2019年3月7日(木)より東京・品川プリンスホテルeXにて、京本大我(SixTONES/ジャニーズJr.)主演ミュージカル『HARUTO』が開幕。初日前にはゲネプロと囲み会見が行われ京本、能條愛未、三浦海里が登壇した。
本作は、2018年3月に上演された『恋する・ヴァンパイア』のスピンオフ公演。京本は前作で主人公の敵であるハルト役を演じたが、今回の『HARUTO』ではハルトが主人公となり、ハルトが抱えている家庭や学校、初恋の悩みなどに焦点が当てられ、自分自身と葛藤しながら成長していく姿が描かれる。
ミュージカル初主演の京本は、ゲネプロ後の会見で「全員が稽古に参加できない日があったり、稽古をしながら楽曲を覚えたりとタイトなスケジュールの中、皆で突っ走ってここまで来ることができてほっとしています」と胸をなでおろした。
ハルトの初恋相手であるリセ役を演じる能條は「ヒロインという立ち位置が初めてなので、新鮮な気持ちで女の子をまっとうしています」とにっこり。これについて京本も「僕もラブシーンの相手役がいる状況は初めて。ラブソングをデュエットするのも初めてだったので、最初の稽古では振付師さんたちに“見ている方がこっぱずかしくなる”と言われたくらいギクシャクしてました(笑)」と稽古時のエピソードを明かした。
リセの婚約者であり、ハルトとは恋のライバル関係にもなるエリック役の三浦は「大我くんがライバル役と聞いたときは僕で大丈夫かな?と荷が重く感じました。ミュージカル部分はまだまだなので、芝居だけでは負けないように。舞台上にいるだけで張り合えるような立ち振る舞いをしなければと、そこはがんばったつもりです」と謙虚に語った。
敵同士であるハルトとエリックの疾走感あふれる殺陣も見どころだが、京本は「タイミングが難しいんですよね」とぽつり。殺陣を初めて経験する三浦も「めっちゃ(京本の)目を見てます。だから一種のラブシーンがここでも・・・?(笑)」と茶目っ気たっぷりに答えて笑わせてくれた。
京本と能條は同い年、三浦は2歳下と、同世代である3人は会見中も和やかな雰囲気。三浦は当初「大我くんのことは人づてに“人見知りだ”と聞いていたけど、僕自身も人見知りなので・・・」と若干の不安を感じていたそう。しかし京本が「(三浦から)稽古2日目に“テレビ買ってください”って言われたんです。人見知りの言葉とは思えないよね!?(笑)」と三浦のおねだりを暴露。そのやりとりを見守っていた能條も「なんだかんだコミュニケーション能力が高いんですよ(笑)」と三浦をフォロー。
また、本作のストーリーのようにもしも三角関係になったらどうする?との問いに、京本は「ライバルとなる男の人にもよりますね。親友がライバルになったら今までの関係を壊すわけにもいかないし・・・」と困惑顔。そこで「僕だったら?」と聞く三浦に、京本は迷いなく「いかせていただきます(笑)」と即答。「勝てるわけないじゃない!」と嘆く三浦との絶妙なやりとりが大きな笑いを誘い、そうした掛け合いから日を重ねるごとに親交が深まっていることを感じさせてくれた。
このラブストーリーを観たファンたちを「キュンとさせられたら勝ちです」と語った京本。その言葉にかけて、会見の最後に記者から“キュンとする言葉を込めつつ開幕への意気込みを”とリクエストがかかると京本はしどろもどろ。いつものやわらかな声のトーンで「とてもキュンとして、アクションも激しい、ハルトの成長ストーリーになっていますので(自身の首元を見せながら)どうか首筋をあけて待っててください」と締めくくろうとするも、どうもまとまりが悪い様子。
“もっとセリフっぽく!”とさらに飛び交った記者のリクエスト応えるべく、今度はきりっと表情を変えるとセクシーな声色で「世界中の女性のみなさん、首筋をあけとけよ」とばっちりキメポーズで会見を盛り上げてくれた。
本編で歌われる楽曲は全23曲。そのうちの20曲を京本が歌唱するそうで、京本は「そんなに歌うとは知らなかった」と驚いたことを会見で明かしたが、さまざまな場で鍛えあげてきた歌声を堂々披露。安定した声量と音域で、ロックからバラードまで幅広いナンバーを歌いあげた。
そんな京本が演じるハルトは、人見知りでおとなしいヴァンパイア族の貴公子。金髪に青メッシュという目を引くヘアスタイルで、ロングジャケットを着こなす姿はまさにヴァンパイアそのもの。貴公子であることを納得させる美しい出で立ちで、一つひとつの仕草の丁寧さにも魅了される。
ハルトのもとに現れるリセ役の能條は、どこかミステリアスな雰囲気を纏っていて、この物語における重要さを引き立てる。ハルトを迎えてのデュエットナンバーも美しく、繊細なメロディーと能條の歌声がぴたりと重なる瞬間が心地いい。
ヴァンパイア族と敵対するオオカミ族のエリックを演じる三浦は、ワイルドな役柄で登場シーンから存在感たっぷり。婚約者であるリセとの掛け合いや、クールな瞳に熱いものを感じさせる殺陣のシーンも見せどころだ。
演出は、前作に引き続き児玉明子が担当。円形の会場をめいっぱい使ってヴァンパイアの世界をつくりあげ、暗闇の不気味さを伝えるシーンでは緊張感が走り、コメディタッチに描かれたシーンとの温度差にも驚かされる。また、キャッチーなナンバーと振り付けも印象深く、現代的なミュージカルに魅せられた。
ミュージカル『HARUTO』は3月7日(木)から3月13日(水)まで東京・品川プリンスホテル クラブeXにて、3月16日(土)に大阪・森ノ宮ピロティホールにて上演。
【公式サイト】https://www.musical-lovevampire.com/
【Twitter】@mu_lovevampire
※『恋する・ヴァンパイア』の「・」は白抜きのハートが正式表記
(取材・文・撮影/堀江有希)