2017年7月14日(金)より上海公演が開幕するライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」~暁の調べ~。全世界での累計発行部数が2億部を超える大人気漫画「NARUTO-ナルト-」を原作とした舞台作品で、初演から主人公・うずまきナルト役を務めているのが松岡広大だ。初演が、自身初の主演作品となった松岡。そんな彼に、自身の変化や、ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」初参加となるイタチ役・良知真次からの3つの質問に答えてもらった。
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――新作上演の決定が発表されたのは、昨年末に行われた「ジャンプフェスタ2017」でしたね。発表後、松岡さんの元にはどんな反応が届いていましたか?
発表後、SNSで皆さんの反応を見ていたのですが「待ってました!」という声をたくさんいただきました。反響がすごかったので、その分プレッシャーも感じました(笑)。でも、初演と再演での経験を活かして、自信を持って新作に臨みたいなと思っています。
――少し遡ったお話を伺いますが、初演と再演で、松岡さんご自身には何か変化はありましたか?
僕、「NARUTO-ナルト-」は初座長作品だったんです。だからなのか、初座長という肩書きに怖気づいてしまって、何をしたら良い立場なのか、どう仕事をしたら良いのか、そういうことを考えすぎてしまって、なかなか自分が楽しいと思える芝居ができなかったんです。本番を重ねる中いろんな先輩に声をかけてもらって、少しずつ考え方も変わっていきました。だから、再演では考え込む前に自分から発信することを大事にしました。円陣で「皆で繋いでいる意識を持っていきましょう」とか、そういう一言を言えるようになりました。慢心しているわけではなく、言える自信が持てたというか、このくらい言っても大丈夫かなと思えるようになったというか(笑)。
――座長としての心構えや気持ちに、大きな変化があったんですね。
一言言うのも大事にしていたのですが、僕は口下手なので(笑)。言葉以上に、背中で見せることが必要だなと思いました。カンパニーの皆が(本番中)袖で自分を観てくれている時に「がんばってるな」と思ってもらえれば、それが一番だと思っていました。
――作品自体、海外公演も行われたりとどんどん大きくなっています。再演では、新キャラクターが加わるなど、カンパニーにも変化がありましたが。
新しく加わったメンバーが「NARUTO-ナルト-」という作品の稽古場にいやすいようにしようと思って、声をかけてコミュニケーションを積極的に取るようにしていました。口下手ですけど(笑)。「NARUTO-ナルト-」のカンパニーの人たちはすごく良い人ばかりで、悩んでいる人がいたらすぐに誰かが声をかけにいくので、一人になることがないんです。流石だなと思いました。
――そして、満を持しての新作が上演中ですが、大きな変化の一つとして、“歌”の演出が加わりましたね。
そうなんです。僕も、稽古が始まる前からボイストレーニングに通ったりとか、体づくりのためにジムに通ったりして準備しました。
――松岡さんは、歌うことがお好きですか?
好きです!でも、自分の思いどおりに歌ってパフォーマンスするというのは難しいです。理想に近づくために、どんどんパワーアップしてがんばりたいと思います。
――そして、今回さらに新キャストの方がたくさん加わっていますね。
ほぼリニューアルというぐらい、新しいキャストの方が増えました。香燐(七木奏音)という「くの一」も登場していますし。硬派なキャラではない女性キャラクターが加わるとどうなるのか。そして、何と言ってもうちはイタチ(良知真次)の登場です!僕以上に(佐藤)流司くんが楽しみにしていたと思うんですけど(笑)。兄弟の因縁がどうなっていくのか・・・楽しみに観てほしいです。
――うちはイタチ役の良知さんと初めてお会いになられた際は、どんな印象を持たれましたか?
すごく気さくで話やすい方だなと!だから、とにかく自分のことを積極的に話そうと思いました。最初に、とにかく早くライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」の世界に自分を持っていけるようにしたい、とおっしゃっていたんです。新しいキャストの方にこんな風に言ってもらえるのは、すごく光栄なことだなと。また縁に恵まれたと思いました。
――実は今回のインタビュー前に良知さんにもお話を伺ったのですが、その中で良知さんから松岡さん、佐藤さんに聞きたいことを預かってきました。
なんだろう(笑)?
――3つあります!まず1つ目は「他の作品と“ライブ・スペクタクル”である『NARUTO-ナルト-』の違いは?」という質問です。
言葉にするのが難しいですね・・・(笑)!“ライブ・スペクタクル”というのは、完全に独立したジャンルになり得るものじゃないかなと思います。他の舞台でも、何かが突出している作品はたくさんあります。「NARUTO-ナルト-」も、映像がすごい、アクションがすごい、それだけだったら、“ライブ・スペクタクル”とは言えない。観る人の中に「これがライブ・スペクタクルだ!」と残る衝撃・・・それが一番の違いかなと思います。
――確かに、言葉にしづらいですが観た時のあの感覚は「NARUTO-ナルト-」にしかない気がします。では続いて2つ目「2.5次元作品の役づくりについて、僕は原作のない舞台より難しいと感じていますが、二人はどうやって役づくりをしていますか?」という質問です。
良知さんの方が、たくさん経験されているからよくご存知だと思うのですが・・・(笑)!原作のない舞台より難しく感じるというのは、良知さんと同じです。芝居には、答えがないと言われています。人によって、それぞれの演じ方があるから。でも、原作ものには指標がある。でも、その指標も答えではないんです。人それぞれのイメージがあり、誰か一人に合わせると、ズレが生じるので、そこが難しいんですよね・・・。
僕は、原作者の方が描かれた漫画しか、あえて読まないようにしています。本から得たダイレクトな感情を活かして、役として出していくようにしています。
――なるほど、アニメではなく、あくまでも原作となる漫画を突き詰める方法で役を作っていかれるんですね・・・。
僕、アニメの一番すごいなと思うところは、“音”なんです。特に、声のイメージ。声の影響力はすごいと思っているので、あえてアニメは見ないようにしています。それは、ミュージカル『テニスの王子様』に出演していた頃から変わっていません。
――おもしろいお話を聞かせていただきました。それでは3つ目、最後の質問です。「長い公演期間、体力維持はどうしていますか?・・・ちなみに僕は温泉です」だそうです(笑)。
いいですね~、僕も温泉です。温泉、本当に好きで!体力作りという面では走り込んだりとかしますけど、リセット、体力維持という面では温泉によく行きます。
――一緒に行けたりするといいですね。
ぜひ、一緒に行きたいですね。僕、お風呂でコミュニケーションを取るのが好きなんです。お風呂って、携帯使えないですし、テレビがサウナにあるくらいですよね。どうやってコミュニケーション取るかといったら、会話しかない。相手の話を聞くのもおもしろいですし、そういう時こそいろんな発見があるんです。そういうところが、温泉が好きな理由です。
――ぜひ、実現させてください(笑)。最後に、お二人へのメッセージもいただいています。「二人はおそらく、ミュージカル『テニスの王子様』の頃から知り合いで、さらにこの『ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」』でもすごく仲の良い関係と聞きました。仲間外れにしないでねって、くれぐれもお願いしたいです(笑)。よろしくお願いします!」とのことです。
良知さん~何を言っているんですか(笑)。良知さんは本当にいい方なんです。前に「松岡くんを支えられるようにがんばります」って言葉をくださったんです。僕も良知さん含め、皆さんのそういう存在になれるようにがんばります、とお伝えしたいです!
――ありがとうございました。それでは最後に、これまで公演をご覧になった方、そして上海公演、東京凱旋公演を楽しみにしている皆さんへメッセージをお願いします!
劇場に観に来るまで「“ライブ・スペクタクル”ってなんだろう?」と思っている方もいらっしゃると思います。それを劇場で証明することが、僕らの使命です。初演、再演を愛してくれた方にも、今回初めて舞台の「NARUTO-ナルト-」を観てくださる方にも、エンターテイメントとして楽しんでいただけるように、一丸となっていきますので、ぜひ、ご来場ください!
◆公演情報
ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」~暁の調べ~
【上海公演】7月14日(金)~7月23日(日) 虹橋芸術中心
【東京凱旋公演】7月29日(土)~8月6日(日) AiiA 2.5 Theater Tokyo
※東京・シンガポール・大阪公演終了
【脚本・演出】児玉明子
【音楽】和田俊輔
【出演】
松岡広大 佐藤流司/
伊藤優衣 君沢ユウキ/
藤田 玲 北村 諒 岡田亮輔/
大湖せしる/
萩尾圭志 七木奏音 山口智也/
林野健志 辻 諒 片山浩憲/
白崎誠也 寒川祥吾 宮川 連 野間理孔 松林篤美 知念紗耶
悠未ひろ/
良知真次
演奏:土屋玲子(二胡) 加古臨王(和太鼓)
◆ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」~暁の調べ~ ライブ・ビューイング
【日時】8月6日(日)18:00開演
【会場】
国内:日本全国各地
海外:香港、台湾に加えオーストラリア、インドネシア、タイ
【公式HP】https://www.naruto-stage.jp/
(C)岸本斉史 スコット/集英社 (C)ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」製作委員会2017
(撮影/原地達浩)