2018年8月30日(木)に開幕するLive Musical「SHOW BY ROCK!!」―狂騒のBloodyLabyrinth―。新作公演の発表から約1年、再び“彼ら”が劇場に返ってくる!これまでに舞台初登場となる新バンド「フカシギミック」の参加や、「シンガンホワイティーズ」の登場、各公演を彩るイベントなどが発表されてきたが、その詳細は果たして―。本番を約2週間後に控えた稽古場を取材した。
Live Musical「SHOW BY ROCK!!」(しょばみゅ)は、昨年5月にフェス公演を行い、その後、ライヴ ミュージカル公演「―深淵のCrossAmbivalence―」を上演。そして、今年6月末には再びフェス公演と、座組みとして場数を踏んできた。特に、「シンガンクリムゾンズ」メンバーを演じる米原幸佑、鳥越裕貴、輝馬は、2016年2月に行われた同作の舞台化初期から関わってきた。新作と言えど、すでにキャラクターは掴みきっているはず、と思いきや、この日の稽古は・・・混迷を極めていた!
最初に公開されたのは、シンガンクリムゾンズに所属事務所「BANDED ROCKING RECORDS(BRR)」のメイプル社長が、フカシギミックのマロを引き合わせる場面。メイプル社長(今 拓哉)がマロ(健人)を紹介するも、ロム(郷本直也)以外全然聞いておらず、わちゃわちゃしているいつもの「シンガンクリムゾンズ」・・・なのだが。クロウ役の米原の口からは「迷宮すぎる・・・!」という言葉が漏れた。米原を悩ませていたのは、本作で登場する“シンガンホワイティーズ”との向き合い方。
“シンガンホワイティーズ”とは、今年のエイプリルフールに突如現れたバンドであり、その詳細はまだ謎に包まれている。このライヴミュージカル公演の中で、どんな登場の仕方をするのか。米原を筆頭に、深紅色の心眼でこの澱んだ世界を見続けてきた彼らは、この存在をどう表現すルのか・・・?!
シーンを繰り返していくうちに、だんだんと芝居に熱がこもり始めるロム役の郷本。ヤイバ役の鳥越とアイオーン役の輝馬は、掛け合いのようなシーンも多く、脚本・演出の斎藤栄作から投げかけられる「停滞してる時間が長いかな」「詰めすぎず、間を使っていこうか」といった言葉に即座に反応をみせる。
シンガンクリムゾンズを演じる4人は、昨年の本公演でもそうだったが、ほぼ同じことをやらない。もちろん、作品を逸脱するという意味ではなく、あらゆる可能性を求めて遊ぶ。それは、この作品の持つ“ライヴ感”を象徴しているようだ。
「OK、OKじゃないけどいってみよう(笑)」と、時にお互いのやることに爆笑しながら、時に首をかしげながら、時に奇妙な動きで踊りながら、試行錯誤を続けていく4人。果たして、奥深き演劇の森の中で、どのような形で彼らは光を見出すのか。
「トライクロニカ」シュウ☆ゾー役を演じる鎌苅健太は、迷宮入りしている4人の姿を「珍しい」と見守りつつ、場面と場面の合間では、さり気なく米原に声をかけ、空気をほぐす。そんな鎌苅の背を見ながら、カイ役の木原瑠生とリク役の宇佐卓真(ゆうたろうとWキャスト)はしっかりとついていく。しょばみゅ初参加となる宇佐。まだ10代であり非常に初々しいが、その“かわいらしさ”は折り紙付き。Wキャストとして、ゆうたろうとはまた違ったリクの表情を見せてくれそうだ。
対照的だったのは、「アルカレアファクト」の面々。すでに多くの場面に演出がつけ終わっていたこともあってか、シンガンクリムゾンズの稽古風景を、オリオン役の田中涼星、セレン役の板垣李光人、アルゴン役の滝川広大は、優雅に、とても楽しそうに見つめている。チタン役の糸川耀士郎にいたっては、稽古風景を横目にしながら、ボーカリストの腹筋づくりに余念がない。その余裕は、アルカレアファクトというバンドが成熟し、本番でより高みへ登る気配を漂わせていた。
続いては、初登場となるバンド「フカシギミック」を中心としたシーンの稽古へ。丘系と呼ばれるこの3ピースバンド。マロ役は健人、ゲ・フロッチ役は畠山 遼、シャッキー役は吉村駿作が演じる。3人が演じるキャラクターは、それぞれとっても個性的。マロは「ボコ」、ゲ・フロッチは「ゲ」、シャッキーは「シャ」と語尾に特徴を持つ。しかし、健人は時々二人の語尾がうつってしまうことがあるらしく、この時はうっかり「ゲ!」と言ってしまい、思わず3人で笑い崩れていた。
演奏シーンでは、「まだまだこれから」と言いながらも、すでに息の合った動きを見せる。ベースを持った畠山は生き生きとピョンピョン跳び回り、ドラムを叩く吉村の表情は、ほかの二人と目が合うとはっと嬉しそうに輝く。また、フカシギミックの楽曲は風変わりで、とても耳に残る。3人がどのように響き合い、それぞれのバンドとどう関わっていくのか、作品に新たな可能性を加えるフカシギミックの存在に注目だ。
そして、今作には「忍迅雷音」「defendu aube」の2バンドは登場しないが、終演後のスペシャルライヴに一夜限りの参戦。シュラライザー、アダム&イヴファンもお見逃しなく。詳細は、公式HPにてご確認を。
迷宮入りもしていたけれど、稽古場に流れる空気は明るい。「SHOW BY ROCK!!」らしさを詰め込んだ物語と、そのすべてを爆発させるライヴシーン。そのコントラストは、きっと毎日違うNo.1を生み出すに違いない(ですぞ♪)。
Live Musical「SHOW BY ROCK!!」―狂騒のBloodyLabyrinth―は、8月30日(木)から9月9日(日)まで東京・天王洲 銀河劇場にて、9月14日(金)から9月17日(月・祝)まで大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにて上演される。
【公式HP】http://showbyrock-musical.com/
【公式Twitter】@LMSB69
※「defendu aube」の正式表記は、「defendu」の「d」と「f」の間の「e」にアキュート・アクセントが付く
(C)2012, 2018 SANRIO CO., LTD. SHOWBYROCK!! 製作委員会♯
(取材・文/エンタステージ編集部、撮影/エンタステージ編集部・嶋田真己)