劇団イキウメによって2011年に上演され、演劇界にセンセーションを巻き起こした舞台『太陽』が、『SR サイタマノラッパー』シリーズの入江悠の手で実写映画化。2016年4月23日(土)についに公開を迎え、東京・角川シネマ新宿にて行われた上映前の舞台挨拶に、神木隆之介、門脇麦、古舘寛治、劇団イキウメ主宰で原作・脚本の前川知大、監督の入江悠が登壇した。
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神木は「一昨年の冬に撮影して、やっと今日を迎えられたなという気持ちです」と公開を迎えて晴れ晴れとした表情。作品について「初めて観た時は、まだこの映画のことを全部理解できないなと思いました。でも今いまの年齢、環境で僕の中で感じたことがあり、5年後、10年後と違う環境で、また全然違うことを感じるんだろうと思いました。みなさんの心の中で育てていっていただく作品だと思います」と語りかけた。
門脇は「現場が本当に寒くて。明け方から撮影して、ちょっと寝て、また夜中まで撮影、ということもありました」と過酷な撮影を振り返りつつも、「『いいものを作ろう』『新しいものを作ろう』という静かな熱気にあふれていました。みんなで必死に戦いながら作り上げた作品です!」と胸を張る。
門脇と親子役を演じた古舘は「僕は普段は“ピンポイント俳優”で、ちょっと出てすぐいなくなることが多いんですが(笑)。今回はたくさん出ていて、しかも割といい男です」と得意げに語り、笑いを誘う。作品については、「パッと見、SFですが根幹(な部分)に現代的なテーマがあります」と自信ありげにうなずいた。
2011年の舞台初演直後に前川とともに、映画の脚本づくりにために動き出したという入江。「普段はそういう言葉を遣わないんですが『これは傑作だ!』と思い、何とかその感触に近づけたいと、前川さんと一緒にディスカッションし試行錯誤してきました」と振り返り、ようやく迎えた映画の船出に感慨深げだった。
作品の生みの親である前川も「よく『作品は自分の子供』と言いますが、そういう意味では2011年からずっと練ってきて、立派に親離れして歩いていると思います。こちらから『どう見てほしいか』というのはなくて、観た人それぞれが持って帰っていただければ」と満足そうな表情を見せていた。
また、神木は見どころとして入江による長回しにも言及。「独特の緊張感、スピード感、人間の感情がリアルタイムで動いていく瞬間を肌で感じられると思います」と評し、、入江も「俳優にしか出せない“知性”というものがあると思います。長回しによって、それぞれがどのように変化していくのかをじっと見ていただけると思います」と語った。
ちなみに、神木と古舘は、本作の撮影で急接近(?)し、撮影終了後には、神木が自宅に古舘を招いて将棋に興じたという話も!古舘はこの件について「びっくりしました。二人だけの秘密のつもりで、マスクしてこっそり行ってきたのに、Twitterに書かれていて(笑)」と語るが、すかさず神木さんから「ガッツリ一緒に唐揚げやポテトまで買いに行ったじゃないですか!」と突っ込みが入り、 “年の差コンビ”のコミカルなやり取りに、会場からは和やかな笑いが巻き起こっていた。
この他の出演は、古川雄輝、綾田俊樹、水田航生、森口瑤子、高橋和也、村上淳、中村優子、鶴見辰吾など。
映画『太陽』は角川シネマ新宿ほか全国にて公開中。