紫吹淳「役者魂を震えさせてくれます」クリエ プレミア音楽朗読劇『VOICARION II – GHOST CLUB -』座談会レポート

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2017年8月31日(木)より東京・日比谷シアタークリエにて上演される、クリエ プレミア音楽朗読劇『VOICARION II – GHOST CLUB -』。本作に出演する紫吹淳、春野寿美礼、妃海風、原作・脚本・演出を務める藤沢文翁を迎えた座談会形式の取材会が、8月1日(火)都内にて実施された。

『VOICARION』とは、“藤沢朗読劇”と呼ばれる独自のスタイルを持つ藤沢文翁による原作・脚本・演出のもと、声優界・演劇界の人気実力派キャストが生演奏の音楽とともにストーリーを紡ぐ音楽朗読劇シリーズ。第二弾となる今作では、産業革命が進む19世紀のロンドンを舞台に、「シャーロック・ホームズ 最後の事件」執筆以降スランプとなりホームズの幻影に悩まされる小説家コナン・ドイルと、アメリカが誇る天才奇術家ハリー・フーディーニが「ゴースト・クラブ」としてコンビを組み、デズモンド・クロフト卿の幽霊騒動に挑むサスペンスとなっている。

藤沢文翁_クリエ プレミア音楽朗読劇『VOICARION II - GHOST CLUB -』座談会

座談会ではまず、藤沢が本シリーズについて説明。「『VOICARION』は去年から東宝さんと始めた朗読シリーズで、僕と東宝さんのコラボだからこそ生まれる朗読劇を作ろうという思いで始めたプロジェクトです。なので“声の王様”と呼ぶに相応しい人をキャスティングしていただいています」と語った。

紫吹淳_クリエ プレミア音楽朗読劇『VOICARION II - GHOST CLUB -』座談会

藤沢作品に出演(2012年シアタークリエ『CROSS ROAD~悪魔のヴァイオリニスト ニコロ・パガニーニ~』など)のキャリアがある紫吹は、藤沢の書く戯曲について「藤沢さんはまず英語で書いてから、それを和訳していく作劇スタイルを取っているんです。なので、台本のニュアンスが普通に日本語で書かれたものと少し違うんですよ。藤沢さんの台本にはいつもワクワク感があり、役者魂を震えさせてくれます」と絶賛。

春野寿美礼_クリエ プレミア音楽朗読劇『VOICARION II - GHOST CLUB -』座談会

一方、初の藤沢作品出演となる春野は本作について「自分の想像している朗読劇と違うようで、今からとても楽しみです」と期待を寄せる。すると紫吹が「全然違うのよ(笑)。私がタカラジェンヌの中で異色だったように、藤沢さんの作る朗読劇は異色だと思う」と冗談を交えて説明。紫吹が語るとおり、藤沢が生み出す朗読劇は音楽や特殊効果をふんだんに盛り込んだ演出となっており、譜面台が置かれた素舞台で俳優がテキストを読む形式の朗読劇とは一線を画している。

そんな自身の朗読劇について、藤沢は「僕の朗読劇はスモークなどの特殊効果をたくさん使いますし、音楽を生演奏したり、普通の朗読劇の手法とは少し違います。ですが、基本的に朗読劇は“余白の芸術”だと考えていますので、観客の頭の中で世界が構築できるような、イマジネーション豊かな余白を大切に演出しています」と語る。さらに「日常生活って視覚に頼って過ごしていると思うのですが、『VOICARION』を体験していただければ自分の想像力がこんなにも豊かだったんだと思っていただけるはず」と自信を覗かせると、紫吹も藤沢に合わせて「五感が研ぎ澄まされる作品だと思います」とコメントした。

妃海風_クリエ プレミア音楽朗読劇『VOICARION II - GHOST CLUB -』座談会

幽霊事件に悩まされる15歳の少年デズモンド・クロフト卿役を演じる妃海は、本作が朗読劇初挑戦となることを明かし「まず、男役を演じた経験があまりないのでとても緊張しているのですが、朗読劇自体が初めてなので、稽古のなかで藤沢さんの朗読劇のスタイルを感じながら役を作っていきたいと思います」と誠実に意気込む。

また本シリーズは、日替わりでキャストが登場することでも話題を呼んでいる。今作ではコナン・ドイル役に鈴村健一、梶裕貴、石田彰、小野友樹、春野寿美礼、山口勝平、ハリー・フーディーニ役に津田健次郎、諏訪部順一、中村悠一、浪川大輔、紫吹淳、平田広明、デズモンド・クロフト役に皆川純子、竹内順子、小野賢章、妃海風、シャーロック・ホームズ役には渡辺徹、石井正則、朴璐美が出演。豪華かつ多彩な顔ぶれが並ぶ。

クリエ プレミア音楽朗読劇『VOICARION II - GHOST CLUB -』座談会_2

そして、今回の取材に応じた紫吹、春野、妃海は9月5日(火)、9月7日(木)に出演となるが、3人の出演回について藤沢は「(宝塚は)男が一生かけても辿り着けない格好良さがある世界なので、一番格好良い男性が見られる回になると思います」とアピール。

改めて見どころを尋ねると、「春野さんや、妃海さんのようなトップの人たちが今回初めて僕の朗読劇に挑んでくださる。それだけで見どころになると思います」と藤沢。続いて紫吹が「多分、初めてだったらびっくりすると思う(笑)」と語ると、藤沢が「ちなみに前回、紫吹さんに出演していただいた時の公演ではスモークを焚きすぎて火災報知器が鳴る寸前だったんですよ(笑)。今回は霧の都が舞台なので、どうなるやら・・・楽しみにしていてください」と舞台裏のエピソードを明かし、意味深げにニヤリ。

クリエ プレミア音楽朗読劇『VOICARION II - GHOST CLUB -』座談会_3

最後は紫吹が「様々な舞台装置があって、私たちとお客様が舞台に入った時に藤沢マジックが完成すると思います。みなさん楽しみにしていて下さい」とメッセージを贈り、座談会を締めくくった。

クリエ プレミア音楽朗読劇『VOICARION II – GHOST CLUB -』は8月31日(木)から9月7日(木)まで、東京・日比谷シアタークリエにて上演となる。日替わりキャストの詳細は以下の通り。

8月31日(木):鈴村健一、津田健次郎、皆川純子、渡辺徹
9月1日(金)・9月2日(土):梶裕貴、諏訪部順一、竹内順子、石井正則
9月3日(日):石田彰、中村悠一、竹内順子、渡辺徹
9月4日(月):小野友樹、浪川大輔、小野賢章、渡辺徹
9月5日(火):春野寿美礼、紫吹淳、妃海風、朴ロ美(※)
9月6日(水):山口勝平、平田広明、皆川純子、渡辺徹
9月7日(木):春野寿美礼、紫吹淳、妃海風、朴ロ美(※)
(※朴ロ美の「ロ」は王へんに路が正式表記)

(取材・文/大宮ガスト)
(撮影/エンタステージ編集部)

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