戸塚祥太、加藤和樹らが生演奏で魅せる『BACKBEAT』開幕！「止まっていた時間がまた動き出した」

2023年4月24日2024年8月9日

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戸塚祥太、加藤和樹らが生演奏で魅せる『BACKBEAT』開幕！「止まっていた時間がまた動き出した」

『BACKBEAT』公開ゲネプロおよび取材会が、2023年4月23日（日）に、東京・江戸川区総合文化センター大ホールで行われ、戸塚祥太、加藤和樹、辰巳雄大、JUON、上口耕平、愛加あゆ、尾藤イサオが登壇し、初日に向けた意気込みを語った。

本作は、世界的ロックバンド、ビートルズの創世期の青春を描いた作品。アートとロック、青春の光と影を20曲以上もの生演奏で綴る。2019年の日本初演に続き、石丸さち子が演出を務め、スチュアート・サトクリフ役の戸塚、ジョン・レノン役の加藤、ジョージ・ハリスン役の辰巳、ポール・マッカートニー役のJUON、ピート・ベスト役の上口が続投する。

会見で戸塚は、バンドとしての仕上がりを「完璧です」と笑顔で断言すると、「再会した初日から『自分の中でこれを求めていたんだ。人生の中でもう一回、これを求めていたんだ』という想いが湧き出てきて、いつまでも青春だなと思いました」と初日に向けての思いを語った。

加藤も「自分の中で止まっていた時間がまた動き出した感じです。稽古場で石丸さんが『もうちょっと若く』と言っていたので、身も心も若返ってきた実感がありますし、またビートルズを演じるのに相応しい体と心になったのではないかと思います」と力を込めた。

辰巳は「4年前の『BACKBEAT』とはまた違った、ビート感のある止まらない青春になっています。世界的なバンドになったビートルズの青春時代が、あっという間に素晴らしい音楽とともに疾走していくという新しい『BACKBEAT』になったと感じています」と胸を張った。

そして、JUONも「相当いい。僕たちじゃないと出せないグルーブや歌があり、レベルアップの連続で今日を迎えられていることを嬉しく思います」とにっこり。上口は「久々に再会して、大人になったなという感じがありましたが、あっという間に心が10代になっていくさまが見えたのが印象的でした。青春って心次第なんだな、何年経っても10代の心になれるんだなと発見がありました」と稽古を振り返った。

1966年にビートルズが初来日公演を行った際に前座を務めたという尾藤は、本作ではエルヴィス・プレスリー役で歌唱も披露する。尾藤は「皆さんが毎日、ぶつかり合う稽古をしているのを観ていて、これは絶対頑張らないといけないと思っています。4年前もどうして役者さんがこんなにすごい音楽ができるんだろうと思っていましたが、4年後もかっこいい演奏をやっていますのでよろしくお願いします」とアピール。

今作から参加する愛加は「私は皆さんがビートルズとして仕上がっているところから入ったので、そこに食らい付いていくことに必死でしたが、皆さんにすごくよくしていただいて、このビートルズの虜になっています。個人的には、アストリッドに近づきたいと思って、ウィッグの予定だったのですが地毛でいこうと思って人生で初めて金髪ショートにしました」とコメントした。

「どなたの優しさが印象に残っている？」という質問には、「本当にみんな優しかったですよ」と笑いながらも「絡みの多いスチュ（戸塚）は、出番前に気合いを入れる一言や癒してくれる一言をくださったのでホッとして和む時間になっています」と答えていた。

初演から4年を経て集結したビートルズのメンバーたちだが、「一番成長が感じられるメンバーは？」という質問が上がると、戸塚は「ジョージ（辰巳）」と即答し、初演時は「ギターが弾けなかったんですが、弾けるようになりました。今はギターソロを弾いています」と明かす。

それを受けて辰巳は「（初演前に）ギターが弾けるふぉ〜ゆ〜のメンバーはいるか？と聞かれたので、当時は（コードの）Fくらいしか弾けないのに『はい！』って言った」と名乗り出たそうだが、今は「完全なるリードギターに転向しまして、がっつりジョージ・ハリスンになれるようになりました。20曲以上ある生演奏の中で、印象的なリフを弾かせてもらうんですが、その中で、バンドの音楽が変わったなと感じています」と胸を張った。

そして、「ロックンロールをやるバンドとして（このメンバーと）やりたい。CDデビューは諦めてないんで。音楽番組もすごく待っています！」とアピールした。

最後に、戸塚は「もちろん4年前も最善を尽くし、最高の『BACKBEAT』を届けましたが、さらに時を経て熟成された、しかも瑞々しい、大人なのに若いという矛盾したようなものが一つの場所に出せています。4年を経たサウンドと、スピード感を持って進んでいくお芝居の2つを見届けてもらいたいと思います」と呼びかけて会見を締めくくった。

物語の舞台は1960年。絵の才能を持つスチュアート・サトクリフが、同じ学校に通う親友のジョン・レノンに誘われ、ロックバンドにベーシストとして加入するところから物語が始まる。その後、ジョージ・ハリスン、ポール・マッカートニー、ピート・ベストとともに5人の“ビートルズ”は、巡業で訪れたドイツ・ハンブルクで頭角を表していく。

そんな中、スチュアートは彼らのライブに来ていた女性写真家のアストリッド・キルヒヘルと出会い、恋に落ちる。そしてスチュアートは、アストリッドとの出会いをきっかけに、再び絵を描き始め、画家の道を志すが、一方で、ビートルズの評判は日に日に高まっていき、成功への階段を登り始めていた。

ビートルズがビッグバンドになるまでの過程を描きながらも、スチュアートとジョン、そしてアストリッドの関係を丁寧に描いた本作。スチュアートとジョンの友情、そして深い絆が強く印象に残る作品に仕上がっていた。

中でも、物語冒頭で、全く楽器が弾けないスチュアートをやる気にさせるため、ジョンがスチュアートに自分の動きに合わせて開放弦でベースを弾くよう促し、「Johnny B. Goode」を演奏するシーンは印象深い。楽しそうにセッションする二人の姿は、深い友情を一瞬で感じさせられた。

会見でキャストたちが胸を張っていたように、生演奏も本作の見どころの一つだ。若さと勢いを感じさせる演奏が終始、奏でられていて、まるで本物のライブを観ているかのよう。ピョンピョンと飛び跳ねながら演奏する姿は本当に楽しそうで、観ているこちらも心がワクワクしてくる。

ビートルズの5人のメンバーたちとともに青春を再び味わえる、心に迫る2時間半だった。

『BACKBEAT』は、4月23日（日）に東京・江戸川区総合文化センター大ホールにプレビュー公演を実施後、兵庫・熊本・大阪を巡演。5月24日（水）から5月31日（水）まで東京・東京建物 Brillia HALLにて上演。

（取材・文・撮影／嶋田真己）

『BACKBEAT』公演情報

上演スケジュール・チケット

【プレビュー公演】2023年4月23日（日）　江戸川区総合文化センター大ホール
【兵庫公演】2023年4月28日（金）～5月3日（水・祝）　兵庫県立芸術文化センター阪急中ホール
【熊本公演】2023年5月6日（土）・6月7日（日）　市民会館シアーズホーム夢ホール（熊本市民会館）大ホール
【大阪公演】2023年5月20日（土）・5月21日（日）　枚方市総合文化芸術センター関西医大大ホール
【東京公演】2023年5月24日（水）～5月31日（水）　東京建物 Brillia HALL（豊島区立芸術文化劇場）