2018年10月に、東京・新国立劇場 中劇場にて舞台『いまを生きる』の上演が決定した。1989年にロビン・ウィリアムズ主演、ピーター・ウィアー監督で制作されたアメリカ映画が元とする本作は、ニューイングランドの全寮制学院を舞台に、赴任してきた英語教師と学生たちの交流を描く心温まる学園ドラマ。第62回アカデミー賞で脚本賞を受賞し、2016年秋にオフ・ブロードウェイで舞台化。映画版の脚本でオスカーを受賞したトム・シュルマンが舞台版の脚本も手掛けたことでも話題となった。
日本初演となる今回の演出・上演台本を手掛けるのは上田一豪。厳しい規律で縛られてきた男子高校生たちに新たな視点や影響を与える若き教師、ジョン・キーティング役は佐藤隆太が演じる。
そして、生徒役の中心的存在・ニール役は宮近海斗(Travis Japan/ジャニーズJr.)、転校生のトッド役は永田崇人、無邪気なノックス役は七五三掛龍也(Travis Japan/ジャニーズJr.)、素直でまじめなキャメロン役は中村海人(Travis Japan/ ジャニーズJr.)、純粋なミークス役は浦上晟周、正義感があるチャーリー役は田川隼嗣に決定。
このほか、厳格なノーラン校長役として大和田伸也、ニールの父・ペリー氏役として冨家規政、ノックスが一目ぼれするクリス役として羽瀬川なぎが出演。
上演発表にあたり、演出・上演台本の上田、主演の佐藤ほか、生徒役6名よりコメントが届いている。
◆上田一豪(演出・上演台本)
「いまを生きる」という言葉は、閉鎖的な寄宿学校の中で決められた人生を盲目的に歩む生徒たちに、教師キーティングが与える言葉です。誰にも訪れる死を強烈に意識させることで人生に意味を与え、人生を謳歌しようと投げかける。子どもの頃、こんなにも魅力的で格好いい先生がいたらなぁと憧れたことを覚えています。大人になり久しぶりに映画を観ると、キーティングの若さや青さに懐かしさや痛さを感じます。こんなに多面的な作品だったのかと驚きました。そこで舞台ではより人物の内面に迫れるように具体的な説明をそぎ落とし、それぞれの心の機微にフォーカスを当てていきたいと思っています。どの瞬間も誰もが「いまを生きる」作品。素晴らしい出演者と共に作り上げるのが楽しみで仕方ありません。
◆佐藤隆太(ジョン・キーティング役)
今回、出演のお話をいただき、驚きと嬉しさが入り混じり、一気に鳥肌が立つのを感じました。というのも『いまを生きる』という作品は、かつて様々な映画を観て俳優を志していた頃、特に刺激を与えてくれた、自分にとって大切な作品であったからです。初めて観たのは多感な思春期の頃だったかと思いますが、キーティングのような先生の存在に憧れる気持ちがありました。特別な想いがある作品だからこそ、演じることに緊張感はありますが、今回ご一緒する皆さんと信頼関係を築いていきながら、自分たちならではの舞台版『いまを生きる』をお届けしたいと思っています。
◆宮近海斗【Travis Japan/ジャニーズJr.】(ニール・ペリー役)
映画を観た時に、素直に最後のシーンで涙が溢れました。自分は今学生ではないのですが、そのぐらい生徒の気持ちに感情が入ってしまい、自分の高校時代などを思い出したり照らし合わせたりして、ロビン・ウィリアムズさん演じるキーティング先生に出逢っていたら、こんなに規則が厳しい学校だったら、男子校だったら、今の自分と違う人生を歩んでいたのかなぁ・・・と思いました。
そんな、自分にはない経験がニールという役では起こります。自分自身ではなく自分がニールという人間を着て、作品の中での出来事に影響を受けて役を作れるように稽古や本番に望もうと思います!
豪華なキャストの皆様の中で、今から緊張しています。そして同じグループ(Travis Japan)メンバーも出演するので、少し安心感はありますが緊張感は持ちつつ、ライバル心も持ちながらこのチームで切磋琢磨していきたいと思っております。ぜひお楽しみにしてください。
◆永田崇人(トッド・アンダーソン役)
映画『いまを生きる』を観て、僕が演じさせていただくトッドは、とても内向的で臆病で、自分とは真反対に属する人間だと感じました。真反対だからこそ分かることを役に投影していけたらいいなと思っています。そして、何と言ってもキーティング先生が机の上に登るシーンにはとても勇気をもらえました。“物事の見方を変えること”今の自分にもとても響いた言葉でした。この作品通して、たくさんのメッセージをお客様に届けることのできる舞台になると思います。皆様に勇気や渇望を与えることができたら嬉しいです。
◆七五三掛龍也 【Travis Japan/ジャニーズJr.】(ノックス・オーバーストリート役)
今回この作品に出させていただくことになり、すごく嬉しく思っています。この作品の映画を観て、自分らしく生きることの素晴らしさを強く感じました。この舞台を観に来ていただくお客様にも、僕が感じたものを僕らしく伝えていきたいと思っています。そして、ノックスを演じるにあたって、彼の生きてきた環境や性格などすべてを知った上で僕にしかできないノックスを舞台上で表現できたらなと思っています。
◆中村海人【Travis Japan/ジャニーズJr.】(リチャード・キャメロン役)
この作品を映画で観ました。青春を謳歌する少年たちとあたたかく優しい先生のもとで成長していく生徒たちがすごくキラキラしていて楽しそうでした。僕が演じるリチャード・キャメロンは生徒の中で一番、根が真面目でいじられ役です。普段の僕もリチャードにそっくりだと感じていますので、この役と仲良く公演を歩いていきたいです!初めての環境でのお仕事なので、いっぱい勉強して、吸収していきたいです。
◆浦上晟周(スティーヴン・ミークス役)
ミークスを演じさせていただきます、浦上晟周です。映画が公開されてから約30年、今でも多くの方々に愛されている作品に携われること、本当に嬉しく思っております。僕自身、ラストシーンに感銘を受けました。舞台に出演させていただくのは久しぶりなので不安はありますが、素敵なキャスト、スタッフの方々と一緒に最後までがんばりたいと思います。観てくださった方の中に、30年先もずっと残るような舞台になりますように。
◆田川隼嗣(チャールズ・ダルトン役)
この度、チャーリーことチャールズ・ダルトン役を演じさせていただくことになりました。大人の圧力に屈しない高校生たちの姿が舞台の上でどのように表現されるのか、とても楽しみです。チャーリーは男らしくて熱い男の子で、自分が憧れる人物像でもあるので、演じられることが嬉しいです。お客さんの目から、耳から、チャーリーを感じてもらえるように精一杯がんばります!
舞台『いまを生きる』は、10月5日(金)から10月24日(水)まで東京・新国立劇場 中劇場にて上演される。チケットは、8月5日(日)10:00より一般発売開始。
【あらすじ】
1959年、バーモントの全寮制学院ウェルトン・アカデミーの新学期に、同校のOBである英語教師ジョン・キーティング(佐藤)が赴任してきた。ノーラン校長(大和田)の指導の下、厳格な規則に縛られている学生たちに、キーティングは「教科書なんか破り捨てろ」と言い放ち、詩の本当の素晴らしさ、生きることの素晴らしさについて教えようとする。
キーティングの風変わりな授業に最初は戸惑う生徒たちだったが、次第に行動力を刺激され、新鮮な考えや、規則や親の期待に縛られない自由な生き方に目覚めていくのだった。
ある日、生徒のニール(宮近)は学校の古い学生年鑑を読み、キーティングが学生時代に「Dead Poets Society(死せる詩人の会)」というクラブを作っていたことを知る。ニールは、転校生のトッド(永田)や同級生らと共に、近くの洞窟でクラブを再開させる。彼らは自らを語り合うことで、自分がやりたいものは何かを自覚していくのだった。
そんななか、ニールは俳優を志して『真夏の夜の夢』の舞台に立つことを決心するが、父親からは舞台に立つことを反対されてしまう。そして・・・。
【公式HP】http://www.ima-iki2018.jp/