三島由紀夫をグローバルな視点で取り上げるPARCO PRODUCEの「三島×MISHIMA」第2弾、『命売ります』の出演者が発表された。『命売ります』は、1968年に「週間プレイボーイ」にて連載されていた作品。執筆当時の時代の香りを漂わせつつも、今なお変わらない人間の“生と死”がテーマとして描かれている。
脚本・演出を手掛けるのは、劇団「はえぎわ」主宰のノゾエ征爾。ある日ふと「死のう」と思い立ち、「命売ります」という広告を出した主人公・羽仁男(はにお)。すると、訳ありげな怪しい男女が次々と現れ・・・。三島らしい多面的で複雑な人間の躍動を、ノゾエがユーモアある切り口で舞台化する。
主演の羽仁男役には東啓介、また吸血鬼の母親のために羽仁男の命を買いに来る高校生・井上薫役に上村海成を抜擢。さらに、ノゾエ自身も出演するほか、市川しんぺー、平田敦子、川上友里、町田水城、不破万作、温水洋一が名を連ねた。
【あらすじ】
ある日ふと「死のう」と思い立った羽仁男(東)は服薬自殺を図るも未遂に終わる。その日から、新聞広告と自宅の玄関ドアに「ライフ・フォア・セイル」の看板を出し、『命売ります』の商売を始める。一度失敗した自殺を繰り返すのは億劫だった。誰かに、あまり深い意味もなく、あっさり殺されたかった。
さっそく謎の老人(温水)から、ある人物(不破)の愛人になっている若い妻を殺してほしいという依頼が入る。指示どおりに行動すれば、羽仁男はきっと妻と共に、その人物に殺されるだろう、というのである。そして望みどおり迎える絶対絶命のピンチ!浮気現場を目撃されたにも関わらず、羽仁男はなぜか無事に帰され、るり子だけが謎の水死体となる。その後も、図書館の貸し出し係の女、吸血鬼の母と息子(上村)、貸間の女と、個性的な女が次々に命の買い手として現れる。その度に「今度こそ死ぬ」と期待するのだが、やはり自分だけは生き残ってしまう・・・これは偶然なのか?誰かが仕組んだことなのか?女たちに加え、謎の外国人、男たちなど、まったく関係ないと思っていた人物が、やがて一つの線で繋がっていく。そして、出会いと別れを繰り返すうち、羽仁男の中で思いがけずも死への恐怖が芽生え始める・・・いよいよ待望の死が迫った時、羽仁男は果たして―?
2018 PARCO PRODUCE 三島×MISHIMA『命売ります』は、11月24日(土)から12月 9日(日)まで東京・サンシャイン劇場にて上演される。チケットは、9月8日(土)より一般発売開始。
【公式HP】http://www.parco-play.com/