2017年7月1日(土)より上演される、手塚治虫生誕90周年『Amazing Performance W3』の舞台制作発表が、東京・ニッポン放送イマジンスタジオにて行われた。『Amazing Performance W3』とは、漫画「W3(ワンダースリー)」を元に、ノンバーバル(台詞がない)パフォーマンスとして様々な演出(プロジェクションマッピングやマイム、ダンス、パペット、マジック)で行う身体表現の舞台。
本舞台の基になった手塚治虫原作の漫画「W3(ワンダースリー)」は、遠い宇宙の銀河連盟に集まる優れた生物たちが、戦争ばかりしている野蛮な星「地球」を救うか、反陽子爆弾で消してしまうかの評決に先立ち、ウサギ、カモ、馬の姿に変身させた3人の調査員を地球に派遣。彼らは、乱暴だけど純真な少年・星真一と知り合い、最初は野蛮な星としか考えていなかった地球について、その考えを変えていく様子を描いた物語だ。
会見のはじめには、京都で公演中の人気ノンバーバルパフォーマンス『ギア-GEAR-』の立ち上げや、2.5次元舞台のハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」にも関わった演出・構成のウォーリー木下が、司会からのどんな舞台になるのかという質問に対して、「原作をそのまま使う訳ではなく、骨格を使わせてもらっています。出演者が固定の役をやるというよりは色々な役を演じてパフォーマンスをしていく実験的な新しい作品です。W3というタイトルなので、3分に一回Amazingなことが起こるのはどうかとプロデューサーに相談し、この舞台の世界観・イメージを構築していきました」と、制作中の舞台について語った。
その後『Amazing Performance W3』のアンバサダーとして、人気タレントのベッキーが就任したことが発表され、芸能デビューして初めての表紙を飾ったのが書籍「手塚治虫キャラクターグッズコレクション」だったことを明かしたベッキーは、舞台の内容と絡めた質問に対して「手塚治虫先生の名作W3(ワンダースリー)がノンバーバルで舞台化と聞いて、ドキドキ、ワクワクしています!手塚治虫先生のW3に込めているメッセージは現在にも通じており、色褪せていないと思います。ぜひ、舞台を観に行くという気持ちではなく、一緒に体感する気持ちで足を運んでほしいと思います!」と、アンバサダーとして発言した。
また本公演の出演者を代表して西島数博、フィリップ・エマール、川原一馬が登場した。バレエダンサーとして世界的に活躍している西島数博は、今まで経験したことがない取り組みとして「何か役を与えられて演じればよいということではなく、演出・構成のウォーリー木下さんと一緒になって、本当に一から作っている。つまりキャスト全員がクリエイターとして、舞台に取り組むというのは経験したことがないので、今から本当にワクワクしております!」と語った。
また、『シルク・ドゥ・ソレイユ』のクラウン(道化師)を演じノンバーバル舞台を経験しているフィリップ・エマールは、『シルク・ドゥ・ソレイユ』の時は一つの役を演じていましたが、今回の舞台では自分の役というよりも手塚治虫さんの世界観に合わせて色々な表現をしています」と、役にとらわれない表現について語った。
演劇「ハイキュー!!」に出演し、ウォーリー木下から演出を受けた経験のある川原一馬は、ベッキーから今回の稽古場の雰囲気について質問されると、「今回の出演者は様々なジャンルのプロの方が集まっているので、自分がどういう立ち位置で行ったら良いのかという思いもありましたが、みんなで一つの舞台を作ろうという思いを持って稽古しています」と意気込みを語った。
『Amazing Performance W3』は、7月1日(土)から7月9日(日)まで東京・DDD青山クロスシアターにて上演される。