできるのが楽しみです」と思い入れたっぷり。なお、台湾公演も劇場形態の違いによる変更以外は、そのままの演出で行われるとのこと。

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最後に、柚希は「稽古中は、皆様に助けていただきながらも葛藤するしたこともありましたが、初日の前にした今、挑戦してよかったなと思っています。20周年でこの作品をやったことは、これからの私の人生においてものすごい経験になると思いますので、皆様、ぜひ楽しみに観にいらしてください」と呼びかけた。

【あらすじ】
港を見下ろす高台に立つ、古い天文台を改装したサナトリウム。原因不明の病気により、これまでの生活すべてを失った「映(はゆる)」。彼女の中には、挫折感とショックから別人格「ブルー」と「リラ」が生まれていた。二人がいることを受け入れられない「映」は、ただ無心に、何も感じずに日々を過ごしていた。そんな折、「映」はかつてこの天文台の管理人だった男の日記を見つける。その日記にはこう書かれていた。
「人生が君にすっぱいレモンを与えたら、それでレモネードを作るんだ」
それを読んで「映」は自分のレモンとレモネードのことを考える。そして、行動を起こし始めた。・・・自分の人生を取り戻すために。

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小林の描く謎めいた世界観の中で、柚希礼音という存在の魅力がこれ以上ないほど詰め込まれた、とても美しい作品だった。宝塚時代に男役として培ってきた惚れ惚れするような立ち居振る舞い。卒業後磨きをかけてきた女優としての輝き。そのすべてが実を成している。これぞ、スター。20年、どのタイミングで柚希の存在を知ったかは人それぞれだと思うが、何より“今”の柚希の存在そのものが、観る者にも未来への希望と勇気をくれるだろう。

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REON YUZUKI one-man show Musical『LEMONADE』は、5月24日(金)から6月9日(日)まで東京・CBGKシブゲキ!!にて上演後、台湾公演、大阪公演を行う。上演時間は約100分を予定。東京公演の前売り券はすでに完売しているが、毎公演当日券の用意ありとのこと。

【東京公演】5月24日(金)~6月9日(日) CBGKシブゲキ!!
【台湾公演】7月6日(土)・7月7日(日) CLAPPER STUDIO
※全公演終了後にハイタッチ付
【大阪公演】7月13日(土)~7月15日(月・祝) 梅田芸術劇場シアタードラマシティ

【公式HP】http://musical-lemonade.com

(取材・文・撮影/エンタステージ編集部)

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