2019年11月9日(土)より演出に栗山民也、主演に菅田将暉を迎えた『カリギュラ』が東京・新国立劇場 中劇場にて開幕する。初日前にはフォトコールと囲み会見が行われ、菅田将暉、高杉真宙、秋山菜津子が登壇した。
本作は“不条理の哲学”で知られる20世紀のフランス文学界を代表する作家・アルベール・カミュ自身が、『異邦人』および『シーシュポスの神話』とともに“不条理三部作”と位置づけた傑作戯曲の一つ。暴君として知られるローマ帝国第3代皇帝カリギュラを題材とした作品である。
フォトコールで公開されたのは物語りの終盤にあたる場面。カリギュラの思い付きで、突如「芸術の日」が定められた中、詩人が一堂に集められ、一人ずつ作品を披露していく。そこに、カリギュラに目の前で実父を殺され、憎しみながらも彼の苦悩や狂気を理解する若き詩人シピオンも参加し・・・。
真っ赤な衣装に身を包んで現れた菅田。長いマントをものものしく引きずり、周りの貴族たちに無言の圧力を与える。菅田は自身の演じるカリギュラについて「端から見ると暴君だけれども、本人の内側では共感できる部分がたくさんあります。誰しもマイナスな感情を持っていて、それぞれ消化の仕方は違うと思うのですが、カリギュラの場合は手段として非情なものを選択しているだけなんです」と説明。
また、舞台全体が傾斜になっていることにも触れ「立ってるだけでも鍛えられますね。年齢問わず『腰にくる』って皆言ってます(笑)」と、舞台上ならではの苦労も明かした。
高杉は6年ぶりの共演となる菅田を「相変わらず迫力があり、オーラをまとっていますね」と表現。菅田が「威圧感があるってこと?」と冗談を交えてツッコミを入れると「そういうのじゃないです(笑)!」と首を振り、稽古場の温かい雰囲気がこちらまで伝わってきた。
菅田と高杉は稽古期間中にも二人でガッツリの二郎系ラーメンを食べに行ったりと、会話が多かったという。高杉が「食事に連れて行ってもらったり、たくさん愛情をいただきました」と笑顔を見せると、菅田は「イタズラしてるだけ(笑)。真剣な顔して台本を読んでいるときに、ちょっかいをかけたりするのですが、ちゃんとリアクションしてくれるから、それを癒しに稽古に励んでいます」と楽しげに話した。
カリギュラの残虐な行為を受け入れるほど彼を深く愛する女性セゾニアを演じる秋山は、そんな二人を見ながら「若い二人のパワーをいただいて、ありがたく稽古させていただいています。菅田さんは変幻自在で素晴らしいですし、高杉さんも、かわいらしい顔をしつつも、芯があって頼もしいです」とコメントを寄せた。
会見の最後には菅田が「狂気的で、暴君で・・・というようなイメージを一度払拭して、日常の延長戦上でカリギュラを見てもらいたいです。同じ人間だよね、というのを共有できたらと思います」と締めくくった。
舞台『カリギュラ』は以下の期間で上演。
【東京公演】2019年11月 新国立劇場中劇場
【福岡公演】2019年11月 久留米シティプラザザ・グランドホール
【兵庫公演】2019年12月 神戸国際会館こくさいホール
【宮城公演】2019年12月 仙台銀行ホールイズミティ21大ホール
【公式HP】http://caligula.jp/
【ホリプロステージ】https://horipro-stage.jp/stage/caligula2019/