2012年7月にミュージカル『シカゴ』のロキシー役でブロードウェイ・デビューを飾った米倉涼子が、再びブロードウェイの舞台に立つことが決定した。日本人女優として54年ぶりにブロードウェイで主演を務めるという快挙を成し遂げた米倉には、ブロードウェイの『シカゴ』プロデューサーから「いつでも戻ってきてほしい」とラブコールが送られていたという。
米倉は、7月に行われるアメリカ・ニューヨークのアンバサダー劇場での公演のほか、8月に東京・東急シアターオーブでも行われる20周年記念ジャパン・ツアー公演にも出演する。出演決定にあたり、米倉と『シカゴ』エグゼクティブ・プロデューサーのバリー・ワイズラーからコメントが届いている。
◆米倉涼子(ロキシー・ハート)
20周年という節目の年に、『シカゴ』に再挑戦できること、とても光栄です。
『シカゴ』を初めて観た時から、音楽・衣装・ダンスすべての虜になり、そこから始まり、2008年にこの作品の初舞台を踏ませて頂きました。私の女優人生においてとても大切な作品で、この作品と出逢えたことは運命だと思っています。5年というブランクに不安もありますが、それ以上にロキシーをもう一度演じることのできる喜びで胸がいっぱいです!歳を重ねたことでまた違った世界観を表現できるのではないかと今から楽しみです。たくさんの方々に楽しんでいただきたいので、自分にも悔いのないよう全力で挑みます!
◆バリー・ワイズラー(『シカゴ』エグゼクティブ・プロデューサー)
愛と努力、そして類稀なる才能を注いでくれている涼子が、ブロードウェイに戻ってくれることは、この上ない喜びです。初演から20年を迎え、『シカゴ』は円熟したエンターテインメントをブロードウェイ、そして全世界の人々に発信する場となりました。『シカゴ』はアメリカ作品のミュージカルでブロードウェイ最長のロングラン記録を持ち、世界では34ヶ国、473都市、12言語で上演されています。2012年のブロードウェイ・デビューから5年が経ち、女優、そして女性として経験を積んだ涼子を客席から観ることが今から楽しみです。
ロキシーは、脚本上は「アメリカ国籍の白人女性」ですが、私たちはアフリカ系アメリカ人、メキシコ人の女優らを起用し、人種の壁を壊してきました。その中でも涼子が「アメリカ国籍のアジア系女性」としてロキシーを演じたことは、画期的な出来事です。
今年、新しい局面を迎えるアメリカにとって、彼女の演技は観客のみならず、ブロードウェイの演劇界に革新を与えてくれるでしょう。なぜなら涼子は、このショーの普遍的な魅力と世界的展開を実現させた生きた証です。日本語と英語でこの役を演じることができ、彼女の才能は国境と言語を超越します。驚くべき女優を、この20周年のアニバーサリー・イヤーに迎えることは私たちにとって大きな誇りです!気が早いですが「涼子、お帰りなさい」。
2016年11月にロングラン20周年を迎えた本作で、米倉が演じるのは、欲望の為には手段を選ばないが、なぜか憎めない小悪魔のようなロキシー・ハート。不倫相手を殺害した罪で起訴されながら、弁護士やメディアを利用してスターの座を掴もうとする様が描かれる。
ブロードウェイミュージカル『シカゴ』は、7月3日(月)から7月13日(木)までアメリカ・アンバサダー劇場(ニューヨーク、ブロードウェイ)にて上演予定。その後、『シカゴ』20周年記念ジャパン・ツアーとして8月2日(水)から8月13日(日)まで東京・東急シアターオーブにて上演される。
(舞台写真/Masahiro Noguchi)