劇団四季の新作ミュージカル『オペラ座の怪人』が、2017年3月よりKAAT神奈川芸術劇場〈ホール〉にて上演されることが決定した。その製作発表会見が5月23日(月)、横浜マリンタワーで行われ、神奈川県知事の黒岩祐治と、劇団四季 代表取締社長の吉田智誉樹が登壇した。
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本公演は劇団四季とKAATの初提携作品。2017年3月から同年8月まで、5ヶ月程度のロングランが予定されている。劇団四季による横浜エリアでの長期公演は『キャッツ』(みなとみらい21地区の仮説劇場にて、2009年11月~2012年11月までの3年間上演)以来4年ぶり。
現神奈川県知事・黒岩祐治
本作の公演において黒岩県知事は「神奈川県は文化芸術の力によって人と街を活性化する“マグカル”(マグネットカルチャー)というプロジェクトを進めています。そのひとつとして、劇団四季と手を組んで新たな展開を進めていきます。ゆくゆくは神奈川・横浜をブロードウェイのような街にしたいと考えています。また、創造型劇場であるKAATは大掛かりな舞台美術を組むのにふさわしい劇場。KAATらしい素晴らしさを提供できるはず」と、今後はKAATを拠点に舞台芸術に力を入れていくことを強調。
劇団四季 代表取締社長・吉田智誉樹
横浜に事務所と稽古場を構える劇団四季の社長 吉田は「『キャッツ』の成功以来、次の横浜公演の可能性を模索し続けてきました。四季が新しいチャレンジを行う際に上演する作品は、いつも『オペラ座の怪人』。つまり、今回の公演は四季にとって新しい挑戦であります。神奈川のみなさんと手を携え、精一杯頑張りたいと思います。来春の開幕に是非ご期待下さい」と、横浜発の新たな展開が生まれる可能性を示唆した。
本作、ミュージカル『オペラ座の怪人』は劇団四季を代表するミュージカルのひとつ。1988年東京初演以来、総入場者数は659万人を超え、総公演回数は6,645回と『ライオンキング』や『キャッツ』に次ぐ国内第三位の上演回数を誇っている。まさに、国内屈指の怪作といえるだろう。
また、本作は“現代のモーツァルト”と称される作曲家アンドリュー・ロイド=ウェバー版での上演となる。パリ・オペラ座の地下に棲み、歌姫クリスティーヌに恋をする“怪人”。その彼の悲しいまでの愛の様がロイド=ウェバーの流麗で重厚な旋律によって紡がれる。
会見の質疑応答で、「今作の他にも横浜と劇団四季の提携公演があるのか?」という質問に対して黒岩は「今回の『オペラ座の怪人』は劇団四季さんとの“最初の共同作業”。次の公演についてはまだ具体的に考えていないが、新作であったり、人気作品であったりといろんな形で連携を図っていきたいと考えています。なんといっても、劇団四季の拠点は横浜にあるので、本当は四季劇場を全部横浜にもってきたいくらいです(笑)」と、熱いラブコールを送った。今後の「劇団四季×横浜」の連携にも注目が集まる。
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ミュージカル『オペラ座の怪人』は2017年3月、KAAT神奈川芸術劇場〈ホール〉にて開幕。チケットの初回販売は2016年11月を予定。
画像1枚目 撮影:荒井健
画像4枚目 撮影:堀勝志古
(取材・文/大宮ガスト)