2018年5月4日（金・祝）に、ミュージカル『青春-AOHARU-鉄道』3～延伸するは我にあり～の運行が開始された（開幕）。原作は、青春（あおはる）による鉄道トリビアコメディ漫画「青春鉄道（あおはるてつどう）」（KADOKAWA／コミックウォーカー連載中）。2015年11月に第1弾、2016年11月に第2弾が上演され、今回で3度目のミュージカル化となる。初日前には試験走行（公開ゲネプロ）と囲み会見が行われ、永山たかし、KIMERU、郷本直也、高崎翔太、田中涼星、そして日替わりゲストの木戸邑弥が登壇した。
3作通して東海道新幹線役を演じる永山は、久しぶりの「鉄ミュ」の始動に「約1年半かけて、繋がったなと。今日、新しい一歩を踏み出せることを嬉しく思っています。また未来に繋げていける公演にしていけたら」と挨拶。
自身の演じる東海道新幹線については、「とにかく、僕（東海道新幹線）が一番稼いでいますので、一番偉そうにしています（笑）。それは変わりません。今回もジュニア（東海道本線役の鯨井康介）との“あるシーン”がありますので、そちらもお楽しみに」とチラリ。
第1弾、第2弾で演じた西武池袋線役に加え、本作では銀座線役、常磐線役と3役を務めるKIMERUは、「やっと第3弾ができる」と実現を喜びながら、「今回、東京は円形、地方はフラットな舞台で、見せ方も違いますし、ゲストによって内容が変わることになっています」と内容に触れた。
また、「銀座線も、常磐線も、西武池袋線も、ちょっと重いぐらい、愛に溢れている役です（笑）。銀座線に関しては、東京地下鉄道の一番古い路線ということで“メトロの帝王”として君臨したいなと思っています。常磐線は、メガネのキャラクターの千代田線（神里優希・秋田新幹線と兼任）を愛しています。ちょっとおせっかいなんですけど、元気いっぱいにやれたらなと。そして、西武池袋線。公演によってだいぶ出番に差があるんですが、出る時は、会長を愛し、西武グループを愛し、がんばりたいと思います」とそれぞれの路線に“愛”たっぷり。ちなみに、永山曰く「どの役もKIMERUカラーは消えていません」とのこと。
そして、2作目には声と肖像画のみの出演だった高崎線役の郷本は「第1弾ぶりに戻ってきたら、カンパニーの空気が一段と深くファミリー感が出ていたので、置いてけぼりをくらうかな？と思ったんですが、そんなこともなく･･･（笑）」となじみまくりの様子。
国鉄の中でも古い路線でありながら、上からも下からもイジられ板挟みになりがちな高崎線。中でも、縁の深い宇都宮線（稲垣成弥）とのエピソードが本作では深く描かれているそうで「そのエピソードの中では、宇都宮線とのぶつかり合い、高崎線の本心などが大きく描かれているので、なぜ高崎線はこうなったのか、なぜ宇都宮線はこうなったのか、分かりやすくなっているんじゃないかなと。ほかの路線に関してもですが、今回は真面目なシーンも多いので、物語としてすごく深く入っていけるんじゃないかなと思っています」と語った。
前作に続き信越線と東武東上線の2役を演じる高崎は、「信越線はショタコン、東上線はおじさん好きということで！役作りの振り分けは諦めて、楽しく演じていきたいと思います。あたたかい目で観てください（笑）」と苦笑い。また、信越線が愛してやまなかった長野新幹線役の板垣李光人の成長については「身長が大きくなってきまして･･･（KIMERUを越えたかもしれないそう）。ちょっと泣きたい気持ちもありますが、でもやっぱりかわいさは変わらず。愛でていきたいと思っています」。
そして今回、兵庫・神戸公演に加え新潟・長岡公演があることを挙げ、「僕と涼星は地元。新潟出身は高橋克実さんだけじゃないぞというところを見せていきたいですね（笑）。がんばっていきましょう！」と気合いを入れた。
上越新幹線役であり、高崎と同じく新潟出身の田中は「翔太くんが言ってくれたように、たくさん方のお力添えがあって、新潟での公演が実現できたことがすごく嬉しいです。新潟背負ってやってます！･･･言うのは勝手なんですけど、そういう心持ちでやっています」とニッコリ。
役づくりについて「“新潟の星”上越新幹線は、見ての通りラフなスタイルなので（笑）。今回も、前回と同様に脱いだりもしているんですが、いろんな路線が加わったことによって、ダダをこねたり、甘えたり、部下をイジったりするシーンも増えました。時に男らしく、時にちょっと子どもっぽい姿が魅力かなと思うので、母性本能をくすぐるように演じられたら」と“狙い”の発言をしつつ、「直也さんが帰ってきて絡むシーンが増えたり、前回絡みのなかった路線とのシーンできたりと、僕はそれがすごく楽しいです。お客様に早く観てほしいなという気持ちなので、ぜひ足を運んでいただきたいです」と呼びかけた。
そして、日替わりゲストとして山手線を演じる木戸は「とうとう第3弾までやってきたなという感じで･･･」とボケて見せ、周囲からは「初めてでしょ！」と総ツッコミを受けながら、「ゲストとして出演させていただくシーン以外を観ていて、本当にいい作品だな、早くお客さんに会いたいなと思いました。皆さんが繋げてきた作品が、この後も続いていくように、僕も精一杯がんばりたいと思います。山手線を演じるゲストは何人かいるんですが、皆でがんばって、山手線をレギュラーメンバーにしたいです」と意気込んだ。
また、KIMERUは第1弾、第2弾で山陽新幹線役を演じた滝川英治から、LINEで「ぶちかましてこい！」というメッセージをもらったことを明かし、「この思いも背負って、繋げていかなければと思っています」とコメント。
最後に、永山は「皆さんは、劇場に来る際、何線に乗って来られるですかね？乗客（観客）の皆様には、電車に乗って来る喜びみたいなものもあるんじゃないかなと･･･。また、今回は特に、電車の歴史を伝える作品になっています。そういう意味でも、皆様を牽引していければなと思っております」とメッセージを送った。
脚本・演出・作詞を手掛けた川尻恵太が生み出す絶妙な“テンポ感”は、これぞ「鉄ミュ」。京浜東北線役・高橋優太の振り切れっぷりは増しているし、第1弾から帰ってきたりんかい線役・山本一慶は、登場するだけでもうズルい。山本は、初登場となる山形新幹線役も兼ねており、そのギャップもまたおもしろい。また前回、北陸新幹線役で強烈なインパクトを残した渡辺コウジは、横須賀線役、丸ノ内線役としても炸裂していた。
各地ゲストは、試験走行（公開ゲネプロ）では東北新幹線役の石渡真修が登場。このほか、東京＆神戸公演には長野新幹線・上越線役として板垣李光人、新潟公演には秩父鉄道役の森山栄治が出演する。山手線の日替わりゲストは、東京公演に木戸のほか兼崎健太郎、桑野晃輔、神戸公演に安川純平、新潟公演に赤澤燈となっている。
ドタバタな鉄道たちの関係性や日常に加え、日本の鉄道の黎明期とも言える時代背景までを描いた本作。第1弾、第2弾とはまた少し違った趣で、「鉄ミュ」はまた、未来へと走り出した。
ミュージカル『青春-AOHARU-鉄道』3～延伸するは我にあり～は、5月4日（金・祝）から5月13日（日）まで東京・品川プリンスホテル クラブeXにて運行（上演）。その後、神戸、新潟へと出発する。
【東京公演】5月4日（金・祝）～5月13日（日） 品川プリンスホテル クラブeX
【神戸公演】5月18日（金）・5月19日（土） 新神戸オリエンタル劇場
【新潟公演】5月25日（金）・5月26日（土） 長岡リリックホール シアター
なお、本作のBlue-ray＆DVDが、9月7日（金）に発売されることが決定した。詳細は、以下のとおり。
◆ミュージカル『青春-AOHARU-鉄道』3～延伸するは我にあり～Blue-ray＆DVD
【発売日】2018年9月7日（金）
【価格】Blue-ray：9,800円＋税、DVD：8,800円＋税
【仕様】2枚組／本編130分＋特典映像（予定）
【特典内容】
特典映像：稽古場、公演舞台裏などのバックステージ映像 ※変更となる場合あり
封入特典：ブックレット
会場予約特典：DVDイベント（会場にて予約後、都内近郊で行うイベントに購入者全員当選）
【アニメイト予約特典】オリジナルA3クリアポスター
※公演会場以外のアニメイト店舗での予約者も対象
【公式HP】http://www.marv.jp/special/aoharutetsudou/
【公式ブログ】http://aoharumusical.jugem.jp/
【公式Twitter】@aoharu_musical
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(C)ミュージカル『青春鉄道』製作委員会
（取材・文・撮影／エンタステージ編集部）
