KERAのもとに大竹しのぶ、稲垣吾郎らが13年ぶりに集結『LIFE LIFE LIFE ~人生の3つのヴァージョン~』開幕

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2019年4月6日(土)に東京・シス・カンパニー公演『LIFE LIFE LIFE ~人生の3つのヴァージョン~』が開幕した。本作は、フランスの劇作家ヤスミナ・レザの代表作。今回の公演では、ケラリーノ・サンドロヴィッチ(上演台本・演出)、大竹しのぶ、稲垣吾郎、ともさかりえ、段田安則という、2006年に上演された『ヴァージニア・ウルフなんかこわくない?』と同じ顔ぶれが揃い、軽やかなコメディでありながら巧妙かつ綿密、そしてビターな後味の物語に挑んでいる。

タイトルの通り“3つのLIFE”から成るこの物語。ある夜の同じシチュエーションからスタートする2組のカップルの会話が、話題の入口・トーンが少し違うだけで、意外な方向に転がっていく・・・。

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開幕にあたり、ケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)と4名の出演者よりそれぞれコメントが届いた。

◆ケラリーノ・サンドロヴィッチ(上演台本・演出)
ヤスミナ・レザは以前から好きな作家で、日本での上演も多く見てきました。でも、この作品ほど、不思議な流れの戯曲はなかったんじゃないかなあ(笑)。知的シットコムという体裁で前半を終えると、後半から少しずつ少しずつ不条理劇のようなエッセンスが増してきて、一筋縄では紐解けなくなっていく難しさがある。お客様にも細部に渡って生まれるハテナに頭を使って観ていただきたい(笑)。そこが演劇のおもしろいところであり、豊かさではないかと思うんです。こういう芝居は、他にはなかなかないですね。役者4人と僕を含めた5人で、どの国で上演されてきたものよりもおもしろい作品に仕上げたい!と稽古に集中してきました。いろんな意味で、計算だけでは創り出せない上演になると思います。

◆大竹しのぶ
KERAさんと役者4人で毎日毎日あーでもない、こーでもない、と笑いながら、悩みながら、苦しみながら稽古期間を過ごしてきました。以前出演した『大人は、かく戦えり』もそうでしたが、レザ作品は、これと言って大きな出来事が起きるわけではないんですね。自分たちの日常に近いやり取りの中で、“表の顔”のそのまた裏にある本心が見え隠れして笑ってしまうようなコメディです。そんなちょっとくすぐったい笑いがうまく出せたらいいなと思っています。今回、舞台を360度取り囲んだ客席で、すべての角度からお客様に見られているのも難しい点です。でも、楽しい笑いで劇場全体が包み込まれるよう、皆でがんばります!

◆稲垣吾郎
『ヴァ―ジア・ウルフ~』から13年も経ったという感じがしないですね。出演者の皆さんやKERAさんとの関係性ができていたところからのスタートだったので、いいチームワークで稽古に臨むことができました。
この脚本は、微妙な言葉や反応の違いで笑いを誘うところがとても洒落ています。シニカルなブラックユーモアや人間の醜さ、美しさなどの様々な側面が凝縮されていて、リアルな可笑しみがある作品です。人生には「あのときこうすれば・・・」「あれでよかったのか?」と考える瞬間がありますが、それを巧妙に芝居にしているところがおもしろいですし、お客様も、ご自分の物語として楽しんでいただけると思います。

◆ともさかりえ
KERAさんの上演台本は、翻訳劇の違和感がなくて、グッと身近に感じられる台詞です。でも、作者が3幕の構造に込めた意図はずっと謎だらけで、日々の稽古を通して、カンパニー全員で謎解きをしていくような濃密な時間を過ごしてきました。四苦八苦する私をよそに、大先輩の大竹さんと段田さんはいつも自然体。日常と演技の境目のなさは、もはや“人間離れ”の領域です(笑)。稲垣さんもご自身のペースを持っていらっしゃるし、頼もしい共演者の皆さんと信頼している演出家KERAさんと再びご一緒できて、稽古中もつくづく“恵まれているなあ”と噛みしめていました。

◆段田安則
ヤスミナ・レザ作品は、『大人は、かく戦えり』に続き2作目です。「少人数で激しいバトルの会話劇」という外枠は共通していますが、今回は、1~3幕それぞれ角度が違う不思議な構造。台詞はシンプルですが、作者が意図することがなかなか掴めず、その手強さに稽古中も頭を抱えながら格闘の毎日でした。むしろ13年前の『ヴァージニア・ウルフなんかこわくない?』との相似性がある作品だったので、時を経て、再び同じメンバーでこの作品に向き合えたことに感慨を感じています。
それにしてもレザさん、どうしてこんな奇妙な構造の戯曲を考え出したんでしょうね(笑)。

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【あらすじ】
ある夜、宇宙物理学者アンリ(稲垣)とキャリアウーマンのソニア(ともさか)夫婦は、自宅の居間で、なかなか寝ついてくれない子どもに手を焼いていた。そこに、来客の呼び鈴が。なんと扉の外には、翌日に招待していたはずのアンリの上司ユベール(段田)とイネス(大竹)夫妻がいるではないか!突然の来訪に慌てふためく二人。最近、研究が停滞気味だったアンリにしてみれば、上司を夕食に接待して、本当は大切な夜にするはずだったのに、出せる物といったら、食べ残しのスナックくらいしかない・・・。
さて、こんな悲惨なシチュエーションから始まる3つのヴァージョンの物語は、果たしてどう展開していくのだろうか?

『LIFE LIFE LIFE ~人生の3つのヴァージョン~』は、4月6日(土)から4月30日(火・休)まで東京・Bunkamura シアターコクーンにて上演。上演時間は約1時間30分を予定。

全公演で開演1時間前から当日券の販売開始(観劇希望日の前日に、当日券購入のための整理番号を入手する必要あり)。購入方法は公演HPにてご確認を。

【公式HP】http://www.siscompany.com/life/

(舞台写真/宮川舞子)

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