古屋兎丸の漫画「帝一の國」(集英社)を原作とした舞台「【第二章】學蘭歌劇『帝一の國』-決戦のマイムマイム-」の公開ゲネプロが2015年7月12日(日)に行われ、唄あり、踊りあり、土下座ありと超ハイテンションなステージで観客を大いに魅了した。本作は2014年4月に上演された「學蘭歌劇 『帝一の國』」の続編。第一章から引き続き、海帝高校の生徒会長を目指す主人公・赤場帝一役に木村了、帝一のライバル的存在・大鷹弾役を入江甚儀、帝一の右腕となる榊原光明役を三津谷亮が演じている。
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本作は血で血を洗う学園政権闘争歌劇。超名門高校「海帝高校」の生徒会長になった者は、日本一の国立大学・東都大学への入学や政界で最も影響力を持つ派閥に入ることができるなど、栄光の未来が約束されていた。「将来は総理大臣になり自分の国を作る」そんな野望を抱える赤場帝一も生徒会長の座を狙うひとり。第二章では氷室ローランドvs森園億人の会長選挙を中心に、禅譲を目論む帝一の見事なまでのご機嫌取りが冴え渡る。果たして帝一は氷室と森園、どちらの派閥の犬となり、誰が会長の座に座るのか!?今回はそんな舞台の様子を少し紹介しよう。
まず、開演前にダンス・カンパニー「コンドルズ」のメンバーで本作演出家の小林顕作が舞台に上がり「ロックフェスだと思って、盛り上がってください!」と前説を披露。
全海帝高校キャストによる熱唱(「Let me fly」作詞作曲:小林顕作)からスタート。観客の期待感が一気に高まると、主要キャスト以外のモブキャラを演じるオールラウンダーズによる人形劇で、第一章からつながる物語の背景をコミカルに表現。その後、それぞれのソロの歌や踊りが物語と共に歯切りよく繰り広げられる。物語の軸となる赤場帝一は仲間の裏切りに身を悶えたり、はたまた仲間を裏切ったり、敵対する派閥の話し合いを盗聴したり、お爺さんに扮したり、土下座したり、先輩の靴を舐めたり/舐めさせたりととにかく大忙し。
他にも帝一のおさななじみでヒロインの白鳥美美子役を演じる乃木坂46・井上小百合(乃木坂46・樋口日奈とのWキャスト)のキュートなソロパートがあるほか、大鷹弾役の入江甚儀はギターをかき鳴らしバラードを歌い上げる。
途中、キャストを含め誰もが予想不可能なアドリブ満載のシーンがあったかと思うと、ラストは予想を遥かに超える感動のエンディングが…。果たして帝一の死に物狂いの根回しは実を結ぶのか!?見るものを全く飽きさせない何でもありの2時間30分(途中休憩あり)だ。
「【第二章】學蘭歌劇『帝一の國』-決戦のマイムマイム-」は、2015年7月20日(月)までAiiA 2.5 Theater Tokyoにて。25日、26日(土、日)には大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにて上演される。
(C)古屋兎丸/集英社