2015年11月14日(土)に、『スポケーンの左手』が東京・シアタートラムにて開幕した。本作は、イギリス人劇作家で、映画脚本家・監督・プロデューサーの顔を併せ持つマーティン・マクドナーの代表的戯曲。翻訳・演出は、小川絵梨子が手がけている。初日を終え、4人の出演者からコメントが届いたので紹介しよう。
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◆蒼井優(マリリン役)
人間特有の愚かさ故の、おかしさ、愛おしさ、あたたかさが描かれている作品です。稽古中、何度も吹き出してしまいました。舞台上では、常に命の危険にさらされている役なので、集中して4人の滑稽な心理戦に挑みたいと思います。客席に取り囲まれた舞台は初めてなので、いつもより更にお客様と作り上げる感覚を毎公演感じられるのではないかと期待しています。
◆岡本健一(トビー役)
夢の様なキャストと白昼夢のような衝撃的な事件を劇場で体験して欲しいなと思います。生き抜くことがどれだけ大変か、生きているということがどれだけ素晴らしいかを、この作品で感じてもらえればなと思います。
◆成河(マーヴィン役)
今回やらせて頂くマーヴィンという人物はとても面白い役で、初めて台本を読んだ時からとても楽しみにしていました。彼の持つ奇妙な孤独感は実は僕たち誰もが持つものなのですが、それを観ている人に決して押し付けることなく感じて貰うのは至難の技です。どこまでも親身になって話を聞いてくれる演出の小川絵梨子さんと、信頼出来る素晴らしい仲間たちを信じて、最後の幕が降りるまで、しぶとく挑戦を続けたいと思います。
◆中嶋しゅう(カーマイケル役)
37年も左手を探している男ってどんな人だろう!!この男にとって左手って何なんだろう?きっとただ左手を失っただけじゃないんだろうな。魂の喪失感みたいなものの象徴なのかも?カーマイケルの37年の重さを思っています。芝居を楽しんで頂ければ幸いです。
展開の早いブラックコメディの中に、マクドナーの世界観溢れる言葉がちりばめられた『スポケーンの左手』は、2015年11月14日(土)から11月29日(日)まで東京・シアタートラムにて上演される。なお、エンタステージでは舞台レポートも近日公開予定。こちらもお楽しみに!
撮影:西村淳