1977年に宮本研が書き下ろし、劇団青年座が誇る“財産演目”のひとつ『からゆきさん』が、2015年11月14日(金)~23日(月・祝)、東京・紀伊國屋ホールにて上演される。本作は、200作品を越える青年座公演の中でも特に再演の期待が高い演目であり、今回その声に応える形での再演となった。また、青年座研究所の卒業公演としても繰り返し上演されており、数多くの劇団員が愛情を注いで関わってきた大事な作品だ。
関連記事:劇団青年座スタジオ公演№118『第十七捕虜収容所』、小劇場からの客演含め出演者12名は全員男性!
天草出身の巻多賀次郎は、上海を皮切りに大陸を渡り歩いた末、ここシンガポールに根を下ろし、娼館「二十六番館」の主人となった。多賀次郎が惚れぬいて一緒になった紋、日本を追われた七之助をかばうミユキ、出張商社員につくす巴、多賀次郎と紋を親のように慕うモモヨ、そして前妻のキノも炊事婦として二十六番館に身を寄せている。
時は日露戦争前夜、多賀次郎と「からゆきさん」たちは、強い愛国心のもと、遠く離れた祖国と家族のために仕送りに精を出している。当時の日本にとって、世界各国からのこのような送金は大きな収入となっていた。
ついに日本は日露戦争に勝利した。しかし、時の流れは彼らの思いとは逆方向に流れだす。
「すきもきらいも、ひろうも棄てるも男の勝手。女はせつない。でも、棄てられたら、棄てられたふりして、棄てかえせ」
出演は、綱島郷太郎、安藤瞳、津田真澄、松熊つる松、椿真由美、石母田史朗、ほか。今考える最高の俳優陣で、これまで積み重ねた経験を最大限に活かして芝居を創っていく。
舞台『からゆきさん』は2015年11月14日(金)~11月23日(月・祝)まで、東京・紀伊國屋ホールにて上演される。