2016年7月30日(土)から8月7日(日)まで大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにて上演されたライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」。その東京公演が、8月13日(土)に東京・AiiA 2.5 Theater Tokyoにて幕を開けた。初演から約1年、特殊演出のパワーアップや音楽の一新、新たな登場キャラクターとなるロック・リーの参戦などさらなる進化に挑み、開幕から好評を博している本作。世界を熱狂させたスペクタクルショーの模様をレポート。
本作は、累計発行部数が全世界で2億冊を超える、岸本斉史による大人気漫画「NARUTO-ナルト-」(集英社 ジャンプ コミックス刊)が原作。2015年3月から6月にかけて行われた前回の公演は、東京・福岡・大阪・宮城の国内4都市に加え、マカオ・マレーシア・シンガポールの海外3都市で上演されたが、今回もワールドツアーとして、上海、杭州、北京、長沙、広州、深センの中国6都市で公演が予定されており、世界中で“NARUTO”旋風を巻き起こしている。
その世界観は、緻密で斬新な演出と、漫画から飛び出してきたような再現度の高いキャラクタービジュアルにより、見事に舞台上で再現されている。大阪公演の初日を迎えた際に、ナルト役の松岡広大が「再演を行うにあたり、パワーアップをしなければいけないと思っていたのですが、1年経ち、カンパニー全体も成長したと思っています」と意気込みを語ったように、2.5次元ミュージカルとしての完成度はさらに高まりを見せていた。
ストーリーは、原作の第一部である少年編のエピソードをベースとしながら、ナルトとサスケの話を中心にアレンジされている。そのため、すでに話の展開を知っている原作やアニメのファンでも新鮮な気持ちで観ることができるだろう。
そして「NARUTO-ナルト-」の魅力と言えば、迫力ある忍術バトル。ナルトの“影分身”や“螺旋丸”、カカシとサスケの“千鳥”、その他のキャラクターたちが繰り出す忍術の数々をプロジェクションマッピングと小道具で表現。さらに、我愛羅の砂を使った忍術には巨大な布が使用され、これも圧巻の一言。アクロバティックな数々のアクションと、忍術バトルのコンビネーションにより、“ライブ・スペクタクル”の名にふさわしい作品となっている。また、随所で披露されるダンスもストーリーを遮ることなく、プロジェクションマッピングなどの映像表現と相まってテンポ良く楽しむことができる。
初演からさらに完成度を高めたライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」。原作では少年編に続く物語として描かれている青年編以降の舞台化も期待したくなる出来栄えだ。世界中で巻き起こる“NARUTO”旋風をぜひお見逃しなく。
ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」は、8月28日(日)まで東京・AiiA 2.5 Theater Tokyoにて上演。
※深センの「セン」は、土(つちへん)に「川」
(C)岸本斉史 スコット/集英社 (C)ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」製作委員会2016
(取材・文・撮影/櫻井宏充)