オードリー・ヘップバーン主演の映画版でも広く親しまれている、ミュージカル『マイ・フェア・レディ』。世界初演から60年を経た今も色褪せることなく、心躍る珠玉の名曲の数々とともに再演を重ね、ミュージカル史に燦然と輝く不朽の名作だ。
日本では、初演50周年となった2013年にキャスト・演出を一新、再び生まれ変わったリボーン版として好評を博した。このリボーン版『マイ・フェア・レディ』が新たなキャストを迎え、いよいよ2016年7月10日(日)から東京芸術劇場プレイハウスにて開幕する。
そして6月14日(火)、開幕に先駆けて公開稽古が行われ、都内の会場には報道陣に加え抽選で選ばれたオーディエンス15名が集まった。
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稽古の冒頭、G2から「今を生きる女性、そして男性にもなにかを感じてもらえる作品にしたい。より人間関係や人の想いに焦点を当て、音楽も少しアレンジしています」とリボーン版についてコメント。さらに「イライザ役の二人は今の方がとてもキュート」と話すと、イライザ役のWキャスト・霧矢大夢と真飛聖は少し照れたような笑いを見せた。
今回の公開稽古では、劇中の楽曲から、貧しい中でも明日を夢見ているイライザと仲間達の友情を表現した「だったらいいな」を霧矢が、そしてヒギンズ教授(寺脇康文)のレッスンを耐えついに社交界へ出ることになったイライザが、自分の力を試したくてウズウズしている感情を歌った「じっとしていられない」を真飛がそれぞれ披露。さらに、社交場デビューの場となるアスコット競馬場でのシーンが公開された。G2も「このシーンは衣装も本当に素晴らしいです」と語っており、本公演がますます楽しみな仕上がりとなっていた。
その後の囲み取材では、霧矢から「2回目の参加となりますが、この作品に対して新しい発見をしておりますので、2013年からさらにバージョンアップしたイライザ、そして『マイ・フェア・レディ』をお見せできたらと思っております」、そして真飛からは「私自身もイライザとして生きれることがとても幸せで、その幸せをお客様にも一緒に感じていただいて、『マイ・フェア・レディ』って本当に幸せな気持ちになれるなと感じていただける舞台を全員で作っていきたいです」と、イライザ役の二人から意気込みが語られた。
次に寺脇から「3年ぶりの再演なのですが、みんなで“前回をなぞるのではなく今の感覚を活かして、もっと人間関係の深みを出す”という話をしています。人間ドラマをより強く出せてると思いますので前回見ていただいた方も違った感覚で観て頂けると思いますし、初めての方も歴史あるミュージカルだからといって構えることなく、楽しみに劇場へ足を運んでいただけたら」と観客へ向けてメッセージが贈られた。
「再演があるとは思っていなかった」と驚きの告白をした田山涼成(ピッカリング大佐役)は、「3年前の雰囲気をすっかり忘れていたのですが、改めて台本を読んで『こんなに楽しかったのか!』と、毎日稽古を楽しんでおります」と笑顔で語った。また、これに対し寺脇が「そんなキャラでしたっけ?」とツッコミを入れると、キャスト全員から笑いが起こる一幕も。
また、今作で初めてミュージカルに出演する高橋惠子(ヒギンズの母役)は、「私でいいのかなと思いましたが、歌わない踊らない役と聞いてお引き受けしました」と出演の裏側を明かしつつも「皆さんが歌って踊っているのを見て、私も踊りたくなりました」と、キャスト陣に触発されている様子。また、高橋とともに新キャストとして加わった水田航生(フレディ役)は、「これまで錚々たる方がたがフレディを演じられてきたのでプレッシャーもあるのですが、ステキな先輩方に囲まれて稽古ができているので、その楽しさをお客様にも観ていただきたい。若い方にもたくさん来ていただきたいです」とコメントした。
ミュージカル『マイ・フェア・レディ』は、7月10日(日)から8月7日(日)まで、東京芸術劇場プレイハウスにて上演。