舞台「戦国BASARA」の最新作、“関ヶ原の戦い”が2017年2月3日(金)、天王洲銀河劇場にて幕を開けた。また公開ゲネプロと囲み会見が行われ、出演する中尾拳也、沖野晃司、眞嶋秀斗、松村龍之介、椎名鯛造、白又敦、末野卓磨、大山将司、河村唯、護あさな、汐崎アイル、伊藤裕一、松田賢二の他、前作から引き続き演出を担うヨリコ・ジュン、ゲームクリエーターで原作監修の小林裕幸が登壇。それぞれ開幕に向けての意気込みを挨拶した。
CAPCOMの人気ゲーム「戦国BASARA」の舞台版最新シリーズとなる本作は、“斬劇”と冠し、さらに激しさの増したアクションを展開。ゲーム同様の目まぐるしい殺陣で徳川家康、石田三成、伊達政宗、真田幸村をメイン武将に据えて、戦国最大の合戦である“関ヶ原の戦い”を描く。
舞台空間は演出のヨリコによるハイスペクタクルなプロジェクションマッピングで自由自在に変化。また、開場中は実際の俳優が映し出されるゲームメニュー画面で観客を迎え、幕が上がる前から気の利いた仕掛けで期待を煽る。
物語は、石田三成の親友であった徳川家康の裏切りから始まる。主君である豊臣秀吉を討ち、民のための国づくりを目指す家康と、かつては親友であった家康の裏切りに復讐の鬼と化す三成。伊達政宗、真田幸村などの武将を巻き込んで東(徳川家康)・西(石田三成)で別れた天下統一の激しい対立が始まっていくのであった・・・。
会見で、石田三成役の沖野が「キャストやスタッフ全員の熱がすごい」とキャストの熱量をアピールしていたが、その言葉通り、本作の見どころはズバリ骨太なドラマ性とそれを支える俳優たちの放つ熱だ。
物語冒頭、沖野演じる三成の「家康ー!!」という迫力ある叫びを聞けば、本作が各登場人物の感情に裏打ちされたアクションドラマだということが確信もてるだろう。民の平安を願い絆の力を信じる家康、秀吉へ揺るがない忠誠心を寄せる三成、生涯のライバル伊達政宗(眞嶋)と真田幸村(松村)。野心や忠誠心、友情がスパークする関ヶ原で、黒い策略が蠢き、果てしのない葛藤と不条理な戦いへと導かれていく。
また、情緒不安定な後藤又兵衛(汐崎)と手枷を振り回す熱血漢の黒田官兵衛(伊藤)のコミカルなやりとりや、剛潔乙女の井伊直虎(河村)とマグナム銃を炸裂させる雑賀孫市(護)の名コンビが見せるキュートな笑いどころなど、それぞれの個性豊かな役柄にも注目してほしい。
また、やはり“斬劇”シリーズの名に恥じない手に汗握る迫力の殺陣の応酬がすごい。プロジェクションマッピングを多用したヨリコの映像やSEがド派手な殺陣を彩り、原作ゲーム同様の痛快さとスピード感で、約2時間40分の舞台があっという間に感じた。
公開ゲネプロ終了後のカーテンコールでは、家康役の中尾が三成役の沖野と目を合わせ「最後まで全力を出しきります!」と、力強く挨拶し締めくくられた。家康vs三成の天下を分けるほとばしる大合戦をぜひ、その目で目撃してほしい。
斬劇『戦国BASARA』関ヶ原の戦いは、2月12日(日)まで東京・天王洲 銀河劇場にて上演。その後、2月17日(金)から2月19日(日)まで大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにて公演が行われる。
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(取材・文・撮影/大宮ガスト)