ブロードウェイミュージカルの金字塔『コーラスライン』の来日公演が、2018年8月15日(水)に東京・東急シアターオーブにて開幕した。本作は、1975年に初演され、翌1976年のトニー賞で最優秀ミュージカル賞・演出・振付賞・脚本賞・楽曲賞など計9部門を制覇。ピュリツァー賞演劇部門でも受賞を果たした。
1985年、ハリウッドでミュージカル映画化。 初演版は約15年の大ロングラン公演となった。2006年には、初演版の演出・振付を踏襲したリバイバル版が誕生し、トニー賞最優秀ミュージカルリバイバル賞にノミネート。同公演のキャスティング模様を綴った2008年のドキュメンタリー映画『ブロードウェイ♪ブロードウェイ コーラスラインにかける夢』も話題となった。同リバイバル版の来日公演は2009年、2011年に行われ、今回が7年ぶりの来日公演となる。
胸高鳴る音楽とダンス。ゴージャスな舞台セットや、きらびやかな衣裳、スポットライトに包まれたスター。そんな脚光をわずかしか浴びることのない、アンサンブルダンサーたちの物語。その苦悩や挫折、年齢・容姿・人種といった自分らしさと向き合いながら、 夢に向かって邁進する彼らのひたむきな人生は、 暗闇に包まれた客席で華やかな舞台を見つめる私たち観客の姿とも重なる。
開幕に先駆けて行われたフォトコールでは、「One:Reprise(ワン:リプライズ)」「At the Ballet(アット・ザ・バレエ)」「What I did for Love(愛のためにしたことは)」の3曲が披露された。「One:Reprise(ワン:リプライズ)」は、 これぞ『コーラスライン』という、 全員がゴールドの衣裳に身を包み、一体となって踊るフィナーレ。晴れやかな笑顔と、全員が並んだラインダンスに高揚した。
「At the Ballet(アット・ザ・バレエ)」は、 少女時代にどんな苦しい環境でもバレエを踊っている世界では、すべてが美しかったとシーラ、ビビ、マギーが歌うナンバー。彼女たち3人の笑顔が眩しい。「What I did for Love(愛のためにしたことは)」は、 ディアナを中心に、私たちが愛する夢のために捧げたことは悔やまないと、ダンスへの思いを全員で歌い上げた。
飾り気のないシンプルな舞台で繰り広げられる『コーラスライン』の魅力は、21世紀の今も色褪せることはない。舞台上のダンサーだけでなく、毎日を懸命に生きるすべての人々に贈られる物語をその目に焼き付けてほしい。
LION presents ブロードウェイミュージカル『コーラスライン』来日公演 2018は、8月26日(日)まで東京・東急シアターオーブにて上演(生演奏/英語上演/日本語字幕あり)。その後、横浜、浜松、大阪、東京凱旋公演を行う。日程の詳細は以下のとおり。
【東京公演】8月15日(水)~8月26日(日) 東急シアターオーブ
【横浜公演】8月29日(水) 神奈川県民ホール大ホール
【浜松公演】8月30日(木) アクトシティ浜松 大ホール
【大阪公演】8月31日(金)~9月2日(日) オリックス劇場
【東京凱旋公演】9月5日(水)~9月9日(日) 東京国際フォーラム ホールC
【公式HP】http://www.ACL2018.jp
(文/岩村美佳、撮影・編集/エンタステージ編集部)