石原さとみの主演舞台『密やかな結晶』が、2018年2月2日(金)に東京・東京芸術劇場 プレイハウスにて開幕した。本作は、「博士の愛した数式」などで知られる小川洋子の同名小説を鄭義信の脚本・演出で舞台化したもの。石原の舞台出演は、約4年ぶり。
石原は、小川作品の舞台化を熱望、さらに、鄭の演出作品への出演をかねてからの希望していたことから、今回の座組みが実現したという。
物語の舞台は、海に囲まれた孤島。花、鳥、本といった物の記憶が一つずつ消滅していくという不条理な世界に生きる人々を描いている、石原は小説家役、小説家の世話をする「おじいさん」と呼ばれる若者役は村上虹郎、編集者役は鈴木浩介が務めている。
石原演じる小説家は、記憶が消えない編集者R氏(鈴木)を秘密警察の迫害から守る役どころ。テレビドラマの元気な役のイメージとは違い、今回の舞台では、凛として知的な雰囲気の大人の女性を演じている。記憶の消滅という、心が衰弱していく様を実に繊細な感情表現で魅せ、クライマックスでは、物の記憶の消滅が手足にも及び、それでも不条理な現実に立ち向かおうとする強い想いが客席に響き渡るようだった。
歌やダンス、殺陣もあり、緩急のある中、小説家とおじいさんや編集者が、記憶や心について語る台詞の美しさが印象に残る。
開幕にあたり、石原、村上、鈴木からコメントが届いている。
◆石原さとみ
あっという間の稽古でしたが、鄭さんの演出はとてもとても学びがあり、驚きと発見の毎日でした。4年ぶりの舞台なので本番に向けてのこの緊張や不安、浮き足立つワクワクに懐かしさを感じます。自ら選ばせていただいた原作、ご一緒できることを切に願っていた鄭義信さん演出の独特でスピーディで心が騒がしくて温かくて切ない世界をお客様と一緒に楽しめたらと思います。心から劇場でお待ちしています。
◆村上虹郎
本番が始まる今日ここから、もっと愉しくなりそうな予感がぷんぷんしてます。笑いに、踊りに、歌に、盛りだくさんです。ぜひ、劇場で体感してください。
◆鈴木浩介
これまでの稽古の積み重ねを信じて、スタッフ・キャスト一丸となり、この舞台に臨みたいと思っております。皆様に劇場でお会いできることを楽しみにしています。
このほかの出演は、藤原季節、山田ジェームス武、福山康平、風間由次郎、江戸川萬時、益山寛司、キキ花香、山村涼子、山内圭哉、ベンガル。
舞台『密やかな結晶』は、2月25日(日)まで東京・東京芸術劇場 プレイハウスにて上演。その後、富山・大阪・福岡を巡演する。日程の詳細は、以下のとおり。
【東京公演】2月2日(金)~2月5日(日) 東京芸術劇場 プレイハウス
【富山公演】3月3日(土)・3月4日(日) 富山県民会館
【大阪公演】3月8日(木)~3月11日(日) 新歌舞伎座
【福岡・久留米公演】3月17日(土)・3月18日(日) 久留米シティプラザ ザ・グランドホール
【公式HP】http://hisoyaka.com/
【公式twitter】@hisoyaka2018
(文・写真/オフィシャル提供、編集/エンタステージ編集部)