吉田鋼太郎&藤原竜也が蜷川幸雄の魂を受け継ぐ!舞台『アテネのタイモン』開幕

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蜷川幸雄氏が、1998年からシェイクスピア全37作品の上演を目指して始めた彩の国シェイクスピア・シリーズ。その第33弾となる『アテネのタイモン』が、2017年12月15日(金)に埼玉・さいたま芸術劇場 大ホールにて開幕した。ゲネプロの舞台写真と共に、演出と主人公タイモン役を務める吉田鋼太郎と、アペマンタス役の藤原竜也のコメントを紹介する。

『アテネのタイモン』舞台写真_3

蜷川氏がやり残した作品は『アテネのタイモン』『ジョン王』『ヘンリー五世』『ヘンリー八世』『終わりよければすべてよし』の5作品。今後、同シリーズの2代目芸術監督に就任した吉田が、残りの5作を演出していく。今回は、その第一作となる。出演は、吉田、藤原のほか、柿澤勇人、横田栄司、大石継太、間宮啓行、谷田歩、河内大和、など。

『アテネのタイモン』舞台写真_2

【あらすじ】
アテネの貴族タイモン(吉田)は執事フレヴィアス(横田)の助言、 哲学者アペマンタス(藤原)の皮肉を無視し、誰にも気前よく金品を与え、ついに破産。友人たちが自分の金目当てだったことが分かり、すっかり人間不信に陥る。森に引きこもるタイモンは、復讐のためにアテネを滅ぼそうと蜂起した武将アルシバイアティーズ(柿澤)に掘り当てた金を与えるが・・・。

吉田は、ほぼ舞台に出ずっぱり。前半はアテネで豪華絢爛な暮らしをする大富豪を演じ、 後半は打って変わって、森の洞窟で暮らす世捨て人を演じる。前半の見どころは、終盤、友人に裏切られたタイモンが、復讐のために友人たちを食事に招き、テーブルをひっくり返すなどの大暴れをするシーン。半狂乱のタイモンに友人たちは恐れおののき、逃げ回る。

『アテネのタイモン』舞台写真_5

後半では、舞台上でタイモンとアペマンタスが15分間にわたり、二人きりで互いを罵り合う。吉田と藤原、日本有数のシェイクスピア俳優が真っ向から対決する姿は、すさまじい。上演時間は、2時間45分を予定(一幕 1時間20分/休憩20分/二幕 1時間5分)。

以下、吉田と藤原のコメントを紹介する。

◆吉田鋼太郎(演出、タイモン役)
蜷川さんのライフワークだった彩の国シェイクスピア・シリーズの芸術監督を引き継ぐことは責任重大で、大きなプレッシャーはありますが、藤原竜也、横田栄司など、蜷川さんの意思を継ぐ俳優と共に、全身全霊で稽古をしてきました。素晴らしい作品になっていますので、ぜひ劇場に足を運んでください。
蜷川さんの晩年、稽古場で蜷川さんが酸素ボンベをつけながら、最後の力を振り絞って稽古をつけてくださった姿が、今も頭から離れません。晩年、蜷川さんは「言葉」を最も大切にしていらしたので、それを引き継いでいきたいです。蜷川さんは、自分にとって恩師でもありますが、最終的にはお父さんだと思っています。亡くなられて、本当に残念です。
シェイクスピア作品の主役を務めることは、数ある芝居のなかでも最も大変なことです。 主役を演じるだけでも十分大変なのですが、今回は演出もやらなければいけない。
泣き言は言わずにがんばらねばなりませんが、本当に大変は大変です(笑)。
藤原竜也と演出家として相対するのは今回が初めてです。 稽古初日から、彼が稽古場に持ってくるやる気とパワーに圧倒されました。改めて、彼は本当に素晴らしい俳優だと感じています。

◆藤原竜也(アペマンタス役)
吉田鋼太郎さんの演出は、蜷川さんの意思を見事に継いでいて本当に素晴らしいです。蜷川さんはきっと「鋼太郎、ありがとう」って言ってくれると思います。僕は今回、鋼太郎さん演じるタイモンに噛みついていく役ですが、普段から多くの先輩方に失礼なことばかりしているので、僕の性格に合っている役かもしれません(笑)。鋼太郎さんとの間に、深いものを醸し出せればいいと思います。蜷川さんのためにも、とにかく吉田鋼太郎さんを支えて、 一生懸命やるだけです。感動的な舞台になっていますので、多くのお客様に観ていただければと思います。

彩の国シェイクスピア・シリーズ第33弾『アテネのタイモン』は、12月15日(金)から12月29日(金)まで埼玉・彩の国さいたま芸術劇場 大ホールにて上演。

『アテネのタイモン』舞台写真_4

(取材・文/オフィシャル提供、編集/エンタステージ編集部)
(撮影/渡部孝弘)

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