2016年5月21日(土)より東京・パルコ劇場にて舞台『ボクの穴、彼の穴。』の上演が決定した。デヴィット・カリとセルジュ・ブロックによる絵本が原作となる本作。日本では、演出家であり脚本家、映画監督とマルチな活躍で知られる松尾スズキが初の翻訳し注目を浴びた。今回、この絵本を2012年に『○○トアル風景』で岸田國士戯曲賞を受賞したノゾエ征爾が、大胆に翻案・舞台化。ノゾエ作品がパルコ劇場で上演されるのは、これが初となる。
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舞台は戦場。塹壕に取り残され、郷里の家族や友人に思いを馳せながら、お互いへの恐怖と疑心暗鬼にさいなまれる二人の兵士の姿を描く。兵士役に挑むのは、塚田僚一(A.B.C-Z)と渡部秀。上演にあたり、翻案・脚本・演出のノゾエと、塚田、渡部からコメントが届いた。
◆ノゾエ征爾(翻案・脚本・演出)
「戦争」×「現代日本で生きる僕らの身体」から、改めて、人間の儚さ、愚かさ、おかしさ、そして何よりも愛おしさを抽出できたらと思っています。それは、僕らにとってものすごく大切なもので、何度気付いても、何度も忘れてしまうものです。
そうしてまた戦争がはじまっていくわけですが。
塚田さん、渡部さんの、その瑞々しい、現代の若者の身体と感性に、すごく期待が膨らんでいます。絵本原作の今作に、お二人の人間味を表出できたらと思っています。
翻訳の松尾スズキさんは、僕の師匠と言える方です。松尾スズキさんのゼミをきっかけに、本格的に演劇をはじめました。以降、何度となくお世話になり、昨年は松尾スズキさんの絵本を舞台化させていただきました。松尾さんが手がけた作品をこうしてまた舞台化させていただけることに、思いが強まらないわけはありません。しかもそれが、パルコ劇場最後の期間にです。加えて、初のパルコ劇場です。パルコ劇場、無謀です。これだけの歴史ある劇場さんが、これだけの無謀を犯しているのです。その褪せない開拓心に感銘を受けました。などと悠長なことは言わず、精一杯“演劇”と戯れたいと思っています。
◆塚田僚一(A.B.C-Z)(出演)
初主演!初二人芝居!初めての事ばかりですけど素敵な作品をお届出来るように全力で頑張りマッスル!
◆渡部秀(出演)
今回初めての2人芝居を経験させていただきます。 今回舞台で触れる『戦争』は、僕らが漠然とイメージする『戦争』とは少し違っていて、個人対個人の小さな火種を描く作品
になります。穴の中で疑心暗鬼、そんな極限状態で自分の中から出て来るナニカをみつけて舞台上で表現してみたいと思います。今から凄く楽しみです。
彼は、敵。ボクの穴からは見えない―。舞台『ボクの穴、彼の穴。』は、2016年5月21日(土)から5月28日(土)まで東京・パルコ劇場にて上演される。
(写真)左:ノゾエ征爾 / 右:渡部秀