ミステリーとダンスのコラボに目が離せない!舞台『200億の客船』公演レポート

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2018年1月17日(水)に、舞台『200億の客船』が東京・吉祥寺シアターにて開幕した。本作は、舞台の「最初から最後まで、万人に楽しんでもらう」ことをコンセプトに結成されたプレイユニットA→XYZの第3回公演。「ミステリー×ダンス」というエンターテインメントを打ち出した本作の、ゲネプロを取材した。

(以下、物語の一部に触れています)

物語の舞台は、オーストラリアへの出航を控える豪華客船「フェニックス」。保険会社社員の野島悟(鯨井康介)は、優秀な保険レディたちの接待のため、クルーズへ参加。歓待されるが、ツアーコンダクターの助手・渚浩一(小谷嘉一)はド新人と、少し不安がよぎる。次々と訪れるツアー客に続いて、数日前に雇われたばかりという甲板員の市橋和斗(葉山昴)が乗船。どこか不穏な空気が流れる中、「フェニックス」は大海原へと漕ぎ出す。

舞台『200億の客船』舞台写真_2

船には乗客のほか、エンターテインメントを担当する日向洋(長濱慎)が管理するいくつかのダンスチームが乗り込んでいた。大きな夢を抱くダンサーたちだったが、どうやら問題を抱えている様子。そして、乗客たちもなにかと訳ありの様子。さらに、船の中では次々と事件が起き、船員たちも不安を隠せない。どうやら、巷では「この船は沈む」という噂がささやかれていたようで―。

舞台『200億の客船』舞台写真_9

劇場に足を踏み入れると、吉祥寺シアターという空間を活かしたセットが組まれており、スケールの大きな世界が広がっていた。客席に座れば、まるで自分も乗客の一人であるかのような臨場感が味わえる。また、物語の主軸となるミステリー要素と人間ドラマが、あちこちに散りばめられており、次々と明らかになってくる事実に、目の離せない展開が続く。

登場人物がとても多いが、この人、あやしい?!と、全員揃いも揃って裏のある気配がぷんぷんする。台詞のない時の行動や表情、ゴクリと息を呑む喉元の動き、額をつたう汗、役者の一挙手一投足・・・ぜひ、表面に見えていること以上のものを感じ取ってほしい。

舞台『200億の客船』舞台写真_8

そして、本作の見どころの一つとなっているダンスシーンは、華やかで“豪華客船”ならではのエンターテインメントに仕上がっている。本作に参加している7名のダンサーのほとんどが俳優初挑戦だという。演技で見せる初々しさと、迫力あるダンスシーンで見せる表情のギャップは、夢を目指す少女たちの等身大の姿を感じさせる。

舞台『200億の客船』舞台写真_3

ゲネプロ終了後、主演の葉山、鯨井、長濱、小谷に話を聞いた。葉山は「稽古は順調だったんですが、実際に劇場に入ってから試行錯誤しました。ゲネプロでうまくハマった感じなので、いい本番が迎えられそうです」と、手応えを語った。

舞台『200億の客船』舞台写真_5

鯨井は、本作の見どころについて「ダンサーの方も多く出演していただいていまして、ミステリー作品ですが、広い意味での“エンターテインメント”になっていると思います。ぜひ、気軽に舞台を楽しんでいただけたらなと」とアピール。ちなみに、鯨井はゲネプロ当日の朝、自宅の鍵をなくしたと勘違いして慌てたり、場当たりで人の名前がしっかり言えなかったりと“うっかり”を連発してしまったそうだが、ひとたび演技に入れば、細かいところまで行き届いたさすがの芝居を見せてくれた。

舞台『200億の客船』舞台写真_11

なお、本作は「“生きる”ということをテーマにしています」と長濱。「この舞台を観て、“生きる”とはどういうことなんだろう?と考えていただけたらと思いますし、僕たちが今日常では感じられない“生きる”という究極を感じてもらえたらと思います」と続けた。また、長濱の役はエンターテインメント担当ということもあり、ダンサーに交じりダンスを披露するシーンも。「誰よりも楽しんでいるので、そこにも注目してください!」という長濱のダンスに注目だ。

舞台『200億の客船』舞台写真_7

そして小谷は、自身も含め「登場人物すべてに、事件を起こそうとしているんじゃないか?というフラグが立つと思うので、最後まで一瞬も目が離せません!ぜひ、皆さんも推理をしながら、客席で一緒に楽しんでいただけたら嬉しいです」とコメントを寄せた。

最後に、葉山は「一度観て犯人が分かった状態でもう一度観ると、僕らが裏芝居で何をやっているのか、気づいていただけることも多いかも。そういう細かいところまで観ていただけたら嬉しいです。それから、この作品が今年の初観劇になる方もいらっしゃると思いますので、2018年一発目にこの作品を観てよかった!と思っていただけるようにがんばります。楽しみにしていてください」と意気込んだ。

舞台『200億の客船』舞台写真_4

このほかの出演は、YuuriShiba、yuribo、彩羽、富田玲奈、谷知恵、末岡いずみ、安谷屋祐子、佐藤礼菜、松村遼、安田俊、寺田浩子、井吹カケル、すわいつ郎、村井美和、KAN、R1kuto、TsuKina、chan-fuh、相川日菜子、中村高華、水希友香、前野恵、小磯勝弥。企画プロデュース・脚本は菊池誠、演出は安藤亮司(ウルトラマンション)が手掛けている。

プレイユニットA→XYZ第3回公演『200億の客船』は、1月21日(日)まで東京・吉祥寺シアターにて上演。

なお、本公演は「東京カンカンブラザーズ&プレイユニットA→XYZ コラボ公演」の一部となっており、本作に続いて、1月24日(水)から1月28日(日)にかけて東京カンカンブラザーズ VOL.15『ラブ・シャーク』を上演する。

舞台『200億の客船』舞台写真_10

(取材・文・撮影/エンタステージ編集部)

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