2019年11月から12月にかけて、菅田将暉主演で上演が決定した舞台『カリギュラ』より、全キャストが発表された。本作は“不条理の哲学”で知られるアルベール・カミュ自身が、『異邦人』『シーシュポスの神話』と共に“不条理三部作”と位置づけた傑作戯曲の一つ。暴君として知られるローマ帝国第3代皇帝カリギュラを題材にしており、1980年の映画版では、あまりの過激な内容のため「カリギュラ効果」という言葉まで生み出した。
菅田が演じるカリギュラの残虐な行為を受け入れるほど、彼を深く愛する女性セゾニア役には秋山菜津子、最後までカリギュラを支え抜くエリコン役には谷田歩。クーデターの中心人物としてカリギュラと対峙するケレア役には橋本淳が決定。
このほか、原康義、石田圭祐、世古陽丸、櫻井章喜、俵和也、野坂弘、坂川慶成、石井淳、石井英明、稲葉俊一、川澄透子、小谷真一、小比類巻諒介、西原やすあき、高草量平、原一登、平野亙、峰崎亮介、吉澤恒多が出演。なお、カリギュラに父を殺された若き詩人シピオン役は、後日発表されるとのこと。
全キャスト発表にあたり、秋山、谷田、橋本よりコメントが届いている。
◆秋山菜津子
今回、私はカリギュラを愛する年上の女性を演じさせていただきます。これからお稽古をしてスタッフ、共演者の皆さんと共に素敵な舞台になるよう作り上げていきたいと思います。皆さんどうぞ楽しみにしていてください。
◆谷田歩
今回菅田将暉くんとは初共演なので、彼がどういうカリギュラを作ってくるのかすごく楽しみです。僕は栗山さんの芝居の作り方がすごく好きで、限られた稽古時間の中で集中して作り上げる、栗山さんの一つのアイテムになれればいいなと思っています。初共演の方たちばかりなので楽しみにしています。
◆橋本淳
初めて戯曲を読んだのは20代前半くらいだったのですが、その時はまったく理解できなかった戯曲でした。その後、この作品を観たり、最近また戯曲を読み返したりして、その時感じたものとは違うものを感じています。この作品の世界観、人間的な話の部分の少し取っ掛かりがつかめたかなと、とても身近に感じました。でも、難解な部分はありますので、稽古まで、そして稽古の時間を必死にゆっくりとしっかり咀嚼して理解していけたらなと思ってます。栗山さんとはじめてのお仕事ですし、共演者の方々も皆さん初めましての方ばかりですので、とても刺激的な稽古場になるんではないかと思っております。素敵な作品にしたい、させたいと思います。
【あらすじ】
ローマ帝国の若き皇帝カリギュラ(菅田)は、愛し合った妹が急死した日に宮殿から姿を消し、その3日後に戻ってきた。そして、その日を境にそれまで非の打ち所のなかった皇帝は豹変し、貴族平民問わず、何らかの財産を持つものを区別なく殺し、その財産を没収するという驚くべき宣言を出す。
しかし、それはほんの序章でしかなかった。
それから3年後、カリギュラは、彼を深く愛している年上の女性セゾニア(秋山)、忠臣のエリコン(谷田)を従え、残虐非道な行為の数々を繰り広げる。やがて貴族たちの怒りと怖れはカリギュラを殺害することへと向かっていく。そして、カリギュラに父を殺された若き詩人シピオンも、彼を殺したいほど憎んでいた。だが、カリギュラの思想の危険さをいち早く感じていたケレア(橋本)だけは、今は時期尚早だと“その時”が来るの待つように全員を諌めるのだった。
カリギュラはなおも食料庫を閉鎖して飢饉を起こし、公営売春宿の売り上げ回復のため新たに勲章を設け、グロテスクな扮装で神々を冒涜する。自らの命の危険を知っても、止まることなく、さらに暴走を続ける。彼は革命をもたらす王か、それともただの殺人者か。彼が探し求めた「不可能なもの」とは・・・?
舞台『カリギュラ』は以下の期間で上演される。チケットは、2019年夏にホリプロステージにて東京公演の先行受付および一般発売予定。
【東京公演】2019年11月 新国立劇場中劇場
【福岡公演】2019年11月 久留米シティプラザザ・グランドホール
【兵庫公演】2019年12月 神戸国際会館こくさいホール
【宮城公演】2019年12月 仙台銀行ホールイズミティ21大ホール
【公式HP】http://caligula.jp/
【ホリプロステージ】https://horipro-stage.jp/stage/caligula2019/