市川海老蔵特別公演『源氏物語 第二章～朧月夜より須磨・明石まで～』が、2018年3月1日（木）神奈川・カルッツかわさき（川崎市スポーツ・文化総合センター）での公演を皮切りに、23都市にて上演される。本作の製作発表が、2017年11月10日（金）都内にて行われ、主演を務める市川海老蔵が登壇し、構想を語った。
“日本最古のラブストーリー”紫式部の『源氏物語』を、歌舞伎×オペラ×能楽という想像を超えたコラボレーションで描いた市川海老蔵特別公演『源氏物語』。その第一章は2015年3月に上演され、全国公演で約7万3千人を動員した。そして月日は流れ、2018年。満を持してその続編が上演される。
歌舞伎、オペラ、能楽という異なるジャンルのエンターテインメントが本作で共存する意味について、海老蔵は「『源氏物語』の光の君を歌舞伎役者として演じるのは市川海老蔵なのですが、彼の周りで起きるドラマ･･･朧月夜とか須磨、明石といった物語を表現していく上でオペラ歌手の方々に、歌舞伎で例えるなら義太夫として表現してもらいたいと思ったんです。以前共演した（オペラ歌手の）アンソニー・ロス・コスタンツォさんには光の君に対して闇の君を演じていただいたこともありました。今回は彌勒忠史さんほかオペラ歌手の方々に出ていただき、光の君の心情を吐露する役割を果たしてもらおうと思っています。また能の方々には能ならではの表現をしていただきたいです。それをすることでこの作品が非常に格式のあるものになると思っています」と説明した。
また、華やかで艶やかなイメージがある光の君の“心の闇”を表現したいと語る海老蔵。「類まれなる美貌、どの人よりも秀でた才能を持ち、女性に非常にモテるという光の君ですが、自分の母（桐壺更衣）を早くに亡くし、母に瓜二つの藤壺女御に恋をしたが、藤壺女御は父の妻、つまり義母にあたる人。パーフェクトな人から見ればこれは欠陥であり欠落なんです。皆から見れば外見は光り輝いているけど中身には闇を抱えている。作品を考えるうちにこのようなことが多々出てきまして、彼の心の闇を表現することで一層光の部分を輝かせることができるのでは、そしてそれをお客様に伝えることができるかもと思ったんです」と企画意図を語った。
物語の最後に、光源氏が須磨へ向かおうとするところで幕となった第一章。第二章では、光源氏が自ら隠遁しようと移り住んだ須磨・明石が舞台となり、そこで亡き父帝の夢のお告げに従い、明石の君に出会う。前回の公演を観ていない観客にも配慮し、公演の前半は前回の話がわかるよう、朧月夜と光源氏の恋をオペラと歌舞伎で、後半は能と歌舞伎のコラボレーションを軸とした舞台となるとのこと。
今回「『源氏物語』の美しい世界を記憶にも記録にも長く残していただきたい」という海老蔵からの提案で、来場者限定で非売品特製パンフレットが進呈される。能、オペラ、さらには日本舞踊、生け花など日本文化がたっぷり詰まった春にぴったりの舞台をお楽しみに。
市川海老蔵特別公演『源氏物語 第二章～朧月夜より須磨・明石まで～』は、2018年03月01日（木）の神奈川・カルッツかわさきを皮切りに、神奈川、静岡、兵庫、大阪、愛知など23都市を巡演する。日程の詳細は以下のとおり。
【神奈川公演】2018年3月1日（木） カルッツかわさき（川崎市スポーツ・文化総合センター）
【静岡公演】2018年3月2日（金） アクトシティ浜松
【兵庫公演】2018年3月3日（土） 神戸国際会館 こくさいホール
【大阪公演】2018年3月4日（日） フェスティバルホール
【愛知公演】2018年3月6日（火） 名古屋国際会議場 センチュリーホール
【佐賀公演】2018年3月8日（木） 佐賀市文化会館
【山口公演】2018年3月10日（土） 下関市民会館
【広島公演】2018年3月11日（日） ふくやま芸術文化ホール リーデンローズ
【岡山公演】2018年3月12日（月） 倉敷市民会館
【徳島公演】2018年3月13日（火） 鳴門市文化会館
【福井公演】2018年3月17日（土） フェニックス・プラザ
【石川公演】2018年3月19日（月） 本多の森ホール
【長野公演】2018年3月20日（火） まつもと市民芸術館
【山梨公演】2018年3月21日（水） コラニ―文化ホール（山梨県立県民文化ホール）
【東京公演】2018年3月22日（木） オリンパスホール八王子
【埼玉公演】2018年3月24日（土） ソニックシティ
【新潟公演】2018年3月25日（日） 新潟県民会館 大ホール
【宮城公演】2018年3月27日（火） 東京エレクトロンホール宮城
【岩手公演】2018年3月28日（水） 盛岡市民文化ホール 大ホール
【秋田公演】2018年3月29日（木） 秋田県民会館
【北海道公演】2018年3月31日（土） ニトリ文化ホール
【福岡公演】2018年4月3日（火）～4月6日（金） 博多座
【高知公演】2018年4月7日（土） 高知県立県民文化ホール
（取材・文・撮影／エンタステージ編集部）
