2014年3月に第1弾公演『オズからの招待状』を上演したPONKOTSU-BARON project。それから約2年ぶりとなる2016年1月に、第2弾公演『回転する夜』が、東京・紀伊國屋サザンシアターにて上演されることが決定した。蓬莱竜太作である本作は、2007年に劇団モダンスイマーズによって初上演された作品。引きこもりの青年が夢の中で過去と現在を行き来し、社会への恐怖心を克服する姿を、全編石川弁で描いた骨太な名作である。
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出演は、PONKOTSU-BARON project第1弾にも出演した赤澤燈、西島顕人、味方良介、安川純平ら。2.5次元舞台や、ミュージカル、映画などで幅広く活躍する若手俳優たちが、リアルな社会性を含んだ物語に挑む。演出は、2012年に朗読劇として本作を手がけた和田憲明が担当する。「作・蓬莱、演出・和田」という組み合わせは、第22回読売演劇大賞優秀演出家賞を受賞した『304』(2014年)以来となる。
今回の製作にあたり、蓬莱と和田よりコメントが届いているのでお伝えしよう。
◆蓬莱竜太
『回転する夜』を書いたきっかけは、高熱を出したからだ。強めの風邪薬を飲んで眠った僕はひどい悪夢を見た。長い長い悪夢からなんとか抜け出し、目を覚ました。疲労困憊だった。ところが、時計を見ると三分しか経っていないのだ。とても困惑した。朝を二度と見れないような錯覚に陥った。この物語の主人公はある夜から抜けられないでいる。悪夢の中を彷徨い、朝は近づかない。もしかして誰にでもあるのかもしれない。未だに脱出できないある日の記憶が。もう一度リベンジ出来るならどうしますか?
◆和田憲明
正直、今回の企画でこの作品を上演するのには迷いがあった。蓬莱君という作家は、私にとって大事な存在の一人だ。そんな彼の作品を演出させてもらう時には、いつも以上にプレッシャーがかかる。それを出会ったばかりの若い役者たちとやる。さらに彼らは、どうやらストレートプレイの経験がないと言う。でも今はこの作品で良かったと思っている。私が蓬莱作品に出会った頃、その頃の作品群に共通して強く流れていた思い。それは今の彼らだからこそ、より共有できるのではないか。そんな挑戦になればいい。今はそう思っている。
リアルな空気感を追求した演出に定評がある和田が、若手俳優陣と共にどのような作品を作り出すのか、非常に興味深い。PONKOTSU-BARON project第2弾『回転する夜』は、2015年1月30日(土)から2月7日(日)まで、東京・紀伊國屋サザンシアターにて上演される。