2017年8月31日(木)に東京・天王洲 銀河劇場にて舞台『メサイア ―悠久乃刻―』が開幕した。井澤勇貴が演じる有賀涼と杉江大志が演じる加々美いつきの“卒業ミッション”を中心に描く本作。初日前には公開ゲネプロと囲み会見が行われ、井澤、杉江をはじめ、雛森千寿役の山本一慶、御池万夜役の長江崚行、柚木小太郎役の山沖勇輝、小暮洵役の橋本真一が登壇し、意気込みを語った。
シリーズ4作目の出演で、“卒業ミッション”を迎える井澤は「ついにこの日がきたか、と・・・」と噛みしめながら、「殺陣の多い作品なので、怪我のないよう、最後の最後まで皆で完走できたらと思います」と挨拶。また、自身にとっての舞台出演が2月に上演されたシリーズ前作『―暁乃刻―』以来ということもあり「個人的に、アクションをしながら芝居をして駆け抜けて、というのが久しぶりに感じて」と言いつつ、「大変さはありましたが、皆でやり遂げた上で初日というスタートラインに立てているので、すごく楽しみです」と期待感を露わにした。
続いて、井澤と共に本作で“卒業ミッション”に挑む杉江は「いよいよ来たな、という感じなんですが、あまりたぎらせ過ぎずに、冷静に、静かに闘志を燃やしていけたらと思います」と意気込んだ。今回の物語については「僕の演じる加々美は、(本作の中で)苦しい思いをしています。それを“杉江大志”としてそれを受け止めるのに苦労もありましたが、演出の西森(秀行)さんと深く話し合いながら、そして、皆さんの力を借りながら、ここまで来ることができたなと思います」。
山本は、本作登場する「サクラ候補生」として加わる。「雛森千寿です、新キャラクターなので、早く覚えてもらわないと(笑)。雛森千寿です!」と“雛森千寿”を連呼し、場を和ませながら「『メサイア』という作品のことは、以前からずっと知っていて、(出演機会が)来ないかな来ないかなと思っていたんですが、やっとオファーをいただくことができました。新しいキャラクターということで、今まで出演された皆さんの後を追っていけるように、そして、新しい色を出していけたらと思っています」と微笑んだ。
前作『―暁乃刻―』から登場した3人の「サクラ候補生」を演じる長江、山沖、橋本の3名は、“卒業”する先輩を見送る立場として「先輩二人が駆け抜けてきた道をしっかりと歩み、その背中を支えていけたらと思います」(長江)、「メサイアは、一人一人に主役級のストーリーがついていますので、そこを観ていただくと同時に、卒業するお二人の道標を僕らで作っていきたいです」(山沖)、「卒業する方、今回が入ってくる方、そして僕ら『―暁乃刻―』に続いて参加する人、それぞれのいろんなドラマが交錯しているので、それを全員で積み上げていけたら」(橋本)とそれぞれコメント。
また、役作りについて聞かれると、井澤は「今回初めて知る部分もあり、それを知っていたら、前3作ではどういう芝居をしていたかな、とも思います。でもそれは、もちろん気づいていた部分でもあって。有賀は、冷徹な殺戮マシーンのように生きてきたんですが、徐々に人間味が増して、今回の作品で『人間になれた』と改めて思いましたね」と気づきを語った。
役としての“成長”を口にした杉江は「加々美として、いろんなことに対して『ありがとう』って思えるようになったなと、今回の作品で思いました。それを作品の中で僕がどのように表現しているのか、楽しみに観ていただけたらと思います」と含みを持たせた。
長江も、役が描かれる過程での変化を感じているようで「御池の根底にあるものは変わらずなんですが、サクラ候補生になってからの時間を経て、少し柔らかくなり少し親近感のあるキャラクターになったかなと感じています」と明かす。
一方、「まだまだ役の新しさを見つけていきたい」と言った山沖。「前回より、周りを見られるようになり、反応できることも増えました。今回のストーリーを通して、見えてくるものもあると思います。それを、お客様にもいろんなところでいろんな解釈をしていただきたいです!」と、呼びかけていた。
橋本は「前作は“こういうキャラクターです”という提示のような形だったと思いますが、僕らの物語も動き出した感じがあります。小暮は、『―暁乃刻―』の時は周囲との関係をシャットダウンしている印象がすごく強かったんですけど、今回は、小暮にとって良くも悪くも、人に対してのベクトルが向くようになった部分が大きいです。それが今後、どういう展開になっていくのかは、自分自身楽しみでもあります」と分析していた。
そして、注目の新キャラクターとして、山本は「サクラ桜候補生の中でもちょっと異質な存在」と語り、「自由度の高いキャラクターと言いますか、任せてもらえる範囲の大きなキャラクターだったので、いろいろな方向に作っていけるという部分で大変さもありましたが、楽しさもありましたね。異質さを魅力にして、他のメンバーにどう影響を与え、かき乱していくのかをぜひ楽しんでいただきたいです」とアピール。
最後に改めて、井澤は「何の心配もしていません。自分を信じ、周りの役者を信じ、裏で支えてくださるスタッフの皆さんを信じて、皆で一丸となってがんばりますので、ぜひとも最後までよろしくお願いいたします」、杉江は「このシリーズに関わってくださった皆さんに、世代が変わっても『メサイア』というシリーズを応援していただけるように、次に繋がる作品に絶対したいと思っています。後輩たちにしっかりと背中を見せられるように、千秋楽まで駆け抜けたいと思います。最後まで応援よろしくお願いいたします」と力強くメッセージを送り、前を見据えていた。
舞台『メサイア ―悠久乃刻―』は、8月31日(木)から9月10日(日)まで東京・天王洲 銀河劇場にて、9月22日(金)から9月24日(日)まで大阪・サンケイホールブリーゼにて上演。
(C)MESSIAH PROJECT (C)2017 舞台メサイア悠久乃刻製作委員会
(取材・文・撮影/エンタステージ編集部)