戸塚祥太、勝村政信による二人芝居『Defiled −ディファイルド−』が4月5日(水)、東京・DDD AOYAMA CROSS THEATER(DDD青山クロスシアター) にて開幕。同日、報道向けにフォトコールと囲み会見が行われ、戸塚と勝村が登壇。初日に向けて意気込みを語った。
2000年、アメリカ・ロサンゼルスで初演された本作は、海外ドラマ『刑事コロンボ』でお馴染みのピーター・フォークとテレビで活躍するジョン・アレキサンダーの共演と合わせて、息を呑む舞台展開に一躍話題となった濃密な二人芝居。図書館に立てこもった爆弾犯と警察の交渉人の絶妙な駆け引きが描かれる。日本では2000年10月に初演、2004年11月に再演され、今回、約13年の時を経て、待望の再々演となる。
囲み会見では、戸塚に対して勝村との関係を聞かれ「初めての挑戦でド緊張していたのですがが、勝村さんにつきっきりで指導していただき・・・。お父さんと勝村さんが同じ年なんですけど、勝村兄やんといった頼もしい存在でした(笑)」と応えると、勝村は「“お兄やん”なんて今日、初めて言われましたよ」とおどけてみせ、報道陣の笑いを誘う。
また、勝村から見た戸塚の印象については「ジャニーズの皆さんは能力が高く、小さな時から人に見られる経験をしているから堂々としている。僕が何十年と経験してきても獲得できないものがあると思います」と、太鼓判を押したが、稽古初日での戸塚の印象については「台詞が全然入っていなくて、なめんなよって感じでした(笑)」と笑いながら語り、戸塚を慌てさせるが「でも、戸塚くんはすぐにアクセルベタ踏みといった集中力で、稽古始まって1週間くらいですっかり抜かれてしまいました」と続け、二人の兄弟のようないじらしい関係を印象付けた。
本作の役作りについて戸塚は「爆弾犯という人物のイメージを掴むのが難しかったです。台詞量も多かったので、眠れない日が続くほど追い込まれたのですが、リアルな役の心理とは違うイメージで演技してみようと考えてからは自由に演技ができるようになりました」と、悪戦苦闘していたことを明かした。
勝村はオリジナル版の俳優がピーター・フォークであることと比較して「演出家の鈴木さんと相談して、コロンボ的なイメージは排除していこうと決めたんです。また、緊迫した状況の中でどこまで役を作り込むかという試行錯誤をしていました」と、役作りについて語った。
舞台は分厚い本が本棚にところ狭しと並ぶ歴史ある図書館。戸塚演じるハリー・メンデルソンが爆弾を本棚にセットするところから始まる。いざ、爆弾をセットして、起爆装置のスイッチを押す間際、勝村演じる交渉人のブライアン・ディッキーから一本の電話が入る。ブライアンの説得に応じないハリーであったが、ブライアンはオロオロとした面持ちで図書館に潜入。警察とは思えない親しみやすさのブライアンに、ハリーは少しずつ心を開いていくのだったが・・・。
フォトコールでは冒頭の15分間の公開であったが、戸塚の緊迫感と対照的な勝村の脱力感が印象的であった。また、座席数が200席で、客席と舞台空間も近いことから二人の繊細な演技がよく見てとれ、戸塚の緊迫感と勝村のユーモアに息をするのも忘れるほど見入ってしまった。
この濃密な空間について勝村は「二人芝居をやる上で理想的」と称すと、戸塚は「客席数が200席という濃密な空間の中で行われるワンシチュエーションの二人芝居。あたかも現場に居合わせてしまったかのような臨場感が楽しめるはず」と本作の見どころを交えて語り、囲み会見を締めた。戸塚と勝村の緊張感漂う濃密な心理戦を劇場で目撃してほしい。
舞台『Defiled −ディファイルド−』は2017年4月5日(水)から5月7日(日) まで、東京・DDD AOYAMA CROSS THEATER(DDD青山クロスシアター) にて上演。その後、大阪、福岡を巡演。日程は以下の通り。
【東京公演】4月5日(水)~5月7日(日) DDD AOYAMA CROSS THEATER(DDD青山クロスシアター)
【大阪公演】5月10日(水)~5月12日(金) サンケイホールブリーゼ
【福岡公演】5月19日(金)~5月20日(土) ももちパレス 大ホール
(取材・文・撮影/大宮ガスト)