鯨井康介、蓮城まことらを迎えリニューアル!30-DELUX『シェイクス』名古屋、東京へ

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30-DELUX Perfect EDITION『シェイクス』が、2018年10月18日(木)から10月21日(日)にかけて行われた大阪公演を終え、10月25日(木)から愛知・昭和文化小劇場(名古屋)にて、11月13日(火)から東京・新宿村LIVEにて上演される。以下、大阪公演の舞台写真とオフィシャルレポートを紹介。

本作は、演劇ユニット「30-DELUX」の7回目の公演として上演された30-DELUX The Seventh Live『シェイクス』をリニューアルしたもの。今回は、30-DELUXメンバー(村瀬文宣、竹之内景樹、川口莉奈、田中精)に加え、出演者に鯨井康介、蓮城まこと、矢吹世奈、柏進、松浦司、今出舞、銀ゲンタを迎えている。配役は、A、B、C、Dの4パターンを用意。田中は、演出も兼ねている。

30-DELUX『シェイクス』舞台写真_2

【あらすじ】
シェイクスピアの登場人物が一堂に会するテーマパーク「シェイクスピアランド」。そのオープニングアクトの開演が迫り、現場責任者である江口久之(A・B:鯨井、C・D:田中)は奔走していた。一筋縄ではいかないキャスト揃いで江口は振り回されてばかり。
そんな最中、彼は予知夢を見る。かつての友人が舞台の上で刺されて死ぬという夢。不安を打ち消せない江口の前に八年ぶりに現れる匠士也(A・C:村瀬、B・D:竹之内)。予知夢の中で死んだ友人であり、江口には今も匠を許せない過去があった。
夢の通りに、匠は死んでしまうのか?そんな二人を傍で見つめ続けるメイ(A・C:矢吹、B・D:今出)の思いは・・・。

30-DELUX Perfect EDITION『シェイクス』は、グループの持ち味を十二分に注ぎ込んだ、完熟度の高い舞台作品だった。脚本と演出を一新した今回のリメイク版も、モチーフの一つである「シェイクスピア」を彷彿とさせるような喜劇と悲劇を併せ持ったその完熟度に驚かされる仕上がりだ。

大阪公演を行った劇場「インディペンデントシアター2nd」は、小振りな劇場。場面転換の大道具は一つ。扉も木枠がむき出しになっているが、その質素な背景がかえって「劇場での出来事」を演出し、リアルさを感じさせた。また、役者一人一人の演技に目を配ることのできる空間になっていることも興味深い。

30-DELUX『シェイクス』舞台写真_3

冒頭は、30-DELUXの持ち味であるダイナミックな殺陣シーンのほか、コメディも取り入れた賑やかな場面で掴みはOK。中でも鯨井(江口久之役)が見せたスタイリッシュな剣さばきは、本人のスラリとした体型も相まって一際目立つ。コメディの演技でも顔の筋肉を十二分に使った表情の豊かさは必見だ。

30-DELUX『シェイクス』舞台写真_8

また、宝塚歌劇団出身の蓮城(苫米地蘭子役)は、3回転のターンを披露するなど見事なダンススキルを発揮。同じく宝塚歌劇団を退団後、舞台初出演となる矢吹(江口メイ役)はお芝居で魅せる役柄を魅力的に。

舞台は「シェイクスピアランド」の現場責任者である江口を中心に、「一筋縄ではいかない」舞台人たちによるコメディチックな会話の応酬と、「予知夢」に関わる過去が絡み合いながら、物語は進んでいく。コメディの部分では、先に紹介した鯨井だけでなく、柏(凪川来雄役)にも注目したい。彼独特のしゃがれ声と、細身でありながらしっかりとしたスタイルがいかにも、演じる役柄が持つ「大御所感」にぴったりだ。

さらに「シェイクスピアランド」のオープニングアクトが完成目前というところで、役者と演出家が対立するシーンでは、小手形イチロウ(A・C:銀、B・D:村瀬)の役割がおもしろい。役者の代表である倉木ユタカ(A・C:竹之内、B・D:松浦)を皮肉まじりに持ち上げつつ、自分の地位を上げていく腹黒さは「こんな人いるよね」というリアリティを生んでおり、この作品が現代劇であることを再確認させる。

30-DELUX『シェイクス』舞台写真_7

シェイクスピア作品のオールスターが登場する劇中劇において、小手形は「ハムレット役」倉木は「マクベス役」、さらにここで江口の友人・匠が登場し、江口の「予知夢」パートの真相に迫る。ここの心理的描写は、ぜひ劇場で観てほしい。

登場人物それぞれの台詞がシンクロしており、前半と後半のつながりを意識して観るとおもしろさは倍増。クライマックスの殺陣のシーンでは、90年代エレ・ポップ風の楽曲を合わせてくる。登場人物の一人だけにスポットを当てるのではなく、脇役のドラマも緻密に描いて「オチ」をつける様子は、登場人物が何人もいるアドベンチャー・ゲームの手法、アプリゲームに親しむ世代であればすんなりと入っていける。ここは「誰にでもわかりやすく」をモットーにしている30-DELUXならではの粋な計らいだ。

30-DELUX『シェイクス』舞台写真_4

物語のラストには後日談もあり、「この人こんなことになったの!?」と感想を抱くこと必須。それぞれがシェイクスピア悲劇のような「バッドエンド」ではないのでご安心を!30-DELUXが掲げるテーマ「笑って、泣けて、考えさせられて、カッコいい」がそのままダイレクトに伝わってくる本作を、お見逃しなく。

30-DELUX Perfect EDITION『SHAKES』は、大阪公演を終え、10月25日(木)・10月26日(金)は愛知・昭和文化小劇場にて、11月13日(火)から11月18日(日)まで東京・新宿村LIVEにて上演。

【大阪公演】10月18日(木)~10月21日(日) インディペンデントシアター2nd ※終了
【名古屋公演】10月25日(木)・10月26日(金) 昭和文化小劇場
【東京公演】11月13日(火)~11月18日(日) 新宿村LIVE

【30-DELUX公式HP】http://www.30-delux.net/
【公式Twitter】https://twitter.com/30dx_shakes

30-DELUX『シェイクス』舞台写真_6

(文・写真/オフィシャル提供、編集/エンタステージ編集部)

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