串田和美と加藤拓也のタッグで舞台『博士の愛した数式』上演へ

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2023年2月に長野・松本と東京で、舞台『博士の愛した数式』 の上演が決定した。本作は、小川洋子が2003年に発表し、第1回本屋大賞を受賞したミリオンセラー作品を舞台化するもの。交通事故による脳の損傷をきっかけに、記憶が80分しか持続しなくなってしまった元数学者の「博士」と、彼の新しい家政婦である「私」とその息子の、ぎこちないながらも驚きと歓びに満ちた日々を美しい数式と共に描いた悲しくも温かな奇跡の愛の物語を描く。

「博士」役を演じるのは、今年80歳を迎えた俳優・演出家・舞台美術家の串田和美。串田は、2003年4月よりまつもと市民芸術館館長兼芸術監督に就任(2008年から芸術監督、2021年より総監督)。まつもと市民芸術館において、串田は『信州・まつもと大歌舞伎』『空中キャバレー』『K.テンペスト』など、劇場を自由自在に使いこなす演出や地域を巻き込んだ “松本ならでは”の事業を次々と実現してきた。なお、本公演の企画制作はまつもと市民芸術館が担当している。

「博士」の元へ家政婦として派遣される「私」役には安藤聖、「私」の息子「ルート」役には井上小百合、「未亡人」役は増子倭文江に決定。このほか、近藤隼、草光純太らが出演する。

脚本・演出を手掛けるのは、「劇団た組」の加藤拓也。加藤は、2015年に「劇団た組」で『博士の愛した数式』を上演している。串田と「一緒に演劇をやりたい」と熱烈アプローチした加藤の縁から、再び本作に上演が実現することになった。なお、今回の『博士の愛した数式』は劇団た組が上演したものとは異なるバージョンとなる。

『博士の愛した数式』は、2023年2月11日(土)から2月16日(木)まで長野・まつもと市民芸術館小ホール、2月19日(日)から2月26日(日)まで東京・東京芸術劇場 シアターウエストにて上演される。

目次

コメント紹介

◆串田和美(「博士」役)

この小説を読んだ時、何故だか分からないけど、わぁ、この役をやってみたいなぁ。と、思ったのが最初の印象です。僕はずっと「記憶」と言う物に興味があって、記憶がなくなるって、どういうことなんだろうなぁと。
そしたら、加藤くんもこの作品が好きで、やったことがあるって聞いて、だったら、いつか一緒にやりたいねって話して・・・それがこうして実現して嬉しいです。
まだ若かった加藤くんがいきなり僕に電話をくれて、それなら会わなきゃ行けないねって、吉祥寺で待ち合わせをしました。そこには、かわいらしい顔の男の子が立っていて「あれ?君が加藤くん?」と(笑)。それが加藤くんとの始まりでした。それからたくさん話をして、そして一緒に仕事をしました。ワークショップで松本に来てくれた時、加藤くんが「串田さんが松本に居るの分かる気がする」と、松本を好きになってくれました。そんな加藤くんと、松本でどんな稽古になるのか、どんな舞台になるのか、今からとてもワクワクしています!

◆加藤拓也(脚本・演出)

串田さんと初めて会ったのは吉祥寺の喫茶店でした。喫茶店が開店したばかりの、僕と串田さんの二人とマスターしか居ない静かな場所で、静かに話をしました。あまりに年齢の離れた僕に、少し照れているような仕草で僕を見つめる優しい眼差しが印象的でした。演劇を一緒にやりたいんですけれどというお誘いが直接的過ぎたのかもしれません。それから僕は串田さんに一緒に演劇をすることになりました。大量の台詞とバットで殴られ体を半分に折って冷蔵庫に詰められるというアクション付きです。とても大変な役回りでしたが、公演が終わる度にニコニコしながら演劇が楽しいんだと言っていました。はっきりと覚えています。僕はこの人のことが好きになりました!
『博士の愛した数式』は数年前に一度上演しました。小川洋子さんの柔らかな言葉と、思いがけない毒と、この小説のことが好きだったからです。水面に波を立てないように手を入れ、底から血液を拾う、そんな言葉達が好きになりました。そんな話を稽古中に串田さんにすると、串田さんもこの小説が好きだと言っていました。その時にもう一度やりたいと思いました。串田さんを博士で、串田さんと初めて会った時の、あの少し照れているような仕草と眼差しが博士なんだと思ったのです。そして演奏は谷川さんにお願いしました。俳優を見ながら音楽を作る、そして小川洋子さんの言葉に寄り添える人はこの人しか居ないと思ったからです。
この作品を上演できることが本当に嬉しいです。ぜひ観に来てください。

『博士の愛した数式』公演情報

上演スケジュール

【松本公演】2023年2月11日(土)~2月16日(木) まつもと市民芸術館小ホール
【東京公演】2023年2月19日(日)~2月26日(日) 東京芸術劇場シアターウエスト

上演スケジュール

スタッフ・キャスト

【原作】小川洋子「博士の愛した数式」(新潮文庫刊)
【脚本・演出】加藤拓也
【音楽・演奏】谷川正憲(UNCHAIN)

【出演】
串田和美 安藤聖 井上小百合 近藤隼 草光純太 増子倭文江

あらすじ

「ぼくの記憶は80分しかもたない」博士の背広の袖には、
そう書かれた古びたメモが留められていた――。
主人公である「私」は、ある初老の男性「博士」の元へ家政婦として派遣される。「博士」とは、交通事故の後遺症で記憶が80分しかもたない元大学教師の数学博士。彼の「私」への第一声は「君の靴のサイズはいくつかね?」だった。数字で物を語る博士に、初めは戸惑う「私」だが、やがて安らぎを見出していく。

ある日、「私」に10歳の息子がいることを知った「博士」は、一人で留守番している息子を、 学校が終わったら「博士」の家に向かわせるようにと「私」に告げる。「博士」は、息子の頭がルート記号のように平らだったことから、息子を「ルート」と名付けた。

こうして「博士」と「私」、そして「ルート」との、やさしく、穏やかな生活が始まった――。

公式サイト

【公式サイト】https://www.mpac.jp/event/38370/



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