2015年10月9日(金)、東京・Bunkamuraシアターコクーンにて舞台『大逆走』が開幕した。本作は、2014年5月に上演された『殺風景』以来、同劇場2度目の登場となる演出家・赤堀雅秋による新作公演。個性派俳優たちを揃え“エネルギッシュな喜劇”に挑む。初日前日には記者会見が行われ、主演の北村一輝、大倉孝二、池田成志、吉高由里子、峯村リエ、趣里、濱田マリ、大鷹明良、秋山奈津子、作・演出の赤堀が登壇した。
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初日を迎える心境を聞かれると、赤堀は「手応えなど、感じている余裕は一切なく…」と緊張感を漂わせた上で、「この魅力的なキャストの皆さんが舞台上にいる姿を見るとワクワクします」と期待を寄せた。5年ぶりの舞台出演となる北村は「普通、稽古が進むと安心すると思うんですけど、余計心配になった(笑)」と振り返る。「周りがあまりにすごくてプレッシャーもあるけど、恥をかく覚悟で稽古に臨んで、やるだけやってきました」と覚悟を語った。
赤堀の劇団THE SHAMPOO HATの『風の吹く夢』(2014年)にも出演した池田は、「みんな年齢も分野も違うのでどうなることかと思ったんですけど、本番を迎えたらもっと一丸になれそう」と笑った。一方、『殺風景』から続けての出演となる大倉からは、赤堀の演出について「赤堀さんはよく、“逆ギレですけど”って言いながら話し出すんですけど、逆ギレですけどって言えばいいと思っているのでは…そこが不満です(笑)」とまさかの苦言が!笑い合う二人の姿からは、確かな信頼が滲み出ていた。
吉高は、これが初の舞台挑戦となる。舞台に立って「怖いなあ…って、改めて実感」したそうだが、「わからなくてどうしようってなっても、稽古場に行きたくないとはならなくて。素敵な方たちに恵まれて初舞台を踏める自分は恵まれていると思えました」とコメントした。赤堀の演出については、「演出する言葉のチョイスがブサイク」とズバリ。「優しいし、いろんな言葉知ってる人なのに、なんでわざわざその言葉を選ぶのかなっていう…」と切り込んだ。その上で「温かい人ってわかるから思ったことです。本当に知らない人にはこういうこと言わないです」としっかりフォロー。吉高らしい率直さに、赤堀も共演者も大爆笑だった。
脇を固める女優陣も、技巧派が揃っている。秋山は妊娠8ヶ月でも舞台への執念を燃やす女優役、吉高演じる娘と確執を持つ母役を峯村が、苦悩するシングルマザーを濱田が演じる。趣里は劇中でバレエも踊るといい、見どころ盛りだくさんだ。最年長キャストとなる大鷹は、「先ほどの吉高さんのように、思いを率直に伝えられるようないい現場。最年長でどっしり構えていればいいのかと思っていたら、逆でかなりアクティブにやらないと成立しないので、毎日怪我をしないようにがんばりたい」と気を引き締めた。
最後に、北村は「こんなに素晴らしい人たちが揃う場は、自分自身の中でも数えるぐらいしかないだろうなと思える面々が揃っている。本当におもしろいものを作ったという自信がありますので、是非観て一緒に楽しんで頂けたら」とアピールし、吉高は「お手柔らかにお願いします」と神妙な面持ちで訴えた。
また、今回は赤堀独特の世界観にダンスなどで幻想的なシーンが盛り込まれ、これまでとはまた違った趣の作品になっているという。ダメな男たちとひとクセある不思議な女たちによる一夜の“逃走劇”を、是非お見逃しなく。舞台『大逆走』は、2015年10月9日(金)から10月25日(日)まで東京・Bunkamuraシアターコクーンにて、10月29日から11月1日(日)まで大阪・森ノ宮ピロティホールにて上演される。